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用語解説 

リソース

概要

 リソース(resource)とは資源のこと。広い意味では人間の活動や産業活動などの為に利用されるものを指し、各種の天然資源(水・鉱物等)や人的資源(労働力・技術力等)が含まれる。

 ビジネスシーンにおいては、通常、後者の人的資源の中から、経営を行う上で必要とされる要素を指す。日本語では経営資源と呼ばれる。

歴史

 イギリスの経済学者ペンローズ(Edith Tilton Penrose 1914‐96)が、1959年刊行の著書で提唱した。企業は成長していく中で資本や労働者をより多く必要とし、また、成長してより大きくなった企業を経営するには、より多くの「経営能力」が必要となる。ここでいう「経営能力」とは、資金調達力や販売力、従業員管理能力や経営管理についての知識と経験など各種資源の集合体である。ペンローズはこれを経営資源と呼んだ。

種類

 経営活動に対して企業が投入可能なものすべてが対象となるので、正確にすべてを網羅することは難しい。しかし、最も一般的な経営資源:リソースのベースとなるものに、ヒト・モノ・カネと言われる要素がある。

ヒト(人的資源):利用することのできる人的な資源。通常会社組織の場合はその従業員(人材)を指す。

モノ(物的資源):利用することのできる物理的な資源。商品や製品を作りだす原材料、部品、機材など。

カネ(財務資源):利用することのできる金銭的な資源。自分のもっているおカネだけでなく、銀行等からも借り入れも含む。

 以上の3要素以外は、分析で注力する視点あるいは理論を提唱する経営学者の考え方などによって異なる。よく使われているものとしては、情報、時間、ノウハウなどが挙げられている。

場面

 企業の経営戦略を策定する際(特に全社レベルでの戦略策定)に、注目すべき一つの要素として用いられる。

 よく用いられる3つの要素として、(1)ドメイン(事業を展開する領域)、(2)コア・コンピタンス(企業の中核的な力)、(3)資源配分(経営資源:リソースの全体的な最適化)がある。

 つまり、(1)においてどこで戦うかの、戦う土俵を決め、(2)で他社より優位に立てる能力を発見し、それを発揮し、(3)でその優位性を維持・発展できるように、いかに効率的に経営資源(ヒト、モノ、カネなど)を配分していくかの戦略を策定する。

 特に複数の事業を持つ企業の場合は、個々の事業の成否だけでなく、全社的な視点で適正な資源配分を考えなければいけない。適性に資源配分を行うためには、まず各事業の現在の状況を明らかにし、事業目的の設定や投資の方針を決める必要がある。

ケース

 以下、大手家電メーカーのシャープを例に「経営資源」を解説する。

 2000年ごろから液晶テレビ分野に経営資源の配分を積極的に行い、「液晶のシャープ」の地位を確立した。しかしながら、08年のリーマンショックで需要は落ち込み、また、中国・韓国などの新興勢力の台頭による激しい価格競争に巻き込まれて収益は悪化していった。

 前項で述べたドメインとコア・コンピタンスの分析を見誤ったことに原因があるといえる。競合による価格競争が起きるというマーケット動向の読み違えに気づかぬままドメイン設定をして膨大な投資をしてしまい、かつコア・コンピタンスとしての液晶部門の強みは競合が追随できないほどのものであると過信してしまったことから、後に引けない状況に陥ってしまった。

気をつけるべきポイント

 同じビジネスシーンにおいて、IT分野でもリソースという言葉はよく使われるが、コンピュータ機器の場合はハードウェアやソフトウェアを動作させるのに必要なCPUの能力(処理速度等)やメモリ容量、ハードディスクの容量などを意味することが多い。

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