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用語解説 

地方創生

概要

 地方創生とは、第2次安倍政権で、東京への一極集中を避け、地方の人口減少に歯止めをかけるために行われた一連の政策のことである。2014年9月3日の第2次安倍内閣発足時に総理大臣記者会見で発表された。ローカル・アベノミクスとも呼ばれている。

種類

 内容は、次のふたつのものがあげられる。
ひとつ目は新型交付金で、地方版総合戦略に対しての交付金のことであり、地方自治体が活性化するような官民連携事業に対して交付される。自治体は人口流入策などを策定した具体案を国に提出、進捗状況を毎年精査する。政府関係機関の地方移転は、東京へ一極集中となっている現在の状況を打破するために打ち出された。政府機関を地方へ移転させることで、地方の活性化や人口流入が期待されている。

 ふたつ目は特区で、日本の持続的な経済の活性化と発展を支えるために規制を緩和した特別な区域のことである。この特区は、国際的な経済活動の拠点となるための国家戦略特区と、少子高齢化や産業構造の変化に対応するための総合特区、古い規制を改革することで地方の活性化を狙った構造改革特区の3種類がある。
情報・人材支援では、さまざまな計画が予定されている。主に膨大なデータの活用で地域経済の分析を行うものや、ある分野に特化した人材の育成、地方自治体を活性化するための人材を支援するものがある。医療や福祉など将来必要とされる都市のモデルを設計する計画もここに含まれる。

背景

 2000年、2005年、2010年の国勢調査をそれぞれ比較すると、大都市圏は人口が増加しているのに対し、地方都市は減少していることが分かった。
長期的な視野で日本の持続的な発展を考慮すると、大都市圏、とりわけ東京への人口や産業、官庁組織が一極集中している現在の状態は変えるべきであると、2014年に内閣府が発表した。

歴史

 日本は1999年より労働力人口が減少しており、国勢調査からも先進国の中でいち早く国全体の人口が減少に転じた。労働人口が減少に転じるとGDP(国内総生産)は反比例して上昇することが知られている。しかし長期では国の所得税額が減少することは明白であり、人口の減少はすなわち国力の低下となる。

 地方都市での人口減少は顕著であり、雇用の創出と、世帯数を増やすことが人口減少の歯止めになると政府は判断。それを踏まえ、2014年に第2次安倍政権での目玉政策に、この地方創生という言葉が掲げられることになった。

ポイント

 目玉政策のひとつである新型交付金は、2014年度補正予算で1700億円が計上されていたが、2016年度補正予算は、それを遙かに下回る1000億円規模に縮小された。大幅な増額を要請していた全国自治体から不満の声が上がった。そのため、国は新たに「地方創生加速型交付金」という1000億円規模の交付金を2016年度補正予算に創設した。

 中央省庁においては、文化庁の京都全面移転が成されたのみで、それ以外では大きな政府関係機関の地方移転は行われていない。これに対し、国が率先して態度を示すべきだとの批判がある。
特区政策では、外国人医師が臨床修練制度の要件緩和で診療所にも受け入れることが可能になった。

 しかし単独の診療所で、ひとりの指導医がいるだけでは、安全上問題があるとの日本医師会の指摘がある。
情報・人材支援に対し、地方人口ビジョンで人口減少に歯止めがかかるとされているが、有識者などからは根拠に乏しいことや、大都市圏の出生率を改善させる政策もあわせて進めるべきとの意見が上がっている。

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