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用語解説 

知足

概要

 知足とは、みずからの分をわきまえてそれ以上のものを求めないこと、分相応のところで満足することを指す。知足の由来は、老子の一節「足るを知る者は富み、強めて行う者は志有り」(満足していることを知っている者は富み、努力している者は志が有る者といえる)からきている。環境問題や生活様式と併せて議論されることが多いため、必要以上の資源や労力を求めず持続可能な生活を目指すというニュアンスを持ち、競争主義や短期的利益とは対極の意味で使用される。「小欲知足」など四字熟語の一部としてもよく使用される。

歴史

 古くは江戸時代に、石田梅岩が「知足按分」という言葉を用いた。まだ商人の身分が不安定であった時代において、商人の生き方と適切な利益を得ることの正当性を説き、さらに下請商人からの過剰な搾取を戒めるとともに、経費を倹約してその分、顧客満足へ尽くすという考え方を説いた。このような教えの背景には、彼が幼少期より学んだ儒教が背景にあり、「知足」という考え方もその一部である。封建主義体制を助長する学問という捕えられ方をされたため、明治初期には廃れたが、顧客満足の考え方をはじめとして、現代ビジネスにも石田梅岩の商人道は広く根付いている。

知足をビジネスに活用するメリット

 ビジネスでのメリットとしては、長期的な会社の存続について考える機会の増加が挙げられる。近年では、株主の立場が強くなってきたため、経営面でも短期的利益の最大化が求められるが、この傾向は顧客の過剰な消費を促し、労働者の生活環境や精神状態を悪化させている一因ともなっている。過剰な短期利益の抑制と長期的な存続という考え方が、株主や経営陣に取り入れられると、顧客のより良い満足のための良質な商品の開発、労働者の状況を考慮した経営施策の立案が可能となる。

注意点

 欲望を否定していると考えられがちだが、欲望自体を特に否定しているわけではない。欲望は自身や事業の成長にも必要なものであり、数々の発明の起爆剤ともなった。ただ、「知足」には、周囲や自身に悪影響を及ぼすほど貪欲に欲望を満たすことを追い求めることについて、戒める考え方が根底にある。

シーン

 20世紀は科学、金融をはじめとする多くの分野が進歩を遂げた。これは人々が、自分の欲望を満たそうとしたことも一因であったと考えられる。人々は自らのために、利便性や利益を求めてきたが、進歩とともに環境破壊や労働環境の悪化は進み、2000年代初頭には、サブプライム問題や金融危機も発生した。今後は持続可能な社会を目指し、地球環境・労働環境とビジネスのバランスを取っていくことが求められる。

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