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用語解説 

ADR/裁判外紛争解決手続

概要

 ADR(裁判外紛争解決手続)とは訴訟手段を用いずに、両者が合意の元で法的なトラブルを解決する方法や手段などの総称である。裁判外紛争解決手続きの利用の促進に関する法律(ADR法)で、訴訟手続によらず民事上の紛争の解決をしようとする当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決を図る手続、と定められている。なお、ADRは「Alternative Dispute Resolution」の頭文字を取ったものである。

種類

 ADRには、斡旋、調停、仲裁の3種がある。斡旋とは、当事者同士での交渉によって解決を図るものである。あくまで話し合いで解決を図るものであるため、斡旋人が解決案を提示することもあるが、それを断ることもできる。調停とは、調停人が解決案を提示して両者が合意することで解決する方法である。この仲裁判断は裁判と同じ効力があり、当事者は拒否を行えない。さらに、控訴や上告といった不服申し立ての制度もなく、この解決について裁判を起こす権利も保持しない。仲裁とは、当事者同士の合意(仲裁合意)に基づき、仲裁人による仲裁を行うものである。当事者同士は事前に合意していることが前提であるため、仲裁を行う際は、すでに解決しているものとする。この場合の根拠法として、仲裁法がある。

長所・短所

 民事訴訟と比較した際の長所は、利用者にとって費用が少なくて済む、秘密の保護が原則であるため社外秘密が漏れる恐れがない、手続が簡便であり臨機応変な対応が取れる、といった点がある。短所は、ADRの認知度自体が低いことや、第三者機関が多数に上るため、その中立性や公平性に疑問符が付くことなどが挙げられる。

シーン

 裁判所だけでなく、さまざまな行政機関や民間機関が活用できる。行政機関であれば、事業者に対する消費者としての苦情なら消費生活センター、民間機関であれば、生命保険に関する問い合わせなどには生命保険協会、といったように、解決したい事項によって使い分けることが可能である。

背景

 訴訟手続には、費用や時間、人員など、当事者同士に相当の負担を強いることになるため、紛争の解決には、もっと勘弁で気軽に利用できる手段が必要であった。そのため、司法制度改革審議会によって、総合的なADRの制度基盤および仲裁法定の整備が必要と提唱された。それを受けて、司法制度改革推進本部が設置され、ADRへの理解の推進、斡旋人・調停人・仲裁人の確保および育成などが行われることとなった。総合法律支援法において、国や地方公共団体、弁護士会、司法書士、社会保険労務士、行政書士など法律家の団体とADR機関が互いに連携して機能を強化しなければならないと定められている。

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