2022.3.31 (Thu)

建設業界の課題とその対処法(第4回)

建設業界における2024年問題とは?

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 少子高齢化社会に突入している日本では、生産年齢人口減少や介護・育児と仕事の両立といった問題に直面しています。労働者にとってより働きやすい環境を整えることを目指し、厚生労働省は2019年に「働き方改革関連法」を施行。建設業界への適用は2024年にスタートする予定となっています。一体どのようなルールが適用されるのでしょうか?

建設業界における2024年問題とは何か

 2019年から「働き方改革関連法」が施行されました。建設業界の場合、短期間で労働環境を変えることが難しいという理由から、同法律の適用に5年間の猶予を与えられています。つまり建設会社は、2024年には働き方改革に対応できるよう労働環境を整える必要があります。これが建設業界における「2024年問題」です。

 働き方改革の実現に向け、厚生労働省では以下の取り組みに着手するよう呼び掛けています。
 ・長時間労働の是正
 ・雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保
 ・柔軟な働き方がしやすい環境整備
 ・ダイバーシティの推進
 ・賃金引き上げ、労働生産性向上
 ・再就職支援、人材育成
 ・ハラスメント防止対策

 国土交通省はこうした取り組みの中で、建設業界が特に意識すべき課題は「長時間労働の是正」、「労働生産性向上」であると指摘しています。国土交通省が行った「年間実労働時間」の調査結果によると、2016年度における他産業の平均年間実労働時間が1720時間であるのに対し、建設業は2056時間と報告されています。

 国土交通省は、建設業の長時間労働を是正するための施策として、ドローンを始めとする最新のIT機器の活用や、3次元モデルの設計図面で建設ライフサイクルを効率化することなどを挙げています。

 厚生労働省でも「建設業支援対策パッケージ」として、労働環境改善や人材育成に取り組む建設企業に対して助成金制度を設けるなどの対策を講じています。

なぜ建設業界の働き方改革が進みにくいのか

 政府は先に挙げたようなさまざまな支援制度を設けて建設業界の働き方改革を推し進めていますが、その背景には建設業界特有の特徴があります。

 特徴の1つに、深刻化している人手不足が挙げられます。国土交通省の調査によると、建設業の就業者数は1997年をピークに右肩下がりで減少を続け、2017年には498万人にまで減少しています。高齢化も進んでおり、同じく2017年時点では、建設業就業者の約3割が55歳以上で、29歳以下の占める割合は1割程度に過ぎません。

 さらに、人材が定着しないという課題も抱えています。2018年に厚生労働省が実施した「新規高校卒就職者と3年目離職状況の推移」を見ると、高卒全産業離職率は2014年時点で40.8%であるのに対し、建設業に限った高卒離職率は47.7%と高めの数値となっています。

 この推移を保ったまま建設技能労働者の引退が進めば、人手不足がさらに深刻化していくことは想像に難くありません。人手不足に陥っている企業は、既存の人材に長時間労働や休日勤務を要請しがちですが、いつまでもそのままでは、働き方改革を実現することは難しくなります。

2024年までもう少し。どのように取り組めば良いのか

 建設業界において働き方改革が進まない現状を踏まえ、政府は現在、労働環境の改善などさまざまな施策を打ち立てています。その1つが、国土交通省による「建設業働き方改革加速化プログラム」です。

 同プログラムの主な取り組みは、大きく3つに分けられます。1つ目が「長時間労働の是正」です。具体的には、他の業界では一般的な週休2日制の導入、長時間労働につながらない「適正な工期設定等のためのガイドライン」の改訂を行うというものです。

 2つ目の取り組みは「給与・社会保険に関する取り組み」です。従業員に対するキャリアアップシステムの明示や技能労働者のスキルに見合う給与の支払い、社会保険未加入の建設企業に対して、建設業の許可・更新を認めない仕組みの構築などを目指しています。

 3つ目は「生産性向上に関する取り組み」です。この取り組みでは、ITツール活用の促進を狙いとした公共工事の精算基準改善、技術者配置要件の合理化を図っています。

 国土交通省ではほかにも、調査や測量、設計、施工、検査、維持管理などのプロセスにおけるITツールの活用を促進する「i-Construction」プロジェクトを通して、2025年までに従来比で生産性を2割向上させる施策を講じています。

 建設業が働き方改革に取り組まなければいけなくなる2024年は、もうすぐそこまで来ています。その時までに、自社の働き方改革を阻害している要因の洗い出し、どのようなところから業務改善が進められるか、検討していくことが求められます。まだ未対応の企業は、身近なところから始められる業務からデジタル化を進めておくべきでしょう。

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