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2022.03.31 (Thu)

建設業界の課題とその対処法(第2回)

建設業界が直面する2つの課題を乗り越える方法とは

 日々進歩するデジタルツールは、建設業界における業務効率化や生産性向上にも役立ちます。中でも、今多くの業種業界で活用されている「映像」技術は、建設業界の業務の省人化や、ベテランから若手への技術継承に役立つ可能性を秘めています。建設業界ではこの技術をどのように活用しているのか、その取り組みや今後の可能性を解説します。

建設業界が直面する「若手不足」と「技術継承」

 建設業界における深刻な課題は人材不足です。経済産業省が2019年に発表した「建設業界の現状とこれまでの取組」によると、建設業の就労人口の約4分の1(25.2%)を60歳以上が占めており、82.8万人にも及びます。

 一方で、29歳までの若手は11.1%、36.5万人にとどまっています。少子化により減少している若手をいかに確保し、少ない労働力でも業務を回していけるかが業界の大きな課題となっています。

 若手の就業者不足は、技術継承の問題にもつながります。本来であれば、ベテランが若手に教えながら一緒に作業することが技術継承の一番の近道ではありますが、最近ではコロナ対策のために、現場に入る作業員の人数が制限され、若手の指導や技能継承が十分に行えないケースもあるでしょう。

 建設業界では、業務の省人化と、ベテランから若手への技術継承という2つが大きな課題となっているといえます。

省人化の第一歩は「映像」の活用から

 課題の1つ目である、業務の省人化を実現する1つの方法としては、「映像」による遠隔からの現場確認というアプローチがあります。

 映像による遠隔からの現場確認はすでにさまざまな業界で実用化されています。

 製造業であれば、従来は目視で行っていた検品をカメラに置き換え、大量に流れる製品を撮影、分析し、瞬時に不良品をはじく技術を利用する方法もあります。小売業であれば、店内に設置したカメラで来店客を分析し、必要なタイミングでスマートフォンに広告を表示させる技術も存在します。

 建設業ではドローンの活用も進んでいます。ドローンであれば、人が入り込みにくい場所や、危険が伴う場所でも映像の撮影が可能なため、橋や道路、ダムなどの状況を遠隔地から安全に確認できます。

 建設現場にカメラを設置するケースも増えています。工事管理者が遠隔地から進捗状況を確認したり、台風など自然災害が発生した後の周囲の影響を確認することもできます。

 建設機械の無人化でも映像が活用されています。カメラの性能が向上し、映像を転送するための通信回線も高速化・大容量化しているため、遠隔から建設機械をリアルタイムで制御するような無人作業も可能になりつつあります。

「遠隔臨場」は、業務の省人化と技術継承の両方に役立つ

 建設では、映像を音声と組み合わせることで「省人化」にも「技術継承」に役立てようとしています。

 国土交通省では、公共工事の建設現場において「段階確認」、「材料確認」、「立会」を必要とする作業は、現場に赴かなくても、遠隔でそれらの作業を行う「遠隔臨場」を適用することを認めています。

 遠隔臨場とは、Web会議システムなどを利用して、ウェアラブルカメラを含む動画撮影用のカメラによって現場を撮影し、その映像や音声を、現場の段階確認、材料確認、立会作業に利用しようとするものです。つまり、これまで現地に出向いて確認していた作業が、机上で実現できるということになります。遠隔で実施できるため、移動時間もコストも不要になります。

 この遠隔臨場は、技術継承にも役立ちます。ベテランの従業員がウェアラブルカメラを装着し、その様子を遠隔から若手が見ることで、たとえ同じ現場にいなくても、若手がベテランの技術を学ぶことができます。映像は録画もできるため、研修用の教材としても活用できます。

 しかし、こうした遠隔による映像の活用には、課題も残ります。Web会議システムやウェアラブルカメラなどの機器やサービスを用意する必要があり、かつそれらを使いこなす必要もあります。

 最も重要な課題は、通信環境です。通信環境が十分でないと、精度の高い映像が送受信できず、途切れてしまうこともあります。

 とはいえ、こうした課題が解決できれば、業務の省人化、ベテランから若手への技術継承という、建設業界の2つの大きな課題が解決できることになります。これらのサービスはすでに展開されているものもあるため、人手不足に悩んでいる企業は、早めに導入するのが良いでしょう。

導入事例掲載「建設現場のウェアラブルカメラ活用」

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