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ICTで変わる小売業の新しい形(第2回)

店舗の無人化、スマートストアの活用事例!

 店舗における顧客や従業員の感染リスクへの対処が求められる中、急増する非接触ニーズに対応する手段のひとつとして、デジタル技術を活用して来店客に新しい顧客体験を提供する「スマートストア」があります。ニューノーマル時代に店舗はどのように変わっていくのか?国内外のスマートストア事例を交えながら、店舗の未来の在り方を紹介します。

オンラインの販売は増え、店舗での販売が減っている

 新型コロナウイルスの流行により、不要不急の外出や、混雑や人との接触の回避が社会的に推奨されるようになりました。こうした消費者意識の変化は、小売業に大きな影響をもたらしています。

 2021年7月に総務省が発表した「令和3年版情報通信白書」によると、小売業における前年と比較した消費支出は、オンライン販売が軒並み増加した一方で、店舗での対面販売はすべての小売業において減少しています。店舗を訪れる顧客が、オンラインに流れた状況となっています。

 店舗が再び売上を伸ばすためには、何かしらのテコ入れをする必要がありますが、そのための手段のひとつとして、AIやIoTを活用して店舗の最適化や顧客体験の向上を行う「スマートストア」があります。

アメリカでは対面販売がない店舗もある

 スマートストアは、対面販売を行う店舗をどのように変えるのでしょうか? すでにスマートストアの活用例が進んでいる海外の事例を見てみましょう。

 1つ目の事例が、米Amazonが2020年に発表したスマートカート「Amazon Dash Cart」です。

 Amazon Dash Cartとは、カートに設置されたスキャナに、スマートフォン専用アプリに表示された二次元バーコードをかざすことで、カートが本人のAmazonアカウントを認識し、カートに商品を入れるだけで自動的に識別します。精算は、専用レーンを通るだけでカートの中身が計算され、Amazonアカウントに登録されているクレジットカードから支払いが完了します。入店から退店まで人と対面・接触することなく買い物を完結できる点で、ニューノーマル時代にふさわしい仕組みだといえます。

 2つ目の事例が、米大手チェーンスーパーのWalmartが実施するBOPIS(Buy Online Pick-up In Store)です。BOPISとは、ECサイトで購入した商品を店舗で受け取るサービスのことです。Walmartはコロナ禍以前から、テック系スタートアップ企業と連携し、BOPIS領域に注力していました。

 Walmartの店舗の入り口には、5メートルの「ピックアップタワー」がそびえ立っています。この"タワー"の中には最大300個の荷物が収容可能で、来店客はスマートフォンに届いたバーコードをタワーの端末にスキャンさせるだけで、1分以内に荷物を受け取れます。このピックアップタワーを利用することで、ECサイトよりも商品を早く受け取れるうえ、送料がかからず、店内滞在時間もわずかで済みます。

 アメリカでは、入店せずに駐車場で商品を受け取る「カーブサイドピックアップ」という形式のBOPISも増えています。Walmartでも、オンラインで注文した商品を店員が顧客の車に積む"完全非接触"のBOPISサービスを提供しています。

日本でもスマートストアは増えている

 こうした店舗のスマートストア化は、マーケティングや販売促進の側面でも活用が期待されています。

 たとえば、国内のとある商業施設では、「どのエリアから、どのような顧客を呼び込めているのか」を分析するため、高精度のBeacon(ビーコン、電波を発信する端末)約200台をショッピングセンターやスーパー、飲食店、書店などに設置し、顧客のデータを収集・分析しています。この結果、顧客の動線や属性の実態を把握でき、より良い売り場づくりに役立っているといいます。

 地域に拠点を置く某スーパーマーケットチェーンでは、商品の陳列棚と商品を認識するAIカメラを導入することで、陳列状況や人の動きを分析。欠品の自動検知やデータマーケティングに活用することで、顧客満足度を高めることに成功しているといいます。

 このようにスマートストアは、海外だけでなく国内でも導入・拡大しつつあり、テクノロジーの使い道やその成果の事例も増えています。もし、コロナ禍で売上が減っているのであれば、早いうちに対策を進めておくのが良いでしょう。

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