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製造業の課題をAI、ネットワークで解決(第4回)

製造業に不可欠な「ネットワーク」をどう守るか

 製造業では今、IoTなどのデジタル技術を活用した、生産性向上や業務効率化が強く叫ばれています。しかし、ネットワークに接続する機器の数が増えるほど、ネットワークに障害が発生した時の影響も大きくなります。今回は製造業におけるネットワークの重要性と、障害を未然に防ぐ方法を考えます。

製造業ではネットワークが欠かせない存在になっている

 製造業がデジタル化を推進する上で、その屋台骨といえる「ネットワーク」を正しく整備していくことは重要な課題の1つです。

 製造業の現場では、さまざまな機器がネットワークに接続されており、特に最近ではIoTを導入し、生産設備のデータを取得・活用するケースも増えています。生産設備と接続した有線のネットワークだけでなく、無線LANの活用も広まっています。タブレットを使いながら生産管理システムへのデータ確認、データ入力といったことを行うケースも増えています。

 しかし、ネットワークに接続する機器が多くなればなるほど、多数の端末が通信を行うため、帯域の逼迫が生じる可能性が高まります。

 ネットワークに障害が発生した場合、日々の生産活動が停止し、ビジネス面で大きな損失が出てしまいます。生産設備からデータを取得することもできなくなり、製造業のデジタル活用にも支障をきたすことになります。

ネットワークが複雑になるほど、原因の究明も難しくなる

 ネットワークを安定化させるためには、先に挙げたようなネットワークのトラブルの芽を、早めに摘んでおく必要があります。

 単純なトラブルの例としては、工場内のレイアウトを変更したときに「ケーブルが抜けてしまった」「ケーブルが引っかかって切断してしまった」というケースもあります。詳しい知識を持たない現場の従業員がケーブルを誤ったポートに接続することで、ネットワーク内部で通信のループが発生してしまい、機器が停止してしまう恐れもあります。

 多くの機器をネットワークに接続している場合、事故発生時の原因を探ることも困難になります。

 単純なネットワーク構成であれば、障害時の復旧もシンプルです。しかし、工場によっては、規模を拡大するにつれて機器を継ぎ足しながらネットワーク構成を変更した結果、独立した複数のネットワークが乱立し、全体像や構成が把握できない事態も起こりえます。

 デジタル技術をフル活用した高度な工場を実現するためには、安定したネットワークの存在はますます重要となるでしょう。

製造業のハードな現場に適した機器がある

 工場のネットワークを安定的に稼働させるには、いくつかのアプローチが存在します。その1つは、工場に適したハードウェアを導入することです。

 工場の現場は、一般的なオフィスと比較して、とかく厳しい環境に置かれがちです。たとえば、極端に暑い/寒い、湿度が高い、粉塵が常に舞う、という現場もあるでしょう。このような環境で、機器を長期間に渡り正常に稼働させるには、産業用ネットワークスイッチのような、ハードウェア自体に高い耐久性が求められます。

 産業用ネットワークスイッチの特徴は、温湿度、粉塵だけでなく振動や衝撃、腐食への耐久性が考慮されていることです。さらに、電磁波の干渉を受けづらいため、たとえ近くに生産設備があってもその影響を低減できます。

 電源については、多くの機種で2系統からの電源入力が可能な冗長電源に対応しています。電源周りでトラブルが発生したとしても、ネットワークを動かし続けることができます。

不具合が発生した際の準備は欠かせない

 工場の安定したネットワーク稼働を実現するポイントは、先に挙げた産業用ネットワークスイッチのような、工場に適したハードウェアの導入に加え、もしネットワークの異常があっても迅速に対応できるようにすることです。

 たとえば、ネットワーク機器に故障が発生したり、不審なネットワーク通信が発生した際に、それを即座に検知して、管理者に通知することで、工場のダウンタイムを防ぐことができます。

 ネットワークの不具合を検知する方法としては、「ネットワーク可視化ツール」や「トラフィック可視化ツール」などの製品を導入する方法があります。こうしたツールの中には、産業機器を含めたネットワーク構成図(トポロジーマップ)を可視化したり、障害箇所をわかりやすく示したりすることで、専門知識を持たない人でも直感的に扱えるように工夫が施されているものもあります。

 工場のIT化が進むということは、ネットワーク構成も複雑化するということになります。そのため、ネットワークのトラブルを迅速に対処するための管理ツールは不可欠といえます。情報セキュリティリスクに対する対策も必要です。自社に専門人材がいない場合は、外部のネットワークセキュリティの専門家に支援を仰ぐ方法もあります。

 ネットワーク環境の見直しは、現場の従業員が自分の本業に注力できるようにすること、IoTを見据えた取り組みを進めること、どちらの目的にも良い機会となるでしょう。

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