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2022.03.17 (Thu)

製造業の課題をAI、ネットワークで解決(第2回)

AI未導入の企業が知っておきたいノウハウ

 AIは企業が抱える課題の解決に役立つ存在です。最近では安価で手軽なAIのツールも登場しており、中小企業でも導入しやすくなっています。しかし、AIを導入している企業の数はまだまだ非常に少ないのが現状です。AI未導入の企業が新たに導入にチャレンジするためには、どうすれば良いのでしょうか?

AIが使いやすい時代にも関わらず、導入率はわずか3%

 たとえ大企業でなくとも、AIが導入できる時代が訪れつつあります。

 経済産業省が2021年に発表した「AI導入ガイドブック」によると、中小企業がAIを導入による経済的効果は、2025年までに11兆円と見込まれており、導入することで人手不足解消や技術継承など、企業が抱える課題に有効としています。さらに、安価で手軽なAIのツールも登場しており、利便性も向上しているといいます。

 その一方で、同ガイドブックにおけるAIを既に導入している企業の割合は、調査対象となった360万社のうちわずか3%と低調で、多くの企業でAIの機能や効果についての理解が不足しているといいます。経産省ではこの理由として、中小企業が「AI導入のためのノウハウ」にアクセスする機会が非常に少ない点を挙げています。

 逆にいえば、AIをまだ導入していない97%の企業は、ノウハウが理解できればAI活用の可能性が高まることでしょう。今回は、「AI導入のためのノウハウ」を紹介します。

AIが安価で手軽になった3つの理由

 冒頭で「安価で手軽なAIのツールも登場しており、利便性も向上している」ということに触れましたが、現在AI技術は飛躍的な進化を遂げており、誰でも簡単に利用できるようになってきました。その背景には、大きく分けて3つの技術の進化があります。

 1つ目が「機械学習やディープラーニング技術の発展」です。機械学習を進化させたディープラーニングでは、AIの学習をより効率的に行えるようになったことで、従来では実現できなかった高い認識精度を誇るようになりました。さらに、ディープラーニングを行うための無料のソフトウェアライブラリも充実してきており、近年開発はより加速しています。

 2つ目がインフラの進歩です。そもそもディープラーニングを始めとする機械学習処理は、膨大な演算を行う関係上、高性能なサーバーが必要なこと、学習が終了するまで時間がかかることが課題でした。

 しかし近年では、クラウドサービスの登場により、超高性能な高額のサーバーを購入しなくても、AIの処理に必要なインフラを必要なときにだけ利用できるようになっています。そのため、機械学習開発・研究のハードルは大きく下がっています。もちろん、コンピュータそのもの高性能化・低価格化や機械学習処理に欠かせないGPUの性能向上も大きく関係しています。

 3つ目がビッグデータです。あらゆるものビジネス活動がデジタル化されてデータが集まり、学習用のデータは圧倒的に揃いやすくなっています。AIには膨大なデータが必要となるため、ビッグデータの登場はAIサービス開発を後押しすることになりました。

なぜ製造業でAIの導入が進んでいるのか

 こうしたAIの進化によって、ビジネスシーンでAIの活用が進みつつありますが、特に導入が進んでいるのが、製造業です。

 たとえば、画像認識による製品の「不良箇所検出」や、機械・施設にセンサーを取り付けることによる部品の交換タイミングや機器故障の「前兆予測」、社内外データから需要を予測し、在庫やシフト、材料の仕入れを最適化する「需要予測」などで活用されるケースが多くなっています。

 製造業でAIの導入が進む背景には、AIとの「相性の良さ」が挙げられます。AIを用いることで、先に挙げたような検査・予測といった業務を自動化するため、少ない人手でも作業できるようになり、生産性が向上します。

 一方でAIは、学習データが不足している事柄の判断・推論や因果関係の理解、倫理観に基づいた判断などを行うのは困難のため、新しいものを生み出す業務には向かないでしょう。AIはあくまでもデータを学習し、それを基に計算結果を返す技術のため、何にでも適用できるものではありません。

 経済産業省のAI導入ガイドブックには、AIに向いた業種や領域が記載されています。AI導入の際には、そもそも「AIができること」が何なのかを認識しておくことが必要といえるでしょう。

社内にAI人材を抱えておくべき理由とは

 いざAIを本格的に導入するとなった場合には、当然ながらAIの担当者が必要になります。

 具体的には、機械学習のライブラリを用いながらプログラムを構築するエンジニアや、統計的なアプローチを駆使しながら最適な学習を実行できるようチューニングするデータサイエンティストといった専門性の高い人材が必要です。

 たとえ外部に依頼するとしても、協力会社とのコミュニケーションを行い、AIを正しく評価するためにも、以下の4つのスキルを持った人材を抱えるのが理想です。

(1)AIの価値や可能性を正しく理解するための技術力
(2)AIを作るためのプログラムを読み書きできる基本スキル
(3)AIを生かす方法を考える創造力やデザイン力
(4)AIのさまざまな可能性を探求する高度なプログラミング力、設計力、データの目利き

 とはいえ、こういった人材は引く手あまたです。自社での採用が難しければ、AI構築サービスを提供する企業の支援を受けるという手段もあります。最近では、学習データさえ用意すれば専門家なしでAIモデルを構築できるサービスも登場しています。

 「我が社にAIは必要ない」「別にいま導入する必要はない」と、AI導入に乗り気ではない企業も多いかもしれませんが、その間にもAIを導入した企業は、AIによって業務を効率化しています。そうした企業に遅れを取らないためにも、まずは自社でもAIが活用できる可能性があるかどうか、検討することから始めてみてはいかがでしょうか。

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