2022.3.25 (Fri)

小売業で広がるICT活用(第22回)

小売業の注目を集める新たな購買手法、ボイスコマースとは

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 近年、各種機器を音声だけで操作する音声アシスタント機能が普及しつつあります。その機能を活用した、顧客にとって新たな購買方法「ボイスコマース」が、いま小売業界で注目を集めています。ここでは、ボイスコマースの概要やメリット、実用例などについて紹介します。

ボイスコマースとは

 ボイスコマースとは、スマートスピーカーなどを利用し、音声だけで注文・決済できるオンラインショッピングのことを示します。広く普及している例としては、AmazonのAlexaが挙げられます。Amazonでは同社の音声認識アシスタントであるAlexaを利用することで、スマートフォンアプリまたはスマートスピーカーを経由して買い物ができます。ボイスコマースでは、声紋認証を利用することで情報セキュリティも担保しています。声紋認証とは生体認証のひとつで、人の声の周波数などを分析して個人を特定して認証する技術です。

ボイスコマースの導入メリット

 では、ボイスコマースを導入することで、企業にどのようなメリットが得られるのでしょうか。

リピート購買の促進

 声だけで購入できる商品は、顧客が過去に購入した経験があるものが多いと思われます。たとえば日用品や化粧品など、同じものを繰り返し購入することが多い商品は、ボイスコマースを利用することで顧客の買い忘れ防止、リピート率向上、ライフタイムバリュー最大化が見込めます。

電話対応業務の効率化

 これまで電話で購入受付を行っていた企業の場合、ボイスコマースを導入することで、電話業務の工数を削減し、別の業務にリソースを充てることができるようになります。

利用者の増加

 ボイスコマースは購入に必要な初期設定ができれば、基本的に音声だけで受発注が行えます。パソコンやスマートフォンの操作が苦手な人にとって、ボイスコマースはオンラインショッピングをはじめるきっかけになる可能性があり、新たな顧客層の開拓も期待されます。

ボイスコマースの課題

 企業がボイスコマースを導入する際に気をつけるべきポイントを説明します。

音声認識の精度

 ボイスコマースは、ユーザーの音声をコンピューターが認識して注文のやりとりを行います。音声認識の精度が悪いと顧客のストレス向上、あるいは注文ミスが発生する可能性があります。顧客側に立ったテストを行って、最適解を見つける必要があります。

ビジュアル要素の欠如

 商品を購入する時の決め手のひとつに、見た目が挙げられます。従来のオンラインショッピングサイトでは、顧客は商品画像などが確認できます。しかしボイスコマース単体では確認できません。商品画像がなくてもスムーズに注文できるよう、販売する商品のラインアップを精査するなど、検討しましょう。

定期的なメンテナンスが必要

 ボイスコマースをスタートした後は、問題点の修正や新たな機能を追加するときにメンテナンスをしなくてはなりません。メンテナンス時にはシステムが一時的に利用できなくなるだけでなく、メンテナンスコストもかかります。

ボイスコマースの実用例

 実際にボイスコマースが活用されている事例を紹介します。

テレAI

 テレ株式会社はボイスコマースサービス「テレAI」を2021年12月11日より提供開始しました。会員登録に必要な名前、配送先住所と注文したい商品名、個数を電話で伝えることで商品を注文できるサービスで、小売企業が自社商品を販売する際に利用することを想定しています。

 テレAIを導入することで、従来の人が対応するケースよりも、人件費の低減が期待できます。また、24時間対応可能となるため、販売機会の損失を防ぐことにもつながります。顧客から得た注文内容はAIによって自動でテキスト化され、企業に送信されます。

AZLM connected store

 AZLM connected storeは「新たな気づきをもたらす」をテーマにした体験型店舗のプロジェクトです。アパレル、服飾雑貨、インテリア雑貨、食品、コスメなど約200~300種類の商品をライブでマーケティングできる期間限定の店舗を各地で展開。同プロジェクトの店舗では、ボイスコマースを体験できます。

 顧客はスマートフォンにAmazon Alexaアプリをインストールし、「アレクサ、コネクテッドストアを開いて」と話しかけることで、店内に陳列されている商品の説明を聞くことや、すでにAmazonアカウントを所持している場合は、その場で商品を購入できます。注文が完了すると、登録されている住所に商品が送られるので、手ぶらで家に帰ることができます。店舗側としては、レジの対応をする必要がないため、従業員の負担軽減が期待できます。

まとめ

 ボイスコマースは日本ではまだ広く浸透してはいないものの、新たな顧客との接点をつくり出すことができ、顧客は商品購入をするための新たな手段として注目する可能性を秘めています。導入を検討している企業は、常にボイスコマースの行方にアンテナを貼りつつ検討を進めましょう。

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