2022.3.25 (Fri)

小売業で広がるICT活用(第20回)

顧客の利便性向上と企業の売上向上が期待できるオムニチャネルとは

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 近年、多くの企業が小売店、直営店、ECサイト、アプリケーションなど、複数の販売経路を管理しています。インターネットの普及やスマートフォンやパソコンといった機器の進化により、顧客がさまざまな販売経路から商品を購入できるようになったことが要因のひとつといえるでしょう。そこで注目されているのが「オムニチャネル」というマーケティング戦略です。

オムニチャネルマーケティングとは?

 オムニは「すべて」を、チャネルは「経路」を意味します。つまりオムニチャネルとは、オンライン・オフラインを問わず、すべての販売経路を統合・連携して管理することになります。オムニチャネルの導入によって購買履歴や在庫状況のデータが一元化されるので、企業側はもちろん顧客側も一貫した情報を得ることができます。

 顧客側がオムニチャネルを利用するケースとしては、「店舗に行ったけれど買いたい商品が店舗になく、決済だけを店舗で済ませて商品は別店舗や倉庫から配送してもらう」「商品の選定や決済はインターネット経由で行い、実店舗で受け取る」などが考えられます。

 さまざまな販売チャネルを統合することで、多様でシームレスな購入体験の提供が可能になります。オムニチャネルの導入によって、これまでリーチできなかった顧客へアプローチできるので、売上機会の損失を減らすなどの効果が期待できます。ただし、オムニチャンネルでは複数の販売チャネルを運用する必要があります。販売チャネルが増えれば、それだけ運用・管理するコストも大きくなるという点については注意が必要です。

オムニチャネルマーケティングの事例

ABCマート

 ABCマートは、自社アプリケーションに実店舗で購入した履歴を閲覧できる機能や、家族・友人同士でポイントを共有できる「ポイントプレゼント機能」、特定の商品に関する抽選の申し込みができる機能などを搭載。アプリによってオンラインとリアル、両方の店舗での購買行動を連携させ、顧客の利便性向上を図っています。

オムニチャネルの成功に必要なこと

 オムニチャネルの成功には、各店舗の販売システム、顧客情報管理システム、ECサイト、マーケティング、在庫管理システムなど、各部門でそれぞれ独立している機能を、まとめて管理するシステムが必要です。加えて各部署の協力体制を築くことも必須です。

 オムニチャネルを導入する目的のひとつに、実店舗で商品を調べて、購入は他社サイトで行うショールーミングを減らし、売上機会の損失を防ぐことが挙げられます。実現するためには、多種多様のチャネルを準備して、商品の認知から購入までの一連のプロセスをできるだけ自社で完結する仕組みを構築する必要があります。

まとめ

 インターネットの普及に伴い、「商品を購入する」ための顧客の選択肢は増加しました。企業としては、顧客に合わせて販売戦略やマーケティング手法を多様化していく必要があります。オムニチャネル化に必要な投資額は決して少なくありませんが、オムニチャネルを活用するという選択肢は常に視野に入れておくべきです。

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