2022.3.25 (Fri)

小売業で広がるICT活用(第7回)

小売業の新たなビジネスモデルRaasとは?概要や事例、メリットなどを紹介

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 近年は「〇aaS」という言葉をよく見かけるようになりました。インターネット経由でソフトウエアを利用する「SaaS(サース)」(Software as a Service)、同じくインターネット経由でサーバーやOSを利用する「IaaS(イアース)」(Infrastructure as a Service)などが一例です。最近は、小売業を対象とした「RaaS(ラース)」に注目が集まっていることをご存じでしょうか? ここでは、RaaSの概要やメリットなどについて紹介します。

RaaSとは

 RaaSとは「Retail as a Service」の略で、訳すと「小売のサービス化」となります。小売企業が培ってきた販売・運用ノウハウや顧客情報などを、ほかの小売企業へサービスとして提供する形態を示します。これまでの小売業は販売・運用ノウハウは自社で確立し、必要に応じてICT機器の導入や従業員の管理などを行ってきました。RaaSはその仕組み部分をパッケージ化して、ほかの小売企業へ提供しようという試みです。

RaaSのメリット

 RaaS最大のメリットは、小売店舗を運営する際の初期投資が抑えられる点です。小売店舗を立ち上げる際は実店舗やスタッフなどを手配するのはもちろん、流通経路や決済手段など、さまざまな仕組みを用意しなくてはなりませんでした。しかしRaaSの場合、RaaS提供企業が有するさまざまなノウハウや情報を活用できるので、初期投資が抑えられるのです。

 RaaSは、その形態からD2C(Direct to Consumer)と親和性が高いといえます。D2Cとは、自社製品を小売店などに通さず直接顧客へ提供する取引方法です。これまではECサイトなどを利用して展開されることが多かったのですが、RaaSを利用すれば実店舗での販売も容易になります。サブスクリプション型で提供されているRaaSを活用すれば、好みのタイミングで開店・閉店できるので、テストマーケティングやプロモーションにも活用しやすいといえます。

RaaSの事例

 2015年にアメリカで創業したb8taは、RaaSを語るうえで欠かせない存在です。「リテールを通じて人々に“新たな発見”をもたらす」をミッションとする同社は、その言葉通り新しい小売業の形態を示します。具体的には、まずメーカーが同社に月額料金を支払い、商品を設置。同社は顧客に商品を案内し、さらに顧客の行動データなどをメーカーにフィードバックします。つまり、メーカーから月額料金を受け取り、対価として「場所」「接客」「顧客の行動データ」を提供するビジネスモデルとなります。まさにRaaSの先駆者といえるでしょう。アメリカのb8taは2022年2月に閉店しましたが、日本ではb8ta Japanが同様のビジネスモデルを展開しており、2022年2月時点で3店舗を運営しています。

 東京・渋谷に店舗を構える「BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE」も、RaaSの好例です。同店舗では、クラウドファンディングを通じて誕生した商品や、メーカーから正式発売される前の商品などを展示しています。購入する場合はWebサイト上から購入します。こうして得られた顧客の人数や属性、店舗内の回遊パターンなどのデータをメーカーに提供しています。

まとめ

 RaaSは、小売業の新たな形態として多くの注目を集めており、今後RaaSを提供する事業者が増えてくると思われます。自社の販売・運用ノウハウを活用したい小売業の方や、自社製品の販売方針や新規開発のためのマーケティング活動に活用したい企業の方は、検討してみてはいかがでしょうか。

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