ICTで製造業はどのように変わるのか(第6回)

スマートファクトリーの土台となる工場のネットワークとは?

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 私たちの日常生活は、テクノロジーの発展によって変化してきました。消費者に向けてさまざまな商品を製造する工場も同様です。かつては手作業によって組み立てられていた製造ラインも、産業用ロボットなどの登場によって自動化されています。さらに近年は、工場内にある設備や機器などをAIやIoTといった技術で収集・分析し、最適化を図るスマートファクトリーの導入も進んでいます。スマートファクトリーを実現するためには、工場内のネットワーク整備が欠かせません。今回は工場内のネットワーク整備が必要な理由について整理していきます。

工場ネットワークの種類

 AIやIoTを活用してスマートファクトリー化を図るには、工場のネットワークを整備することが必須となります。工場のネットワークは、ERPやグループウェアなど、工場内のデータを収集・分析する際に使われる「情報系ネットワーク」、工場内の設備を制御するための「コントローラー間ネットワーク」、末端の機器と制御する機器をつなぐ「フィールドネットワーク」の3つに分けることができます。

工場のネットワーク整備に関する課題

 工場のネットワーク化を進めるにあたり、課題となる事項をいくつか紹介します。

情報セキュリティ対策

 まずひとつは、情報セキュリティ対策です。2020年に総務省が公開した「サイバー攻撃の最近の動向等について」によると、サーバー攻撃観測・分析システムNICTERで2019年に観測したサイバー攻撃回数は3,279回。そのうちスマートファクトリーなどで利用されるIoT機器を狙った攻撃は、48.8%を占めています。この数値は工場以外の業界を含めた数値ではありますが、サイバー攻撃の回数は年々増加していることから、留意する必要があります。

ICT人材不足

 経済産業省が公開している「2021年版ものづくり白書」によると、デジタル技術に特化した内容のOFF-JTの実施状況について製造業界に確認したところ、デジタル技術未活用企業は81.7%、デジタル技術活用企業でも51.7%が「実施していない」という結果になりました。デジタル技術は、工場のネットワーク化に不可欠です。このようなICT人材不足も、課題として挙げられます。

工場特有の環境

 工場は特有の環境がネットワーク導入の課題になることもあります。たとえば工場の敷地面積が広く、既存のネットワーク通信が届かない場所があるケースなどが挙げられます。ほかにも前述の情報系ネットワーク、コントローラー間ネットワーク、フィールドネットワークなど異なる通信規格が稼働している状況や、防塵・防爆エリアがある場合は対応したネットワーク機器が必要になるなど、広範囲な知識が求められます。

工場ネットワークとスマートファクトリー

 工場も時代に合わせて変化しています。かつては人間の手作業によって行われていた製造業も、産業用ロボットやセンサーが登場したことで、製造工程の自動化が広がりました。ファクトリーオートメーション(FA)という言葉も注目を集めました。

 近年は、ファクトリーオートメーションから一歩進み、5GやIoT、AIといった技術を取り入れることによってデータを活用し、工場を自動化するだけでなく、生産性を高めるために最適化を行うスマートファクトリーの導入が進みつつあります。

 スマートファクトリーでは、IoTセンサーなどを使ってデータを収集し、AIで分析します。これらの土台となるのが、工場のネットワークです。工場のネットワークが構築されていなければ、データの収集および分析は行えません。スマートファクトリーが浸透するにつれ、工場ネットワークの導入や整備はますます加速するでしょう。

最後に

 スマートファクトリーの広がりを背景に、工場のネットワーク整備は今後ますます進むことでしょう。しかし、工場のネットワーク整備には複数の課題があることは前述の通りです。課題解決が難しい場合は、専門企業の力を借りる方法もあります。まずは問い合わせてみるとよいでしょう。

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