2021.9.9 (Thu)

いまさら聞けないオフィス電話事情(第7回)

クラウドPBXにはどんなメリットがある? 注意点や導入事例も紹介

このエントリーをはてなブックマークに追加
Evernoteに保存
印刷

 スマートフォンの内線化や運用負荷の少なさから、テレワーク移行にあわせてクラウドPBXを導入する企業が増えています。

 今回の記事ではクラウドPBXのメリット、デメリット・注意点とその解消方法、実際の導入事例について紹介していきます。

◆目次
クラウドPBXとは
クラウドPBXのメリット
クラウドPBXのデメリット・注意点
導入事例
まとめ

クラウドPBXとは

 クラウドPBXとは、オンプレミス型(自社で設置・保守・運用)でオフィスなどに設置して利用するPBXではなく、インターネット上の場所(クラウド)上に設置されたPBXを利用する方式です。

 PBXは物理的な装置と各端末機をケーブルでつないで利用するのに対して、こちらはインターネット上で音声データをやりとりするため、有線・無線関係なくインターネットに繋がっていればスマートフォンでも会社の電話番号で外線や内線を利用することが可能です。

クラウドPBXのメリット

 クラウドPBXには導入のしやすさやコストの低さなどさまざまなメリットがあります。ここでは8つのメリットについて具体的に解説していきます。

企業の規模を問わず、導入がしやすい

 従来のPBXは、物理的な装置をオフィスに設置し配線工事をする必要がありました。またPBX・電話機の購入費用が必要です。クラウドPBXでは、物理的な装置の購入費用は必要なく、オフィスにインターネット回線があれば回線工事は不要なため、導入しやすいです。

 大規模なコールセンターだけでなく、小規模なオフィスの場合でも気軽に導入しやすい点が特徴です。

すぐに利用が開始できる

 従来のPBXは利用を開始するためのステップが多く、工事の日程確保やそのためのオフィス設備を整える準備、また製品を購入してから手元に届くまでの期間などがあるため、いますぐオフィスフォンを利用したくても数週間〜数ヶ月の時間がかかるのが一般的でした。

 クラウドPBXでは、インターネット回線があればサービスを申し込み後、スマートフォンやPCなどの簡単な設定をすれば数日で利用可能です。

トータルでかかるコストが低い

 従来のPBXの導入時にはPBXと電話機の購入費用が高く、保守・運用をする担当者の人経費や、導入時の工事費用・拠点や回線の増設時にかかる工事費用を考えると費用が高くなりがちでした。

 クラウドPBXでかかる料金は導入時の初期費用と、月額のサービス利用料や、通話量に応じた通話量、オプション機能の利用費などです。比較すると、導入した初期段階ではクラウドPBXの料金が低く、その後の長い年月での運用をするに応じてオンプレミス型のPBXのほうがコストは下がるように見えます。

 しかし、実際はメンテンナンス費用や増設工事の費用、またデバイスの修理や新製品の購入などを考えると、クラウド型のコストが安くなるケースもあります。

 複数拠点間での連絡を外線で実施している場合も、クラウドPBXを活用すれば内線として利用でき、通話料がかからない点もメリットです。

テレワークなどの場所にとらわれない働き方ができる

 クラウドPBXではインターネットに繋がっているスマートフォンで会社の外線番号を利用できます。オフィスにいなくても外線の発着信が可能で、従業員のスマートフォンを内線として利用できます。

 そのため、外回りの営業が多い会社など、担当者がオフィスに不在でもスムーズに取り次ぎが可能で、テレワークへの対応も容易になります。BCP(事業継続計画)対策として、災害時でも電話対応を問題なく続けることにも役立ちます。

複数の拠点でも同じ番号を利用できる

 従来のPBXでは物理的な装置からケーブルが届く範囲の電話機を制御するため、複数の店舗・事務所・コールセンターなどがある場合は別の番号を利用する必要があり、その分のPBXを設置する必要がありました。

 クラウドPBXではインターネット上から電話機などの各端末に接続するため、複数拠点でも同じ番号で利用でき、拠点間の連絡は内線を利用するため通話料がかからないです。

増設などのメンテンナンスが簡単

 従来のPBXで利用できる回線数を増やす場合、内蔵されている外線ユニットや内線ユニットによって利用できる回線数の上限が決まっているため、ユニットの増設やPBXの新規購入、また各電話機への配線工事などが必要でした。

 クラウドPBXで利用できる回線数は各クラウドサービスのプランで簡単に変更できるため、会社の成長による拠点の増加や電話を利用する従業員が増加しても、簡単に回線数の増設が可能です。

 設定などのメンテナンスも、PC上で簡単に設定でき、ベンダーのサポートを受けることもできます。

サービスの最新機能を利用できる

 PBXには業務に役立つ便利な機能がたくさんありますが、オンプレミス型で構築する場合は新しい機能を利用する際に仕様変更が必要になります。カスタマイズしている設定、システムのバージョンなどもあり、新しい機能を追加するには管理者の負担が大きいです。

 クラウドPBXでは、サービスの標準機能やオプション機能としてビジネスに役立つ多くの機能が搭載されています。サービス側で機能をアップデートすれば、プランを変更することなく、自動的に新しい便利な機能を享受できます。

 代表的な機能としては、着電があった時に人が対応するのではなく、ガイダンスが流れて指定の番号の入力がされると適切な対応先に着電される、IVR(自動音声案内)機能、PCを電話機として利用できるソフトフォン機能、自動で通話を録音し後で必要なときだけ保存できる機能などです。

既存の設備との併用が可能

 現在、ビジネスフォンやPBXを利用している企業で、いきなり全面的にクラウド化をすることに抵抗がある場合、既存のビジネスフォンと併用できるクラウドPBXもあります。

 大規模な拠点を抱えている場合、段階的に移行ができるため、何かトラブルがあっても業務を止めることなくクラウド化を推進できます。社内ルールやマニュアル、セキュリティポリシーなどを整備しながら、テレワーク化をすすめる際の試行としても安心です。

スマートフォンで仕事用番号を受信「ひかりクラウドPBX」

クラウドPBXのデメリット・注意点

 クラウドPBXはメリットばかりではありません。クラウドPBXのデメリット・注意点と、それぞれ対処方法や解決方法も紹介します。

ランニングコストに注意

 クラウドPBXはオンプレミス型のPBXと比較してトータルのコストが低くなることが多いと前述しましたが、基本的にサブスクリプション型で月額料金を支払うサービスなので、知らず知らずのうちにコストがかさむ事がある点に注意しましょう。

 サーバー登録料・設定料・サービス利用費などの初期費用以外で、毎月のランニングコストになるのは、月額利用料金・通話料・オプション利用料などです。月額料金は、利用する人数や回線数によって決まります。内線は無料ですが、外線は通話量に応じた通話料が発生します。

 また、IVR、自動録音機能などのオプションを利用する際にはコストが発生します。利用人数と機能からどのくらいのランニングコストが発生するか事前に想定しておかないと、運用してから意外にコストが多くかかってしまうケースもあるので注意が必要です。

発信できない番号もあることに注意

 クラウドPBXでは、警察へ通報する110、消防へ通報する119などの発信できない番号があります。また、0170の伝言ダイヤルや、0570のナビダイヤル、117の時報などの番号も発信できないケースがあります。

 発信できない番号があり不便に感じるかもしれませんが、スマートフォンでの利用がメインの場合は会社の外線番号ではなく、個人のスマートフォンの番号を利用すれば問題なく発信できます。

ネット回線が不安定だと通話音質が悪い

 クラウドPBXはインターネット回線を利用して通信を行うため、通信環境が不安定だと通話品質が落ちるケースがあります。インターネット回線の利用が増える昼間の時間帯や、夕方の時間帯などでは通信速度が落ち、音質が悪くなる可能性も。

 基本的には大きな問題にならないことが多いですが、オフィスや自宅で利用している回線速度が遅い場合や、無線LANルーターのスペックが低い場合は見直すことで安定した通話品質になる可能性があります。

 大事な電話を行う際は、有線で接続した電話機で行うなども手です。

セキュリティ面がベンダー次第

 オンプレミス型でPBXを構築する場合、手間やコストはかかりますが自社独自のセキュリティを構築することが可能です。クラウドPBXはベンダーが提供するサービスを利用するため、ベンダーのセキュリティレベルに左右されます。

 基本的には大手のベンダーならセキュリティレベルが高いことが多いものの、セキュリティリスクをしっかり管理したい場合、自社のセキュリティポリシーをベンダーの担当者に提示して要件を満たせるかどうか確認するのも有効でしょう。

これまでの電話番号が利用できない可能性

 クラウドPBXでは、従来利用していたアナログの電話回線からIP電話へ変更する際に、これまでの電話番号が利用できなくなるケースがあります。

 電話番号を引き継ぐLNP(Local Number Portability)というサービスを利用可能かどうか、クラウドPBXを導入する際にはベンダーに確認しましょう。

 仮に電話番号を引き継げない場合は、電話番号が変更になるので関係者への周知やWebサイトでの表記の変更などを行ってください。

FAXの利用

 現在、アナログ回線を利用して電話とFAXを利用している場合、クラウドPBXはIP電話を利用するため、FAXが使えないケースがあります。FAXがどうしても必要な場合は、インターネットFAXに対応したクラウドPBXサービスを選定しましょう。

クラウドPBXの導入事例

株式会社川徳

 百貨店を経営する株式会社川徳では、外商部員と連絡を取るのに内線電話・PHS・スマートフォンの3つの電話番号を利用しており、お客さまへの対応に時間がかかっていました。ひかりクラウドPBXを導入することで、外商部員との連絡が内線電話に一元化され、情報がスピーディーに伝達できるようになり、お客さまにきめ細かいサービスが提供できるようになったとのことです。

 また、ギガらくWi-Fiを導入することで、外国人観光客などの来店者用Wi-Fi接続環境が整備され、顧客満足度の向上を実現しました。

外商部員のスマートフォンを内線化し業務を効率化 館内のWi-Fi環境も整備し顧客満足向上を推進

技研株式会社

 自動車用品の開発・製造・販売などを行う技研株式会社では、ビジネスフォンの老朽化によって事務作業の効率が落ち、維持・管理のコストも高くなっていました。また、拠点間を外線でやりとりしていたため、電話のかけなおしや伝言の発生でコミュニケーションが滞るケースがありました。

 ひかりクラウドPBX(まるらくオフィス対応)を導入することで、拠点ごとに割り振られた内線番号を利用して社員に直接連絡できるようになり、業務効率が向上しました。ビジネスフォンや通信インフラの整備のサポート・管理などの煩雑な業務の手間が軽減されました。

内線とPBX機能をクラウド化したサービスの導入で拠点間のスムーズな連絡と業務の効率化を推進

まとめ

 今回の記事ではクラウドPBXのメリットやデメリットについて説明していきました。

 クラウドPBXは導入・保守・運用それぞれ行いやすく、テレワークにも適しているので今後も導入をする企業が増えていくでしょう。

 導入を検討している企業や、現在はまだ導入を検討していなくても少しでも興味がある場合は、クラウド型の電話機を選ぶポイントをまとめたe-Bookのご用意がありますので、ぜひそちらもご活用ください。

「クラウド型の電話機を選ぶ8つのポイント」

スマートフォンで仕事用番号を受信「ひかりクラウドPBX」

このエントリーをはてなブックマークに追加
Evernoteに保存
印刷

「ビジネスの最適解」をお届けします 無料ダウンロード資料


メルマガ登録


経営力向上セミナー


「人材不足」を働き方改革で乗り越える


教育機関向け特集


自治体向け特集


イベント・セミナー情報


ICTコンサルティングセンタ

ページトップへ

close