2021.9.9 (Thu)

いまさら聞けないオフィス電話事情(第6回)

IP電話とは?光電話やインターネット電話との違いを仕組みから解説

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 IP電話はインターネット回線を用いた電話サービスです。固定電話と同様に電話番号を取得でき、外線発信やPBXにも利用されています。光電話、インターネット電話との違いや、IP電話のメリットについて紹介します。

◆目次
IP電話とは
IP電話の種類
IP電話のメリット
IP電話のデメリット
スマホでIP電話を使うには?
まとめ:IP電話にはひかりクラウド電話とひかりクラウドPBXがおすすめ

IP電話とは

 IP電話とはインターネット回線を用いた電話サービスのことです。IPはInternet Protocol(インターネットの通信規格)の略称です。広い意味では音声、動画を用いた電話サービス全般が対象です。狭い意味では、アナログ回線など公衆交換電話網と相互接続可能なサービスを対象とします。

IP電話の仕組み

 IP電話はVoIP(Voice Over Internet Protocol)と呼ばれる技術をベースにサービスが提供されています。VoIPはインターネットを通じで通話をする技術の総称です。VoIPでは通話音声をデータ圧縮、パケット変換した上で、インターネットを通じて音声を相手に伝えます。

 発着信ではシグナリング(呼制御)と呼ばれる処理が行われます。シグナリングは通話先のIPアドレスやポート番号の検索を行う処理です。これにより通話先との接続が確立されて、相手側で着信を通知できます。シグナリングの通信規格はSIPと呼ばれ、インターネットの標準仕様として定義されています。

ひかり電話・インターネット電話との違い

 IP電話の比較対象として、光電話やインターネット電話があります。インターネットを利用している点で、これらに大きな違いはありません。

 光電話では通信回線事業者が提供する光ファイバー回線を利用します。そのため光回線を利用しないIP電話に比べて、通話品質が向上します。また固定電話の電話番号の引き継ぎができることもメリットです。ひらがなの「ひかり電話」はNTTが提供するひかり電話のサービスです。

 IP電話とインターネット電話に厳密な区別はありません。一般的には電話番号の有無と、利用するネットワークが主な違いです。また、IP電話と呼ばれるサービスでは固定電話と同じ機能が期待されます。そのため留守電や転送機能などはIP電話にあって、インターネット電話には無い機能とも考えられます。

NTT東日本の光回線を利用したIP電話「ひかり電話」

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アナログ(固定)電話との違い

 アナログ電話はインターネット普及以前から存在するアナログ回線を用いた電話方式です。各地に設置された電話局を中継して音声通信を行います。IP電話は停電時に利用できなくなりますが、アナログ電話では継続利用可能です。

 しかしアナログ電話網は事業者の設備維持費用が莫大なため、2024年中をメドにIP電話への移行が進んでいます。利用者としても工事不要ですぐに使いはじめられる手軽さから、IP電話の普及が進んでいます。

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IP電話の種類

 「0AB-J型」と「050型」という、電話番号が割り当てられる2種類のタイプ、電話番号が割り当てられないタイプ、IP電話は大きくこの3つのタイプに分類されます。ここでは、それぞれのタイプの特徴について紹介します。

050番号

 050番号はIP電話機に割り当てられる11桁の電話番号です。ハイフンごとに「050(IP回線) – 事業者の識別番号 – 加入者番号」という構成です。後述する「0AB-J型」のように通話品質に厳しい規定がないため、通信環境の影響を受けやすくなります。一方でアナログ電話に比べて料金を安く済ませられます。

0ABJ番号

 「0ABJ番号」は「03」などで始まる全10桁の電話番号の形式です。10桁を「0A – BCDE – FGHJ」と表すことから、その略称として「0ABJ番号」と呼ばれています。数字の並びは、ハイフンごとに「(市外局番)–(市内局番)–(加入者番号)」という情報を表します。企業が使用する一般的な電話番号と考えてもらっても支障ありません。

 0ABJ番号をIP電話で使うためには、総務省の定める通話品質の基準を満たさなければなりません。通話品質の評価基準は「接続品質」「総合品質」「安定品質」「ネットワーク品質」の4項目で定められています。また機能要件として「緊急通報や災害時の優先通信ができること」「ファクシミリが使えること」も定められています。

 050番号では緊急通報やフリーダイヤルが使えなかったり、環境によって通話品質が安定しません。しかし0ABJ番号であれば、アナログ回線と変わらない品質が担保されているのです。

電話番号が不要なタイプ

 電話番号が不要なIP電話は一般的にインターネット電話に分類されます。LINE、Microsoft Teams、Facebookメッセンジャー、Zoomなどインターネットを利用した通話サービスは数多くあります。インターネット回線を用いているため、電話料金は無料です。

 一方でアプリ間同士の通話を想定していることから、異なるアプリ間での通話や、固定電話との通話ができません。最近では電話番号の取得可能なサービスも登場しています。そのためインターネット電話を越えて、050型に近いサービスも実現しつつあります。

 NTTの提供する「ひかりクラウド電話」ではMicrosoft Teamsに050番号の付与を行い、外線番号への電話が可能になります。

Microsoft Teamsから固定電話に電話「ひかりクラウド電話」

IP電話のメリット

 従来のアナログ電話・固定電話に比べて、IP電話はさまざまなメリットがあります。ここでは主な3つのメリットについて紹介します。

料金が安い

 IP電話はアナログ電話に比べて基本料金や通話料が格安です。アナログ電話では基本料金が1,500〜2,000円、通話料が90秒で約20円かかります。一方IP電話では基本料金が300〜500円、通話料が90秒で約8円というのが一般的です。海外への電話についてもIP電話であれば料金が変わりません。またIP電話のプランによっては、同一名義の契約者間や事業所間の通話が無料になります。

事業所間の通話が無料に! ひかり電話オフィスA

同一プロバイダへの通話が無料

 IP電話では同一プロバイダへの電話料金がかかりません。加入者が多いプロバイダを利用することで、通話量の削減が見込めます。しかし、プロバイダが異なると050番号同士であっても通話料がかかるので、その点は注意が必要です。

導入の容易さ

 IP電話は固定電話と異なり、回線敷設工事を行う必要がありません。最近ではネット申し込みと、アプリのインストールで契約が完結するサービスもあります。

 自宅のWi-Fi環境に光回線を使っている場合は、利用している通信業者の追加サービスとして光電話の申し込みも可能です。PBXや留守電設定などの追加機能についてもネット上で申込が完結することから、法人契約でも番号の追加、削除の手間を削減できます。

IP電話のデメリット

 IP電話を使うと従業員のスマートフォンを業務で利用することも可能です。こうした私用端末の業務活用を「BYOD(Bring Your Own Device)といいます。企業でBYODを導入していくにあたって、ルールの策定は非常に重要です。ルール策定にあたり、注意したい5つのポイントを紹介します。

フリーダイヤル、緊急通報電話などにかけられない場合もある

 緊急通報電話はIP電話と通信の仕組みが異なります。そのため050番号の場合、フリーダイヤルや緊急通報電話を利用できないサービスが大半です。110/119番など救急や消防と連絡を取りたい場合、近隣の病院・消防署の電話番号を調べ直接連絡する必要があります。一方、ひかり電話や0ABJ番号であればフリーダイヤルや緊急通報電話を利用可能です。

停電時に利用できない

 光電話や050番号サービスなど、電源供給が必要なIP電話は停電時に利用ができなくなります。停電時でも利用するためには、固定電話機、ルーター、ハブなどへの電源供給が必要です。一方スマホなどの充電式機器の場合は、基地局が機能してインターネット利用できる限り、IP電話を使えます。

インターネット回線環境が必要

 IP電話はその仕組み上インターネット環境利用が必須です。そのためスマホでIP電話をかける場合、通信料(パケット代)がかかります。IP電話では1分間で250キロバイトの通信が発生します。10分の電話に換算すると、約600円程度のパケット代です。

 IP電話はWi-Fi環境があれば通信料がかからなくなります。企業で導入する際は、自社のインターネット環境の状況を考慮して導入の検討を行いましょう。

スマホでIP電話を使うには?

 IP電話はスマホでも簡単に導入できます。ここではスマホでIP電話を使うための主な手順を紹介します。

IP電話アプリ

 IP電話の運営事業者はスマホ利用者向けに無料アプリを配布しています。利用者はアプリストアから使いたいIP電話アプリを検索、ダウンロードします。

 電話番号の設定や決済情報など、アプリの利用にはアカウント登録が必要です。アカウント登録作業はアプリ内、もしくはWebサイトから行うことが一般的です。法人契約でIP電話を利用する場合は、システム管理者がアカウント登録を行い、従業員にアカウントの払い出しを行います。

 アプリにログインすると、その後は発着信などのIP電話の基本的な機能が有効になります。

クラウドPBX

 IP電話にはPBXの仕組みを利用したアプリも存在します。PBXは電話交換機と呼ばれ、従来はオフィスへの機器設置が必要でした。しかしクラウドPBXであれば、インターネットに接続するだけで、オフィスへの着信や内線発信を登録した端末に転送できます。

 電話転送を行うサーバーが社内に設置されている場合、IP-PBXとして区別します。クラウドPBXでは端末の携帯番号、内線番号、代表番号、3つの番号が利用可能です。外線発信を行う場合は、代表番号での発信となります。すでに設置されている設備との併用も可能なことから、IP電話への段階的な移行を検討されている方にもオススメです。

まとめ:IP電話にはひかりクラウド電話とひかりクラウドPBXがおすすめ

 2024年中のアナログ回線廃止に向けて、IP電話のニーズが高まりつつあります。前述したように、IP電話は導入が容易で、既存の設備との併用もできます。

 NTT東日本ではMicrosoft Teamsを用いたひかりクラウド電話、サーバー設置不要のひかりクラウドPBXなどのサービスも提供しています。これからアナログ回線からIP電話への移行を検討している場合など、既存設備との併用も柔軟に行えることから、ぜひ一度ご検討いただければと思います。

Microsoft Teamsから固定電話に電話「ひかりクラウド電話」

スマートフォンで仕事用番号を受信「ひかりクラウドPBX」

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