防犯カメラ・ネットワークカメラのいま(第4回)

PTZカメラとはどんなカメラ? 6つの特徴や設置事例について紹介

このエントリーをはてなブックマークに追加
Evernoteに保存
印刷

 防犯カメラの新規導入や増設を検討している中で、PTZカメラという名前を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

 今回の記事では、PTZカメラについて基本的な仕組み・特徴・便利機能、設置される場所や導入事例について紹介していきます。

◆目次
PTZカメラとは?
PTZカメラの6つの特徴
PTZカメラの設置場所
PTZカメラの導入事例
まとめ

PTZカメラとは?

 PTZカメラとは、防犯カメラの種類のひとつです。遠隔操作機能をもつカメラで、水平回転(パン=P)、垂直回転(チルト=T)、拡大・縮小(ズーム=Z)でき、その頭文字をとった名前です。

 ドーム型のタイプが主流で、自由にレンズを動かせるのが大きな特徴です。カメラレンズを左右・上下に動かせ、映像のズームイン・ズームアウトが可能になります。広い範囲を自在に撮影でき、カメラの監視員がリアルタイムで状況に応じて操作できます。

 撮影範囲を自在に変更できる一方で、動かした分とは反対側で死角ができてしまいます。死角ができないように、固定カメラとの併用がより安心です。

 一般的には、他の固定カメラよりも価格帯は高めとなっています。

防犯カメラの種類はどのくらいある?代表的な形状や便利機能を紹介!

PTZカメラの6つの特徴

 PTZカメラがもつ特徴について各項目で具体的に紹介していきます。

ドーム型の形状で視点が自由なカメラ

 BOX型(バレット型)といった防犯カメラが四角い目立つ形状なのに対して、PTZカメラは基本的に半球型のドーム型の形状をしています。カメラを上下に動かせるため、四角い形状のカメラよりも視点を自由に変えることができます。PTZカメラを1台設置するだけでも、広い範囲が撮影可能です。ショッピングモールなどの天井に取り付けられているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。

遠隔操作が可能

 PTZカメラは遠隔操作が可能なカメラです。遠隔操作には3つの特徴があります。

コントローラーで操作する

 遠隔でPTZを操作するためのコントローラーがあります。コントローラー1台に対して、複数のPTZカメラの操作が可能です。多いものでは、1台のコントローラーで100台のカメラに対応しているものもあります。

 専用コントローラーについているレバーを操作することで、カメラを上下左右に動かしたり、ズームしたりできます。映像を録画するレコーダーにマウスを接続して操作するタイプもあります。近年では、パソコン・スマホ・タブレットで操作できるタイプも増えています。

 遠隔操作のため、操作と実際の動きにタイムラグが発生する場合があります。

便利なプリセット機能

 遠隔で操作を行うにあたり、操作と動きにタイムラグがあることや、そもそもの操作に慣れておらず難しい場合は、プリセットポジション機能が便利です。プリセットポジションとは、あらかじめカメラ位置のパターンを設定しておける機能です。

 カメラの視点をいくつかのパターンで設定しておけば、細かい操作をしなくても自動的にそのポジションへと視点が移動します。そのため、操作に慣れていない場合でも負担なく正確にカメラを動かすことが可能です。

自動操作ができる機能も

 プリセット機能以外にも、自動操作ができる便利な機能があります。いくつかのプリセットポジションを自動で切り替えてくれるオートスイング機能や、自動で対象物を拡大してくれるオートズーム機能、また動きのある対象物に対する自動追尾機能などです。

 前述のとおり複数のカメラを常に起動させていることもあるため、人の手を介さなくても必要な監視ができるような自動操作機能が充実している点がPTZカメラの大きな特徴です。

行動検知と声がけで防犯対策に! AIガードマン

ズームには2種類の方式がある

 PTZカメラのズーム方式には、光学ズームとデジタルズームの2種類があります。光学ズームは映像が鮮明で、デジタルズームは拡大するとやや粗い映像となります。

 防犯カメラの録画データを確認する際に、デジタルズームでは元の解像度のデータがそのまま大きくなるため粗い画像がさらに拡大されて表示されます。一方の光学ズームでは、画像を拡大しても鮮明なままであるため、拡大して人物の顔を確認したり、映像に写っている数字や文字を読み解いたりすることが可能です。

 また、拡大して鮮明な画像を確認するためには、ズームの方式だけでなく、カメラの画素数の高さも関係します。アナログタイプのカメラの画素数は最高でも48万画素ですが、後述するネットワークカメラ(IPカメラ)ではフルハイビジョンでは210万画素、4K対応なら800万画素と、大きく画素数が変わります。

 画素数については以下の記事でも解説していますので確認してみてください。

防犯カメラで録画する際に知っておくべきこととは? 録画時間や機能について解説

インターネットを利用するネットワークカメラである

 PTZカメラはインターネットを利用するタイプのネットワークカメラが増えています。IPカメラとも呼ばれます。コントローラーの操作をネット経由でPCやスマートフォンから行い、録画データはクラウド上のサーバーに保存することが可能です。遠隔操作を行う場所が、専用のコントローラーである必要もないため、より柔軟な監視が可能です。

 また、ネットワークカメラは電源の供給をLANケーブル経由で行う「PoE給電(Power over Ethernet)」という方式で行います。通常、防犯カメラの設置の際に必要となる電源が天井にあることは少なく、追加の工事が必要になるなどのデメリットがありますが、ネットワークカメラでは電源を新しく追加する必要がないため、新規でカメラを設置しやすいことも特徴です。

防犯カメラにネットワークカメラを選ぶメリットとは?

死角ができる

 PTZカメラのデメリットとして、カメラの視点を変更して広範囲を撮影できる一方で、すべての視点をカバーはできないため、撮影できない死角が生まれることが挙げられます。前述した自動で人物を認識して追尾する自動追尾機能がある場合、その人物を追っている間は最初に撮影していた視点は見えなくなり死角となります。

 24時間、常に固定で同じ場所を撮影することが必要であれば、PTZカメラだけの設置では目的に適さない場合もあります。解決策としては、常に同じ視点を撮影する固定の防犯カメラとの併用が一般的です。

価格帯は高め

 PTZカメラは1台で広範囲を撮影可能な上に機能も豊富なため、固定カメラよりも価格帯は高めになります。1台で10~100万円ほどになります。レンズの可動範囲がどこまで広いか・動作するスピード・ズームの倍率・画素数・機能の豊富さなどで価格が変動します。

 防犯カメラを導入する時は、そもそも視点を動かせるPTZカメラが適しているのか、固定カメラが適しているのかをまず検討しましょう。その上で、撮影したい場所の広さ・想定される録画内容(大勢の人を一括で撮影するのか、少ない人数を細かく追うのか)・利用目的などをしっかりと整理し、どのようなスペックのカメラが適しているかを判断する必要があります。

PTZカメラの設置場所

 PTZカメラは、リアルタイムで広範囲の詳細を操作・確認できて万能です。利用シーンとしては、不特定多数の人物がいる場所や、常駐している監視員がいない場所での防犯目的、または人間が直接監視することが危険な場所などで利用されます。

 ここでは、設置できる場所の例を紹介します。

店舗

 小売店・飲食店・大型商業施設など、あらゆる店舗での防犯対策として活用できます。ドーム型やBOX型のカメラで店舗の死角をなくし、レジやATMなどの重要な場所を定点で撮影するだけでなく、360°型のPTZカメラを店舗の中心の天井に設置することで、不審な動きをキャッチした時に遠隔操作して詳細を確認することができます。

 高機能なPTZカメラであれば、他のカメラよりも画素数やズーム倍率が高く、操作と実際に動作する時のタイムラグが少ないため、正確に記録を残すことが可能です。何か事件やトラブルがあった時の証拠として利用しやすいです。

 また、AIによる行動検知機能と連携できるタイプのカメラもあります。客の行動を分析し怪しいと検知された際に、店員へ通知される機能があれば、犯罪が起きる前に声がけをするなど、防犯対策として活用できます。

行動検知と声がけで防犯対策に! AIガードマン

オフィス

 オフィスでは防犯対策だけでなく、従業員の動きのモニタリング目的で防犯カメラを設置する場合もあります。PTZカメラなら不審な動きをしている人物を視点変更で追跡可能で、ズーム機能を活用すればどのようなことをしているのか、その詳細を把握できます。金庫や機密情報など、強固なセキュリティが必要な場所は、PTZカメラが適しています。

 前述した死角ができる問題があるため、基本的にはドーム型のカメラや360°カメラなどを用いて定点で空間全体を撮影しつつ、より詳細を把握する補助の役割としてPTZカメラを設置するのがよいでしょう。

駐車場

 駐車場は利用者や車の出入りが激しく、また利用に関係ない人物なども侵入することがあるため、対象の動きを見逃さず追跡できるPTZカメラが適しています。場内での事故、車や精算機への盗難・いたずらなどの際に防犯カメラの映像を手がかりにするには、車の色・種類・ナンバーなどを詳細に記録する必要があります。

 PTZ型カメラを駐車場の中央に設置することで、広い駐車場も効率よく監視可能です。駐車場所や精算機などにあらかじめ視点を合わせるプリセット機能も活用できます。クラウド型カメラでパソコン等から遠隔操作できるため、コロナ禍での人との接触機会を減らせる効果も期待できます。

 PTZカメラを導入する際は、夜間の暗闇でも鮮明に撮影可能な暗視機能や昼間の逆光にも対応できるもの、屋外での防水・防塵機能がある耐久性の高いカメラが望ましいです。

 こちらも、PTZカメラに加えて存在感のあるBOX型のカメラを併用して、出入口などの重要な場所は定点で監視できるようにするのがよいでしょう。

工場・プラント・発電所などの設備や施設

 PTZカメラは、工場の現場に人間がいなくても設置してあるカメラを遠隔操作することで点検が可能です。風力発電所や大規模な工場施設、プラントなどの高所では作業員が安全に作業できるかどうかを確認するために、事前に設置したPTZカメラを利用することがあります。

 故障やトラブルの際にも、現場に行く前にPTZカメラである程度の点検ができるため、事前に状況確認してから作業を進められます。

自然災害の監視

 PTZカメラの遠隔監視を利用することで、現場に人間が赴くと危険な場所も安全に監視が可能です。自然災害発生時に、台風による河川の氾濫状況や、地震が起きた際の海岸の状態なども、PTZカメラが設置してあれば遠隔でリアルタイムに操作・監視ができます。

 映像を録画しておけば、一般公開したり資料としてアーカイブしたりすることも可能です。

家庭向けの小型PTZカメラ

 家庭用の見守りカメラとして、小型のPTZカメラの利用も増えています。外出中のペットや子供の確認や、介護中に異変がないかを把握するために、室内に設置します。

 スマホで簡単に遠隔操作や映像の確認ができ、異変があれば検知するアラート機能もあるため、安心して外出できます。

PTZカメラの導入事例

京橋伊勢廣

 焼き鳥専門店の「京橋 伊勢廣」では、もともとお店の中にレコーダーを設置するタイプのカメラを利用していましたが、故障が多く、肝心な時に確認できない点や、故障対応などに不便を感じていました。

 クラウド管理のPTZカメラを導入したことで、高画質な映像を遠隔でも一括でチェックが可能になり、5階建てのビル全館のリアルタイムでの状況把握やオペレーションの向上、トラブル時の振り返りや改善などに役立ちました。

参考・出典:いつでもどこでもスマホで映像を確認。ギガらくカメラでお店の状況を把握し、店内オペレーションを最適化
https://business.ntt-east.co.jp/content/camera/example/article_001/

まとめ

 今回の記事では、PTZカメラが、遠隔でも対象物を細かくチェックできる特徴や、あると便利な自動操作機能、また利点を活かせる設置場所について紹介していきました。

 防犯カメラの導入を検討している企業や個人事業主の方に向けて、目的に対してどのようなカメラが適しているのか、防犯カメラの選び方について解説しているeBookをご用意しましたので、ぜひご覧になってください。

防犯カメラの選び方・おすすめの活用方法について

プロによる365日サポートありのネットワークカメラ! NTT東日本のギガらくカメラ

このエントリーをはてなブックマークに追加
Evernoteに保存
印刷

「ビジネスの最適解」をお届けします 無料ダウンロード資料


メルマガ登録


「人材不足」を働き方改革で乗り越える


教育機関向け特集


自治体向け特集


イベント・セミナー情報


ICTコンサルティングセンタ

ページトップへ

close