ファイルサーバー・クラウドストレージのビジネス活用(第1回)

ファイルサーバーとは? 知っておきたいNASとの違いやメリットを紹介!

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 チームや組織全体のデータ管理を一元で行う際に、ファイルサーバーやNASなどの検討や、すでに導入している企業は多いのではないでしょうか?

 新しく導入する際や現在の運用から乗り換える際に、知っておくべき特徴がそれぞれあります。今回の記事では、ファイルサーバーとNASついての基本的な仕組みと、メリット・デメリットについて紹介していきます。

◆目次
ファイルサーバーとはそもそも何か
ファイルサーバーのメリット
ファイルサーバーのデメリット
NASとは何か
NASのメリット
NASのデメリット
クラウドストレージという選択肢
まとめ

ファイルサーバーとはそもそも何か

 ファイルサーバーとは、ネットワーク上からアクセスし、ファイルのアップロードや保存・閲覧・編集ができる共有サーバーです。主にオフィスでの社内LAN環境で使われることが多いです。

 アクセス権限が許可されている人のみが同じサーバーにアクセスできるため、データを個人のHDDやUSBで保存することなく、組織で一元的に管理できます。データの共有や管理はもちろん、消失対策としてのバックアップの役割もあります。利用できるデバイスは、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからもアクセス可能です。

ファイルサーバーのメリット

 ファイルサーバーのメリットについて詳しく解説します。

ユーザーの権限の柔軟な管理

 ファイルサーバーは権限のある社内メンバーがアクセスできるだけでなく、社外の一部の人間に限定的に権限を付与したり、社内メンバーでも役職に応じてアクセスできる範囲や操作できる内容を変えられます。閲覧権限・編集権限・ダウンロード権限などを、ファイルサーバーの場所や人に応じて変更できます。

 データの共有を関係者一人ひとりに、メール添付等でその都度行う手間がなくなり、一括してフォルダなどで共有できるので業務効率の向上が期待できます。また、機密情報にアクセスできる人を限定することで、多くの人がアクセスすることによる予期せぬデータの変更・漏えいなどのリスクを抑えられます。

大容量データの保存と、多様な機能

 ファイルサーバーは、そもそものストレージの容量が個人デバイスと比べて大容量です。個人使用のHDDやSSDの場合、500GBや1TBなどが一般的ですが、ファイルサーバーはより多くのストレージを持っているので数十TBや100TB以上といった大容量のデータ保存ができます。また、ファイルサーバーは個人のデバイスにあるHDDやUSBメモリと違い、ストレージの容量を増やすコストが比較的低いです。

 ファイルサーバーには多用な機能があり、下記のような機能を活用し管理や業務の効率化が可能です。

・専用アプリの操作性の高さ
・他サービスと連携可能で業務プロセスに組み込める
・チームごとの複数のストレージでも組織全体で一括管理が可能
・ファイルの編集がサーバー上で可能
・ホットスワップ機能で電源が入った状態でもストレージの交換やケーブルの着脱可能

バックアップ対策になる

 ファイルサーバーはストレージを後からでも増設できるため、すでにファイルサーバー上にあるデータをそのままバックアップすることも可能です。ファイルサーバー上ではなく、個人のデバイスに保存して作業をすることが多いデータも、定期的にサーバーにアップロードすることで、予期せぬデバイスの故障などの情報消失のリスクの減少が期待できます。

最新のデータを利用できる

 個人で保存しているパワーポイントやエクセルファイルなどを他の人に共有して編集してもらう場合、日々の業務で不便なことがあります。データを送信してから修正点があるともう一度出力して送り直すなどの手間や、前のバージョンに先祖返りしてしまい二度手間になるなどのケースです。

 ファイルサーバー上で編集をすればリアルタイムで内容は更新されるため、チェックする時は常に最新の状態になります。また、ファイルサーバー上での編集作業が利便性に欠けるためローカル環境で編集する場合でも、共有する際にはデータをアップロードするだけで最新の状態に更新されるので、個人間でやりとりするよりも工数やミスの減少が見込めます。

ファイルサーバーのデメリット

 ファイルサーバーは便利な機能が多いですが、デメリットもあります。自社で導入を検討する場合は、デメリットも把握して最適な選択をしましょう。

規模が大きくなるとコストが増大する

 ファイルサーバーは基本的に規模が大きくなるほど費用が高くなります。自社でサーバーを保守・運用するため、サーバーの費用やストレージの増設費用、サーバー用のOS、不正アクセス検知などの専用ソフトウェアなどの費用がかかってきます。

 規模が大きくなると複数のサーバーを運用することもあり、管理する人員のコストや機材のメンテナンス費用などのランニングコストも負担になります。自社で持っておくことの利便性は高いですが、新規でこれから導入する場合はレンタルサーバーやクラウドサービスなどの安価で必要な機能がまかなえるものを利用するのも手です。

導入時に手間がかかる

 ファイルサーバーは導入時に設定するべきことが多いです。アクセス権限の範囲を細かく設定する際、従業員の人数が多いほどその工数も多くなります。

 初期設定時には、チームや部署によって利用しているOSが違うケースや、複数の事業所がありIPアドレスがそれぞれ違うケースなど、利用シーンやユーザーが多いほど対応する項目が増えるので導入時から運用までの工数も増加します。

運用のために管理者が必要で、手間もかかる

 ファイルサーバーは導入後の運用時の管理コストも大きいです。規模が大きく複雑なファイルサーバーほど管理者なしでは運用できません。前述のような項目の設定や、利用する従業員への社内対応などにより情報システム担当の手が空かないことケースもしばしばあります。

 セキュリティ対策として、定期的なバックアップの取得や、アクセスログのチェック・追跡も必要です。イレギュラーな対応として、事業所を臨時で設ける場合に一時的にアクセスできるネットワークを増やす設定や、テレワークでの在宅やモバイルオフィスでのアクセス許可の設定などもあります。

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NASとは何か

 ここまで説明してきたファイルサーバーと似た機能を持つNASについて説明していきます。NAS(Network Attached Storage)とは、ネットワーク接続型ストレージです。ネットワークを通じて共有HDDにアクセスして、ファイルのアップロード・ダウンロードや閲覧・編集を行います。

 個人で外付けハードディスクを利用する場合は、USBケーブルとパソコンを繋いでアクセスしますが、NASの場合はアクセスする際にネットワークを利用します。ファイルサーバーと同様に、複数人数のアクセスが可能です。違いはストレージ機能に特化している点です。

NASとファイルサーバーの違いは

 ファイルサーバーとNASはネットワークを通じてデータのアップロードや保存ができる点では一緒ですが、NASはストレージに特化したコンパクトな機能にとどまっています。ファイルサーバーは前述のとおり、ストレージとしての機能以外の、独自のアプリケーションによる利便性の高い操作や、他サービスとの連携などの便利な拡張機能があります。

NASのメリット

 NASのメリットは一言でいうと、「シンプルな機能の共有ストレージを安価で簡単に利用できる」点です。詳しく項目を説明していきます。

導入の手間がそれほどかからない

 NASはファイルサーバーよりも導入コストが低いです。前述のとおり、ファイルサーバーではソフトウェアのインストールや設定、ライセンス習得などが必要です。一方、NASはストレージ機能に特化しているため、ネットワークの設定ができれば外付けHDDのように簡単に利用ができます。そのため、法人用だけでなく、家庭用のNAS商品も数多く販売されています。

運用の手間が少なく、管理者も不要

 NASは運用時にも複雑な機能を管理する必要が少ないため、ファイルサーバーよりも運用コストが低いです。そのため、利用する人数が少なければ専任の管理者が必要ない場合もあります。

金銭的コストが低い

 製品としての機能がシンプルなため購入するための価格が安いです。ファイルサーバーで必要となるファイルサーバー用のOS・パソコンの購入費用もかかりません。

 導入・運用の工数も少ないため管理者の人件費も抑えられ、消費電力も少なくランニングコストも低いです。

サーバー本体がコンパクト

 NASは物理的なサイズが小さく、オフィスや事務所などのスペースが小さい会社や家庭での利用が可能です。静音性の高い製品や、デスクにも馴染みやすいようなデザイン性が高い製品もあり、設置する場所をあまり選ばず活用できます。

NASのデメリット

 NASはシンプルで導入しやすい一方で、オフィスでの運用シーンでは機能が足らずに不便になることがあります。

利用できる機能が限られている

 NASはストレージとしてのシンプルな機能にとどまるため、多用な利用シーンに応じて柔軟に活用することが難しいです。利用するユーザー数が多く権限の範囲を細かく設定するケースには、対応した機能がありません。頻繁にストレージにアクセスする必要がある業務でも、専用アプリなどを用いて業務フローを整えるなどの効率化もしにくいです。

 データの転送スピードは、ファイルサーバーやクラウドストレージに比べると遅い傾向にあります。シンプルなデータの保管・共有・バックアップなどの目的以外ではあまり利用できないので、規模が大きい組織やデータ活用が頻繁な業務の場合は機能が不十分に感じることが多いです。

 最近の製品では、アプリケーションを追加して利用できるものも登場していますが、ファイルサーバーやクラウドストレージに比べると限られた機能がほとんどです。

サーバー上での編集ができない

 NASはあくまでストレージのため、基本的にファイルやデータを直接編集することはできません。一度、個人のパソコンなどにダウンロードしてから編集し、再度アップロードをする必要があります。複数人数でのリアルタイムでの共同編集を頻繁に行う業務にはあまり適していません。

ストレージの増設ができない場合も

 ファイルサーバーは運用中でもストレージの増設を行うことができますが、NASで利用しているストレージが製品に内蔵されているHDDだと、基本的に増設ができません。NASから新しく外付けHDDをUSBで接続する、あるいは内蔵HDDを容量の大きいものへ取り替えられる製品もあります。ただしUSBポートの数に制限があったり、増設できるHDDも限界があります。

 法人で利用する場合は、増設時に作業中のデータ消失や新たな外付けHDDが壊れるなどのリスクも高まります。

クラウドストレージという選択肢

 ファイルサーバーやNASなどを検討している場合、社内外でのデータを共有や同時編集できる「クラウドストレージ」という選択肢もあります。

 クラウドストレージについて簡単に説明すると、インターネット上の場所にデータを保存して利用できるファイルサーバーのことを指します。ファイルサーバーと同様に機能が豊富です。自社でサーバーを設置するわけではなく、サービスを提供する会社のサーバーを利用します。そのため、導入時の工数や費用は低く、運用は基本的にベンダーが行うため管理者のコストも低くなります。

 クラウドストレージについて詳しくは別の記事で紹介していますので、そちらもご覧ください。

クラウドストレージとは? 企業が知っておきたい基本をわかりやすく解説

また、現在ファイルサーバーを利用していて、クラウド化を検討している場合は以下の記事もチェックしてみてください。

ファイルサーバーをクラウドで利用する時のメリットや注意点を紹介

まとめ

 今回の記事ではファイルサーバーやNASについてのメリットやデメリットについて比較しながら説明していきました。利便性が高いけれど工数やコストが大きいファイルサーバーと、データの保存に特化してシンプルで導入しやすいものの、機能が足りないケースもあるNAS、どちらが自社にマッチしているのか検討してみてください。

 また、ファイルサーバーとNASの両方のメリットを持つクラウドストレージは、自社での構築が必要なく利便性やセキュリティ面も優れています。ぜひあわせて検討してみてください。

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