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2021.10.04 (Mon)

ビジネス効率化の鍵、OCR/RPAとは(第4回)

RPAツールの機能や価格を徹底比較! 失敗しないための導入ポイントを解説

 新しい生活様式の普及が進むなか、働き方改革の推進も加速し、業務の効率化や自動化を目的にRPAツールを導入、あるいは導入を検討する企業が増加しています。

 とはいうものの、100社を超えるベンダーがある中、自社に適したRPAツールを選ぶのは困難です。そこで今回は、RPAの基礎的な知識から実際に導入を検討する際の注意点、ツール選びのポイント、RPAツール4製品の機能や価格など比較しご紹介します。

◆目次
注目が集まる「RPA」とは
RPAには2種類ある
RPAツールの導入手順と注意点
RPAツールを選ぶ際のポイント
RPAツールの比較
RPAツール比較一覧表
まとめ

注目が集まる「RPA」とは

 RPA(Robotic Process Automation)とは、人間が手入力で行っているコンピュータ上の定型業務を、ソフトウェアロボットが代行して自動化する技術です。多くの企業が抱えている人口減少による労働者不足対策や、「働き方改革」を実現するためのツールとして注目を集めています。

RPAが代行できる主な業務

 RPAによって自動化できる仕事とは、基本的にこれまでバックオフィスと呼ばれる事務職の方が行ってきたような定型業務です。あらかじめ決められたワークフローをRPAが記憶して再現することになります。

 人間ならば長時間を要する仕事でも、RPAならば高速で自動化し、確実に処理してくれるため業務の効率化が期待できます。

 下記は、RPAが代行できる業務の代表例です。
・受注業務、請求書や伝票等の処理や記入業務
・顧客や取引先からの問い合わせ履歴の管理
・顧客や在庫の管理システム、顧客データのチェックやフィルタリング

RPAを導入することのメリット

 第一のメリットとして挙げられるのは、作業従事者の負担軽減です。RPAは人間に代わって24時間365日稼働できるため、これまで長時間を費やしていた業務から解放され、その時間を他の業務に回すことができます。

 また、作業に対応する人数自体を減らすことができるので人件費の削減も期待できます。さらには、人的ミスの防止、業務処理のスピード化が図れることで、生産性の向上にもつながります。

RPAツールとExcelマクロの違いとは

 業務の自動化を可能にするRPAは、代表的なオフィスソフトのマクロと同じようなものと思われている方も多いようです。もちろん、マクロも特定の作業に関しては自動化が可能です。ただし、対応できるのはMicrosoft社のマクロに対応したアプリケーションのみです。

 また、オフィスソフト以外のアプリケーションを連携させて、一度に自動化処理することはできません。さらにはプログラミングなどの専門知識がなければ高度な作業手順の自動化はできないのです。

 一方、RPAはプログラミングを行う必要はなく、どのような業務を行わせるか、チャートやステップを用いながら業務のシナリオを組むだけで済みます。つまり、専門知識がなくても操作できるのです。加えて、多岐にわたるアプリケーションの定型業務を幅広く自動化できることが特徴です。

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RPAには2種類ある

 RPAツールは「デスクトップ型」と「サーバー型」の2種類に大別されます。ベンダーによっては「デスクトップ型」と「サーバー型」の両方を提供しているところもあるので、自社のニーズや状況を考慮して選択することも可能です。

デスクトップ型

 各従業員のパソコンにRPAツールをインストールして利用するタイプです。自社にサーバーやネットワーク環境がなくても利用できるため初期導入のコストを抑えられる点がメリットです。一方、デメリットとしては端末ごとのライセンス契約となるため、導入規模が大きい場合はコストも拡大してしまう点です。また、従業員の異動や退職があった際にライセンス管理などが煩雑になることも考えられます。なお、担当する従業員のスキルやカスタマイズの仕方によって効果が左右されることもあります。

サーバー型

 サーバー上にRPAツールを導入し、社内のパソコンとサーバーを連携させて利用するタイプ。メリットは、複数のロボットをサーバー上で一括管理して作業が行えることに加え、ロボットが稼動中でもパソコンを使って他の作業を同時進行できる点です。

 デメリットは、デスクトップ型と比べると1ライセンスあたりの単価が高くなってしまいがちなことや、導入時にサーバーとネットワーク環境の構築が必要になるため初期コストがかさむことなどが挙げられます。

RPAツールの導入手順と注意点

 RPAを導入するにあたって事前に行うべきことと注意点を紹介します。

自動化したい社内業務の選択と決定

 ロボットとはいえ、RPAはすべての業務を自動化できるわけではありません。また、得意なこと、不得意なことがあります。

 導入を検討するにあたっては、まず現在行っている業務プロセスの中で自動化したいもの、自動化できると思われる業務をピックアップし、その中から業務負担の大きなものを選んで決定します。

業務に適したRPAツールの検討と注意点

 自社の業務状況や現状を改善し、目的を達成するために必要な機能やサポートが備わっていることを条件に、それに適したRPAツールを探して導入の検討を行います。

 ここで注意すべきは、現状ではほとんどのRPAツールがWindows用に開発されているという点です。Mac環境に対応しているものは見当たらず、Linux環境に対応するRPAツールもごくわずかしかありません。導入に際しては、自社のパソコン環境に適応できるツールかどうかを確認しましょう。

テスト導入して効果検証を行う

 RPA導入後のトラブルやリスクを回避するために、ベンダーの無料トライアルなどを利用してテスト導入することをおすすめします。実際にRPAツールによる自動化を実施したうえで、使い勝手や自動化した結果から改めて要件などを定義し、自社の業務に最適なものを選択しましょう。

RPAツールを選ぶ際のポイント

目的の業務を自動化できる機能はあるか、多機能すぎないか

 RPAは業務の自動化が目的で導入するものですから、自社が目的とする業務を自動化できる機能を備えていなければ意味がありません。例えば、クラウドサービスを使った業務の自動化が目的ならば、Webブラウザを操作できる機能が必要になります。このような事前のチェックは必須です。その一方で、多機能すぎるツールを選んだことで、導入したのはいいものの使いこなせずに解約してしまうケースもあるので、注意しましょう。

費用対効果は見合っているか、予算の範囲内か

 自社の業務を自動化する機能が備わっているとしても、導入にかかる費用が高すぎると企業にとって負担になってしまいます。そのため、費用対効果を算出することが重要です。費用対効果はRPAを利用する費用と、導入後の業務効率化によって削減できる業務工数や人件費を計算して算出することができます。その際は、短期的なものではなく、長期的に考えて費用対効果が見合っているか検討するのもポイントです。

 また、OCRとRPAを組み合わせることで、導入効果を最大化できるケースもあるので、予算を踏まえて検討することも大切です。下記ページではOCRとRPAを組み合わせた場合の導入効果をシミュレーションできます。

RPAとOCRでどれだけコスト削減が見込める? 「導入効果シミュレーター」

ITが苦手な社員にも使いこなせるRPAか

 自社の業務を自動化する機能はもちろんのこと、ITが苦手な社員にも使いこなせるRPAツールかどうかも重要なポイントとなります。RPAの導入効果を最大化するためには、多岐にわたる業務への対応、多くの従業員が活用できることが求められます。

 初期導入時の設定などは専門知識を持つ人が行うにしても、実際の業務ではITが苦手な社員でも使える、操作がしやすいこともポイントです。RPAの操作が複雑で難しいと使える人が限定されてしまうため、思った効果がでない場合があります。

 そんなデメリットを防ぐためには、自社の業務に必要な機能が搭載されていることに加え、操作しやすいシンプルなツールを選ぶことも大切です。

導入や運用時にしっかりサポートを受けられるか

 社内にRPAツールに詳しいエンジニアが在籍している、あるいは情報システム部門など専門部署がある企業は別にして、そうではないケースではRPA導入時や運用時に手厚いサポートを受けられるかどうかは、業務を円滑に進めるうえで重要なポイントとなります。

 そのため遠隔サポートや訪問サポートなどのサービスの有無、自社の要望にどこまで寄り添ってくれるベンダーなのかを見極めるのも選定のポイントです。

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RPAツールの比較

 現在、100社以上ものベンダーがRPAツールを提供しています。その中から自社に適したツールを選ぶのは至難の技。ここではRPAツール4つをセレクトし、それぞれの概要や特徴を紹介します。

WinActor ®

NTTのグループ企業であるNTTアドバンステクノロジが開発した国産RPAツール。導入企業は5,000社以上(2020年5月21日時点)で、国内シェアNo1とされています。Windows端末でMicrosoft Office系ソフトウェアやWebブラウザだけでなく、ERPやOCR、電子決済、個別システム、共同利用型システムなどにも幅広く対応。プログラミングの知識は不要の簡単操作で、即日利用も可能です。

※いずれも執筆時点の情報です。最新の情報は公式ウェブサイトをご確認ください。
【公式ウェブサイト】https://winactor.com/column/about_rpa_05

BizRobo!

RPAテクノロジーズ株式会社が開発した国産RPAツール。ラインナップは、スモールスタート向けの「BizRobo! mini」、大規模展開向けのサーバー型「BizRobo! Lite」「BizRobo! Basic」の3種類を用意。1台のサーバーで複数のロボットを作成・運用できるうえに一括管理が可能。各種Webブラウザ、Microsoft Office系ソフトウェア、SAPなどのシステムに対応しているほか、ロボットの管理者や作成者向けのトレーニングサービスも用意されています。

※いずれも執筆時点の情報です。最新の情報は公式ウェブサイトをご確認ください。
【公式ウェブサイト】https://rpa-technologies.com/products/first/

Blue Prism

イギリスに本社を置くBlue prism社が開発したRPAツール。エンタープライズ向けRPAとして世界各国で利用されています。RPAに関わるすべてが暗号化されデータベースで一元管理される高いセキュリティ、履歴情報の改ざん防止など内部統制を強化する機能が充実しています。障害発生時には自律復旧する安定稼働性、複数のロボットの統制管理に優れているのが特徴。また、柔軟なアクセス権の制御が可能なほか、連携できるアプリケーションも豊富です。

※いずれも執筆時点の情報です。最新の情報は公式ウェブサイトをご確認ください。
【公式ウェブサイト】https://www.hitachi-systems.com/solution/s0309/blueprism/

UiPath

アメリカ・UiPath社が開発したRPAツール。2020年の「Forbes AI 50」にRPAベンダーとして唯一選出されるなど、グローバルでの高い実績と信頼性で知られています。オンプレミスやクラウドでロボットを管理できるほか、バックグラウンドでの処理も可能。また、業務自動化の効果を測定・分析する「Insigts」という機能や、AIによる高度な認知作業の自動化、管理が可能です。

※いずれも執筆時点の情報です。最新の情報は公式ウェブサイトをご確認ください。
【公式ウェブサイト】https://www.uipath.com/ja/

RPAツール比較一覧表

上記で紹介したRPAについて、費用も含め一覧表にまとめましたので、ご参考ください。

  WinActor ® BizRobo! Blue Prism UiPath
特徴 Windows上で操作可能なアプリケーション全般(Internet Explorer、Microsoft Office系ソフトウェア、基幹システムなど)のほか、ERPやOCRなどにも幅広く対応。プログラミング知識がなくても簡単に操作できる。 専用のブラウザ上で自動化の処理を行い、同時に複数のロボットを使用することができる。そのため膨大なデータの処理に向いている。コーディング作業の必要がないため、簡単にロボットの開発が可能。 高度なセキュリティ機能、コンプライアンスへの対応のほか、業務結果のデータ処理記録や、ロボット自身の統制管理機能などをシステム基盤として有している。管理画面はドラッグ&ドロップ機能も使えて操作しやすい。 基本的にコーディングの必要がなく、豊富なライブラリーからテンプレートを利用して設計できるためドラッグ&ドロップ操作で簡単にロボットの作成が可能。直感的に操作できる。
費用 908,000円/年(フル機能版) 問い合わせ 1,380,000円/年(サポート費用込み) 問い合わせ
提供形態 デスクトップ型/サーバー型 デスクトップ型/サーバー型 サーバー型 デスクトップ型/サーバー型
無料トライアルの有無
サポート 内製化研修や運用保守サポートあり。「おまかせRPA」なら訪問サポート、遠隔サポートも有り。 概要や基本的な機能・操作などを紹介するPDFファイル「ファーストステップガイド」を用意。そのほか、リモートによる開発支援サービス、メールによるテクニカルサポートなど。 利用目的に合わせた各種サポート有り。また、eラーニングやコミュニティへの参加も可能。英語によるサポート提供となるが、国内パートナーによるサポートも有り。 無料のオンライン学習サービスを用意。個別のカスタマーサポートはフォームでの受付。導入時のコンサルティングなどはパートナーが行う。

※各社(各サービス)の公式ウェブサイトを参照
https://winactor.com/column/about_rpa_05
https://rpa-technologies.com/bizrobobasic/
https://www.hitachi-systems.com/solution/s0309/blueprism/
https://www.uipath.com/ja/partners/become-a-partner
※2021年7月29日現在の情報です。最新の情報は公式ウェブサイトをご確認ください。

まとめ

 本記事では、RPAの基本的な知識から導入までの流れと注意点、ツール選びのポイント、そして4つのRPAツール比較を紹介してきました。RPAツールの導入に際しては、将来の自動化業務の拡張を考えて多機能なものを選びがちですが、重要なのは自社の業務や予算に見合ったRPAツールを選ぶことです。

 また、導入後に後悔しないためには、費用対効果に見合うかどうかを事前に確認しておくことや、サポート体制のチェックも大切です。

 NTT東日本では初期設定やトラブル対応など、充実したサポートがついたソリューション「おまかせRPA」を提供しています。RPAをご検討の際には、ぜひ資料をご覧になってください。

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