2021.3.30 (Tue)

テレワーク・リモートワークとは何か?(第22回)

リモートワークを継続させるノウハウとライフハック

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 近年、新型コロナウイルスの蔓延により多くの企業がリモートワークを導入しています。リモートワークは、多様な働き方への対応が可能な点や、オフィスコスト削減などの効果も見込めることから、アフターコロナにおいても、リモートワークを継続するとの方針を打ち出している企業も存在します。一方、リモートワークでは、会社への帰属意識低下やコミュニケーションの減少が発生し、これらへの対策が重要です。本記事では、リモートワークを効果的に機能させるためのノウハウなどを紹介します。

リモートワークの課題と解決のノウハウ

 「リモートワーク」とは、オフィスに出社することなく、自宅やその他の場所で業務を行う働き方です。「テレワーク」とも呼ばれています。必要に応じて出社か否かを選択でき、業務の効率化を図ることができる一方で、さまざまな課題も存在します。本記事では、リモートワークにおける課題と、その解決方法について解説します。

リモートワークの課題

 リモートワークは働く場所や時間を問わないため、従業員が個々の事情に合わせて柔軟な働き方ができます。しかし無計画に導入すると、かえって業務効率が悪くなることもあります。リモートワークを導入する際には、デメリットがあることをあらかじめ認識しておくことが必要です。

コミュニケーションが不足する

 リモートワークは、従業員が社外のさまざまな場所で業務を行う働き方です。そのため、従来のオフィス内で働く場合と比べ、上司や同僚とのコミュニケーションが取りにくくなります。すなわちリモートワークの場合、任意の相手と連絡を取るには、メールや電話が必要になります。もし相手が不在であれば、再度連絡したり、返信を待つという手間がかかります。

 以上のように、テレワークではコミュニケーションを取るまでに多くのステップを踏む必要があります。そのため連絡を取ることを億劫に感じやすく、結果として上司や同僚への確認や相談、その他のコミュニケーションが不足しやすくなります。

公私のメリハリをつけにくい

 とくに自宅でリモートワークを行う場合は、プライベートと仕事の区別がつけにくくなります。オフィスで働く場合と比べ、空間的にも気持ち的にも、仕事をプライベートの延長のように感じてしまうためです。

紙の書類の確認に時間がかかる

 リモートワークはオフィスに出社しないことや、従業員同士が直接顔を合わさないことが前提となります。そのため、紙媒体の重要書類や契約書などの受け渡しには時間がかかります

 たとえば契約などの承認ルートに紙媒体のやり取りや捺印といった行程がある場合、リモートワークでは書類の確認が遅れ、業務に支障が出る可能性もあります。

リモートワークの課題解決ノウハウ

 リモートワークにはさまざまな課題がありますが、それらを解決するための手段もあります。以下に、リモートワークにおける課題解決の方法について解説します。

コミュニケーションを促進する取り組み

 リモートワークによって社員同士のコミュニケーションが不足すると、ささいな認識違いや確認の怠りから、重大な判断ミスを招くこともあります。そのため、リモートワーク導入の際には、社員間の積極的なコミュニケーションを促進するための取り組みが必要です。

 たとえばコミュニケーションツールの導入があります。「オンライン会議システム」や「ビジネスチャット」は、社員同士のコミュニケーションに役立ちます。あるいは「スケジュール管理アプリ」「プロジェクト・タスク管理ツール」などは、他の社員の業務状況が確認できるため、企業の一員として働いているという帰属意識を高めることが期待されます。

プロセスではなく成果を重視した管理

 リモートワークでは公私のメリハリがつけにくくなるだけでなく、各従業員の労働状況の可視化が難しくなります。そのため、管理者が正確な人事評価を行えず、場合によっては社員同士で不公平感を抱くこともあります。このような状況は社員の仕事に対するモチベーションを下げる原因となります。

 これらの問題を解消するためには、プロセスではなく結果重視のスタンスが必要です。目に見える結果を残した社員に、正当な評価を行うことで、それ以降の仕事にも高いモチベーションを持つことができます。さらにメンバーが正当に評価されているという事実は、社員同士の不公平感を解消することにもつながります。

ペーパーレス化に対応したシステムの構築

 リモートワークでは各従業員が社外に分散して業務にあたるため、紙媒体の受け渡しには時間がかかります。対策として、書類の電子化を進めてペーパーレス化を実現する方法があります。ペーパーレス化の具体的な方法には、「クラウドストレージサービス」や「タスク管理ツール」の導入などがあります。

 クラウドストレージサービスとは、オンライン上にデータを保管するクラウドサービスです。タスク管理ツールは、複数人で担当するプロジェクトの遂行にあたり、スケジュール管理や業務担当を一括して管理できるツールです。プロジェクトの進行具合が可視化できるため、誰が何を必要としているのかすぐに把握でき、業務連携をスムーズにすることができます。

リモートワークの生産性を上げるライフハック

 リモートワークでの生産性を上げるためには、いくつかのポイントがあります。以下に、効率的なリモートワークのためのノウハウやライフハックを解説します。

仕事モードに切り替えるスイッチとなる習慣をつくる

 リモートワークではビジネスとプライベートの切り替えが難しくなります。解決するためには、気持ちを切り替えるタイミングと方法を自分で決めておくことがポイントです。たとえば朝の業務開始前にコーヒーを飲む方法や昼休憩後に少し散歩をする方法などがあります。

仕事場は複数用意する

 リモートワークはオフィス業務と比べると緊張感が薄くなりがちです。たとえば自宅のデスクだけで仕事をおこなうと、集中力が続かなくなることがあります。解決策として、仕事場所を複数作っておく方法があります。たとえば自宅内で仕事をするときは、気分転換にベランダやリビングに移動してみるのも良いでしょう。

 あるいは、近くのカフェや公園などに足をのばすのもおすすめです。がまんして一カ所に留まるよりは、場所を移動して気持ちを切り替えたほうが、集中力が続きやすいこともあります

Lunch and learnを導入してみる

 「Lunch and learn」とは、その名のとおり「食べながら学ぶ」ということです。具体的には、昼食を取りながらカジュアルな雰囲気で意見交換を行う場を設けることです。形式張ったミーティングではなく、カジュアルな雰囲気の中で話し合いを持つことで上下関係を問わず意見を出しやすくなるため、組織の課題解決に役立ちます。

リモートワークに関連する各社のアイデアやtips

 働き方の多様化により、リモートワークを導入する企業も増えています。実際にリモートワークの導入に成功した企業の事例を紹介します。

カルビー

 カルビーでは、2009年から、「ライフワークバランスの実現」と「成果主義の浸透」を軸として働き方改革を実施しています。働き方改革推進の具体的な方策として、「管理者を巻き込んだリモートワークの推奨」があります。

 同社は2015年の夏に「テレワーク推奨期間」を設定し、役職者や管理者の自主的な在宅勤務の利用を推奨しました。その後も各部門の管理者にテレワークの実施を繰り返し、テレワークの周知をおこないました。この取り組みにより、社内のテレワーク実施率は確実に向上しました。このことが評価され、カルビーは同年に「厚生労働大臣賞(輝くテレワーク賞)」を受賞しています。

NTTアイティ

 NTTアイティでは、2007年よりメール・グループウェア・業務システムに特化したスマートフォン専用のリモートアクセスツールを活用して、リモートワークを実践しています。さらにリモートワークにおける疑問や相談に対応する窓口を開設し、従業員のリモートワークに対するサポート体制を充実させています。結果として、テレワークの実施が進み、従業員の満足度も向上しています。

自社に適した工夫でリモートワークの生産性を上げる

 リモートワークの最大のメリットは業務の効率化と生産性の向上です。このようなリモートワークの恩恵を最大限に受けたるめには、リモートワークにおけるデメリットと課題について理解を深め、自社に適した対策や工夫を行うことが重要です。

※この記事は2021年3月時点の情報を元に作成しています

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