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2021.03.26 (Fri)

テレワーク・リモートワークとは何か?(第5回)

リモートワークを学べる本と取り組み事例を紹介

 新型コロナウイルスの影響により、リモートワークの導入が急速に進められています。リモートワークには多くのメリットがある一方、導入や運用においては数々の課題が存在します。生産性の高いリモートワークを実現し、長期的に運用するためには、それぞれの課題への対策が必要です。本記事では、リモートワークの課題や、課題への対策を学ぶことができる本や論文、各社の取り組み事例について解説します。リモートワークの導入検討時や、より高い生産性のための運用計画時に役立ちます。

リモートワーク関連の本

 リモートワークに役立つ書籍は多数販売されています。今回はリモートワークの「導入」と「運用」の2つのステップに分けて、それぞれ2冊ずつ紹介します。書籍を活用して、リモートワークをより推進することをおすすめします。

リモートワーク導入に役立つ入門書

 まずはリモートワークの「導入」にあたり、役立つ書籍を2冊紹介します。リモートワークの始め方や、さまざまな疑問について分かりやすく解説してあり、はじめてリモートワークを導入する企業の入門書としてもおすすめです。

できるテレワーク入門 在宅勤務の基本が身に付く本(インプレス)

 リモートワークの導入前~具体的な導入方法について解説した入門書です。リモートワーク導入に必要なハードウェアやソフトウェアの紹介が充実しています。おすすめの商品の写真が多数掲載されているため、どのような機器をそろえるべきか、具体的なイメージがしやすくなります。

 さらにリモートワークに便利なアプリケーションの紹介も詳細で、さまざまなサービスやツールの比較を知りたいという場合にも最適です。

 カラーイラストが豊富で、肩肘張らずに読み進められます。リモートワークそのものや、リモートワークを導入する意義についても平易な言葉で詳しく解説しており、とりあえずリモートワークの基礎を知りたいというときに最適な1冊です。

世界一わかりやすいテレワーク入門BOOK(宝島社)

 テレワークを快適にするテクニックについて詳しく解説されている入門書です。会議・ビジネスチャット・タスク管理・プレゼンテーションに関するツールの紹介から、リモートワークを活用したマネジメント術についても触れられています。さらに請求書・領収書の処理の仕方や機密情報のセキュリティ体制など、リモートワークにつきものの課題についても、Q&A方式で分かりやすくまとめています。

 データや事実に基づいた解説がなされており、リモートワークを進める上で必須のルールやスタンスについて学ぶことができます。112ページと分量はさほど多くないため、気軽に読める入門書を探している場合にもおすすめです。

リモートワークの生産性を高める応用書

 次に、リモートワーク導入後の運用に役立つ書籍を2冊紹介します。リモートワークを活用して事業の生産性を向上させたいという場合におすすめです。

テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書(マイナビ出版)

 リモートワークにおける強固なチームワーク形成について解説した1冊です。リモートワークは従業員が別々の場所で業務を行うため、コミュニケーションの減少が問題視されています。本書ではリモートワークにおけるコミュニケーション力の低下を克服し、成果を出せるチームを作るためのアイデアが豊富に紹介されています。

 テレワークにおけるコミュニケーションを活発化させるためのツールやサービスの紹介の他、テーマ別の取り組みについても具体的な紹介があります。リモートワークにおける実践的なチームワーク形成方法を学びたい場合におすすめです。

リモートワークの達人(早川書房)

 世界的なソフトウェア開発会社「ベースキャンプ」の経営者が著した1冊です。実際に自身が取り組んだリモートワークのメソッドについて、メリットともに詳細に解説されています。リモートワークに関する課題と対策はほぼ網羅されており、実践的な応用書として利用できます。

 言葉選びもユニークで、リモートワークのメリットを生かすためのノウハウを楽しみながら学ぶことができます。リモートワークへの抵抗感を拭い去ることができるため、入門編として活用するのもおすすめです。

リモートワーク関連の論文

 リモートワークや在宅勤務について詳しく分析した論文も多く発表されています。一般的に、市販の書籍よりもよりアカデミックな視点から分析がなされている傾向があります。今回は、オンラインにて無料で閲覧できる論文を2本紹介します。

テレワークの現状と課題-在宅勤務および在宅ワークの考察-

 京都学園大学経営部の安藤房子氏による論文です。京都先端科学大学の「学術リポジトリ」から閲覧できます。論文内ではリモートワークを「在宅勤務」と「在宅ワーク」に分類し、それぞれの現状や課題、解決策について整理しています。

 ワークライフバランスの観点からの考察もあり、リモートワークを活用して、新しい働き方を構築するためのヒントが豊富です。

在宅勤務の可能性-自律性の観点から-

 九州産業大学商学部の脇夕希子氏の論文です。同大学の「第17回テレワーク学会研究発表大会」にて発表され、論文検索サイト「CiNii」などから閲覧できます。テレワークで求められる「自律性」に焦点をあて、現状や課題などを解説しています。

 とりわけテレワークにおいて個々の自律性を向上させるための条件や考え方について詳細に解説されています。リモートワークにおいて従業員側に主体性をもたせたいというときに、有用なヒントとなる論文です。

リモートワークの取り組み事例

 リモートワークの効率性を高めるには、実際の成功例を参考にするのも有効な手段です。リモートワーク導入に取り組んでいる企業の事例を紹介します。

キヤノン株式会社の取り組み事例

 キヤノン株式会社の事例を紹介します。同社はリモートワーク拡大をめざし、セキュリティ体制の強化や、アプリケーション・グループウェアの活用に積極的に取り組んでいます。リモートワーク時には社内用のパソコンを持ち帰り、接続は専用の通信用カードで行います。さらに電話ツールとして、内線通話にも対応したiPhoneの貸与をおこなっています。

 これらのツールの使用にあたり、セキュリティ体制の強化策として、ESETによるウイルスチェックなどがあります。さらにプリントアウトの原則禁止、社外秘文書の社内破棄といったルールを徹底し、機密情報が外部に漏えいすることを防いでいます。

 さらに「Skype」や「office365」などのサービスを導入し、従業員が社外に分散して業務にあたっている場合でも、スムーズな連携や情報共有ができる環境を整備しています。

日本アイ・ビー・エム株式会社の取り組み事例

 日本アイ・ビー・エム株式会社の事例を参照します。同社では、「e-ワーク制度」という名称で在宅勤務の取り組みを実施しています。「e-ワーク制度」を活用すれば、午前中は自宅で仕事を行って午後は取引先に直行したり、週に1回はフルリモートワークをおこなえるなど、個々がそれぞれの事情に合わせた柔軟な働き方を選択できます。

 さらに同社では、ライフステージの変化にあわせて「短時間勤務制度」の導入や、各種育児介護支援プログラムを実施するなど、従業員がキャリアを途切れさせず働きやすい体制づくりに励んでいます。これらの取り組みが評価され、2016年には総務省によって「テレワーク先駆者百選」に認定されました。

株式会社ベネッセホールディングスの取り組み事例

 株式会社ベネッセホールディングスの事例を参照します。同社では2017年から「テレワーク@Home」という、テレワークの生産性を向上させるため取り組みを実施しています。「テレワーク@Home」では従業員1人1人の意識向上を図るとともに、上司・部下間のコミュニケーションの質と量の向上をめざしています。

 リモートワークやオンライン会義のためのツール整備はすでに終了しており、今後は社内全体の意識改革や、リモートワークの周知やメリットのアピールに取り組んで行く予定です。実際にトライアルとしてテレワークを実施した従業員からは、ライフワークバランスの充実やストレスフリーな業務遂行といったプラスの意見が出されています。

リモートワークを学び生産性向上を実現しよう

 リモートワークにはメリットとデメリットの双方が存在します。デメリットを回避するためには、書籍や論文の他、他企業の成功事例を参考にするのが一番の近道です。本記事で紹介した書籍・論文・各企業の取り組み事例を参照しながら、自社に最適な課題解決方法について検討してみましょう。

※この記事は2021年3月時点の情報を元に作成しています

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