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クラウド導入はじめの一歩(第9回)

Box(ボックス)の特長・使い方・料金体系を解説

 Box(ボックス)はクラウドストレージの一つであり、さまざまなファイルを保存したり、複数人と共有することができます。法人による導入が増えているBoxですが、なぜ選ばれているのか、この記事ではその特長、ファイル操作を含む基本的な使い方、Boxに付属するDrive、Sync、Editなどの追加機能の概要と使い方を解説します。最後に、気になる料金体系についても違いを明らかにし、どのプランを選ぶべきかを説明します。

クラウドストレージBox(ボックス)とは

 Box(ボックス)とはクラウドストレージサービスの一つです。クラウドストレージはインターネットを介してファイルを保存、共有できるサービスです。インターネット環境さえあればどこでも利用できるということで、近年のテレワークの推進に伴い需要が高まっています。

 Boxはアメリカに本社を置くSaaS企業「Box Inc.」により提供されています。世界規模で利用できるプラットフォームの構築を目的にしていて、アメリカを中心に世界で約10万社に導入されています。

 ここまでBoxが利用されている理由には「セキュリティ面」と「アクセス権限の設定しやすさ」が挙げられます。本記事ではメリットとなるBoxの特長と使い方を次の項目から順に解説します。

Boxの特長

 まずはBoxの特長を解説します。Boxは需要の高さに加え法人向けのサービスであることから、独自の機能が多数備わっています。大規模な容量や細かなセキュリティ性に着目しつつ、参考にしてください。

使いやすい法人向け容量無制限プラン

 Boxには、主に「Starter」「Business」「Business Plus」「Enterprise」といった4つの法人向けプランが用意されています。このうち、Starter以外はストレージ容量が無制限です。容量の大きいファイルも一括で保存することが可能です。

強固なセキュリティ

 Boxは法人向けサービスであるため、重要な業務データを扱うことを想定しています。そのため強固なセキュリティが特長です。

 Box社は、セキュリティ関係に多大な投資をしています。例えば、「ネットワークおよびホスト侵入検知システム」や「継続的な内部モニタリング機能」、「定期的な脆弱性スキャン機能」が搭載されました。

 さらに最上位のEnterpriseプランでは、「電子透かし埋め込み」や「パスワードポリシーの施行」も備わっています。Boxは多くの大企業に導入されているにもかかわらず、今までに重大事故を起こしていないことから、信頼できるセキュリティ性であることが証明されています。

7段階の細かな権限設定

 大きな特長として、Boxはファイルごとに「共同所有者」「編集者」「ビューア/アップローダ」「プレビュー/アップローダ」「ビューア」「プレビューア」「アップローダ」の7段階に分けられたアクセス権限を付加できます。

 プレビューアはプレビューを見ることしかない、ビューアはアップロードは行えないがダウンロードは可能といったように、ユニークな役割権限が存在します。多人数でファイルを共有する際も、それぞれに目的に応じた権限を設定できます。

ストレージの自由なカスタマイズ

 Boxは会社概要を設定したり、ロゴをアップロード、背景カラー設定など、法人独自のストレージデザインにすることが可能です。こちらも他社のサービスにはあまりないユニークな機能です。

Boxの使い方(基本編)

 ここからBoxの使い方を紹介します。まずは登録やファイルのアップロードといった基本的な使い方を解説します。

Boxの登録

 Boxを使うために、まず公式サイトからアカウント登録を行う必要があります。「サインアップ」から好みのプランを選択できます。

 このとき、登録無料のプランは個人用にしかありません。法人向けは有料ですが、14日間の無料トライアルがあるため、気軽に試用できます。

ファイルのアップロード・ダウンロード

 ファイルのアップロードは、『画面右上の「アップロード」をクリック』→『保存したいファイルを選択しアップロード』といった手順で完了します。ファイルを一括でアップロードしたい場合はコントロールキーを押しながらファイルを複数選択します。

 ファイルのダウンロードは『保存済みの中から対象のファイルを選択』→『「ダウンロード」をクリック』といった手順です。この場合はシフトキーを押しながら複数選択することで一括ダウンロードできます。このとき複数ファイルはzipファイルとして保存されます。

フォルダの作り方

 フォルダを作る場合は『右上の「新規」をクリック』→『フォルダ名と形式を決める』→『共有する場合はその人のメールアドレスを入力(しなければ個人用ファイルとなる)』→『「作成」をクリック』といった手順です。このときフォルダパスに文字制限(255文字)がありますので、簡潔にまとめるよう注意してください。

ファイル共有方法

 ファイル共有をする方法にはファイルを共有状態にする方法と共有リンクを作成する方法があります。

 『公開したいファイルを選択』→『ファイル名末尾の「共有」をクリック』→『画面右「このフォルダを共有」をクリック』→『ポップアップ画面の青い文字絵悦から公開範囲を選択』→『「共有リンクを送信」または「URLをコピーアンドペースト」で任意の相手に送る』という手順で特定の範囲でファイルを共有できます。

 公開範囲には、「リンクを知っている全員」「会社のユーザー」「このフォルダ内のユーザー」「リンクを削除」から選択できます。

 一方、細かな設定を施した独自の共有リンクを作成する場合は『ポップアップ画面右上の歯車アイコンをクリック』→「共有リンクの設定」で可能です。

 「カスタムURL」「パスワードを要求する」「リンク有効期限」「ダウンロードを許可」から設定を変更することができます。

ユーザーへのアクセス権限の設定

 Boxの特長である7種類のアクセス権限の設定方法をここで説明します。対象のフォルダから変更する場合、『該当のフォルダ』→『右サイドバーのリストから任意のユーザーをクリック』→『「権限」をクリックしアクセスレベルを設定』といった手順です。

 管理コンソールからユーザー単位で変更する場合、『「ユーザーとグループ」をクリック』→『該当ユーザーの右の「…」をクリック』→『「ユーザー設定の変更」をクリック』→『画面下の「このユーザーがアクセスできるフォルダを選択」からアクセスレベルを設定』で可能です。

  また、7つの権限のうちBusinessおよびEnterprise以外では「編集者」と「ビューア」しか使用でませんので注意してください。

Boxの使い方(応用編)

 次にBoxの使い方として応用編を紹介します。他社のツールとは違う独自の機能もいくつか存在します。

「Box Drive」の活用

 Box Driveはストレージ上の全てのファイルをデスクトップから直接操作することができるアプリケーションです。デスクトップ上でファイル操作を行えるため、直観的かつスピーディーに作業を進めることができます。

 インターネット環境さえあれば、パソコンの容量を使用せず、Box内の全ファイルにアクセスすることが可能です。後述するBox Syncと比べても、ファイルの反映速度やログの確認といった点で優れています。注意点としてBox Syncとは併用できないことを覚えておいてください。

「Box Sync」の活用

 Box Syncもまたブラウザを使わずにストレージにアクセスすることができるアプリケーションです。オフラインアクセスが可能な点や個別にデータの同期選択が行える点でBox Driveと異なります。

 スピーディさやメモリの消費面でBox Driveに劣りますが、オフライン作業がメインとなる場合はBox Syncをおすすめします。

「Box Edit」の活用

 Box Editはストレージに保存されたWordなどのドキュメントをブラウザ上で直接編集することができるアドオン機能です。これにより、ストレージ上のドキュメントを編集する際にダウンロードし、編集したのちにアップロードをする必要がなくなります。

 ただし、パソコン側にドキュメントに対応したアプリケーションがインストールされていないと開くことができないため、注意してください。

アクセスログ機能の活用

 Boxのアクセスログ機能は70種類以上の操作ログを記録することができる機能です。セキュリティを重視する法人にとっては必要不可欠な機能であり、ユーザーや日付などから絞り込み検索することも可能です。

 具体的なログの内容としては、「ファイルの編集」「ログイン/ログイン失敗」「ユーザーとグループの作成/削除」「共有リンクの設定」「フォルダの同期/削除」です。

 ログの確認方法としては、『管理コンソールから画面左の 「レポート」をクリック』→『レポートの種類と対象となるユーザー/グループ/期間を選択』→『「エクスポート」または「実行」をクリック』といった手順です。

 エクスポートをクリックした場合はExcel 形式で Box へ保存、実行をクリックした場合はページ内にレポートが表示されます。

Boxの料金プラン

 Boxの料金プラン体系は、大きく個人向けと法人向けに分かれています。無料プランは個人だけに存在します。一方の法人向けは無料プランがない代わりに12日間の無料期間、年払いで割引が存在します。

個人向けプラン

 個人向けプランは「Individual」「Personal Pro」の2種類です。以下から、それぞれの詳細を解説します。

Individualプラン

 Individualプランは個人向けの無料プランです。ストレージ容量上限10GB、アップロード上限は250MBです。個人で試用したい方におすすめです。

Personal Proプラン

 もう一方の個人向けプランがPersonal Proプランです。しかし、Individualプランと違い、こちらは有料プランです。ストレージ容量上限100GB、アップロード上限は5GBと、より柔軟に利用できます。

法人向けプラン

 法人向けプランは「Starter」「Business」「Business Plus」「Enterprise」の4種類です。それぞれユーザーの規模や備えている機能が異なります。以下から詳細を確認してください。

Starterプラン

 Starterプランは法人向けプランで最も安価なプランです。ストレージ容量上限は100GB、単一ファイルのアップロード上限は2GBです。法人向けのため最大10人のユーザーで利用できます。

Businessプラン

 Businessプランからストレージ容量とユーザー数が無制限となります。単一ファイルのアップロード上限は5GBです。さらに「エンタープライズアプリの統合追加」や「データ損失防止(DLP)」、「管理コンソールへのアクセス」といった機能が追加されます。

Business Plusプラン

 Business Plusプランでは、外部から登録可能なユーザー数の上限がなくなるほか、ファイルのアップロード上限やエンタープライズアプリの統合可能数も増加します。そのため社外関係者と業務を進めていく上で最適なプランです。

 さらにBusinessプランと比べて、「管理権限の委任」や「サービス利用規約」といった柔軟なカスタマイズを実現する機能が追加されています。

Enterpriseプラン

 最上位のプランであるEnterpriseプランは、エンタープライズアプリの統合数が無制限になる他、「電子透かし埋め込み」や「パスワードポリシーの施行」など最上級のセキュリティ機能が備わっています。

 高度で機密性のあるコンテンツを実現したい方におすすめのプランです。

世界中で導入事例が増えているBox

 Boxは容量のゆとりと強固なセキュリティ、そして細かな権限設定を実現していることから、世界的に導入事例が増えています。特にセキュリティを重視する法人ユーザーにとっておすすめのクラウドストレージです。本記事で興味を持った方は、ぜひ自社に導入し多人数での効率的な業務を実現してください。

※この記事は2021年3月時点の情報を元に作成しています

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