クラウド導入はじめの一歩(第6回)

クラウドゲームとクラウド音楽サービスを詳しく解説

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 近年注目されているクラウドを利用したサービスは、ビジネスシーンのみならず、ゲームや音楽といったエンタメ業界にも浸透してきています。従来、ハードウエアのスペックに依存してきたゲームは、クラウドを利用することで、多くのデバイスで楽しむことが可能となりました。音楽に関しては、クラウドを利用することでデバイスのストレージを節約しながら楽しめるようになりました。本記事では、クラウドゲームとクラウド音楽サービスについて、概要と主要サービスを解説します。

クラウドゲームとは

 クラウドゲームとは、ゲームのストリーミングサービスの一種であり、ユーザー側のコントローラの操作や音声などの情報をクラウド上で演算・処理し、演算結果を動画や音声としてストリーミング配信するものです。処理を全てクラウド上で行うため、従来のようなハイスペックなハードウエアや、ゲームソフトをインストールすることなく、クオリティの高いゲームをプレイすることが可能です。

 近年、多くの企業がクラウドゲーム配信サービスに参入し、ゲーム業界の新しいコンテンツとして話題になっています。ここでは、クラウドゲームのメリットやデメリットなどを解説します。

オンラインゲームとの違い

 混同されることが多いクラウドゲームとオンラインゲームですが、両者には明確な違いがあります。オンラインゲームにおいて、サーバー側では最低限の処理を行い、映像やエフェクトなどの処理はユーザー側が負担する必要があります。これに対し、クラウドゲームにおける情報処理は全てサーバー(クラウド)側が実施します。

 上記の特徴により、オンラインゲームでは、ユーザー側に十分なスペックのデバイスが必要となります。一方、データ通信量は限られるため、それほど高品質な回線が必要でない点が特徴です。これに対し、クラウドゲームでは、スペックの高いデバイスこそ必要ありませんが、データ通信量は膨大なものになります。

クラウドゲームのメリット

 クラウドサービスのメリットとしては、前述のとおり、ハイスペックなゲームデバイスや、ゲームソフトのインストール・購入が不要である点が挙げられます。場所やデバイスを選ばないため、より自由度の高いゲームプレイが可能となります。

 オンラインゲームでしばしば問題となる「チート行為」を防止することができる点も大きなメリットです。ゲームデータが全てクラウド上に存在するため、不正なチート行為を行うための改造ができず、チート行為を完全にシャットアウトすることができます。

クラウドゲームのデメリット

 クラウドゲームの大きなデメリットが、レイテンシ(遅延)の発生です。前述のとおり、オンラインゲームなどの従来のゲームに比べ、非常に多くの情報通信が必要となるクラウドゲームにおいては、サーバーの混雑具合などの状況に応じて、通信遅延が発生してしまいます。

 オフラインではゲームをプレイできない点もデメリットのひとつです。ゲームデータをインストールできないので、サーバーとの通信ができなければプレイすることは不可能です。サービスを提供するサーバーが停止した場合にも同様にプレイできません。

クラウドゲーミングサービス例

 クラウドゲーミングサービスのうち、すでに日本で提供が開始されているものについて説明します。

Pokemon HOME(ポケモン)

 株式会社ポケモンが提供する「Pokemon HOME」は、2020年2月12日にNintendo Switchとスマートフォン向けに全世界同時配信が開始されたクラウドゲーミングサービスです。「すべてのポケモンが集まる場所」をコンセプトとしており、これまでの対応する各シリーズとの連携が可能です。

 ポケモンの交換や図鑑への登録、ふしぎなおくりものなどの多彩な機能を搭載しており、ポケモンファンには非常に嬉しいサービスです。無料のフリープランと、有料のプレミアムプランが展開されており、必要な機能に応じていずれかのプランを選択可能です。

PlayStation Now(ソニー)

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントが提供する「PlayStation Now」は、PS4とWindowsパソコンを対象としたクラウドゲーミングサービスです。400タイトル以上のゲームが対応しており、多くの名作をプレイできる点が特徴です。

 Macには対応していないので注意が必要です。PS4を用いる場合は、ストリーミング配信だけでなく、ソフトをダウンロードすることも可能です。プレイ環境における回線の性能が十分でない場合は、ダウンロードしてからプレイする方法も可能です。

GeForce NOW Powered by Softbank(Softbank×NVIDIA)

 ソフトバンクとNVIDIAが共同で提供する「GeForce NOW Powered by Softbank」は、MacやWindowパソコン、Android、iPhoneに対応したクラウドゲーミングサービスです。600タイトル以上のゲームをプレイできます。

 「NVIDIA Highlights」機能を使うことで、ゲームプレイ動画を記録することが可能です。31日間の無料期間があるため、使用感を確かめることができます。

クラウド音楽サービスとは

 クラウド音楽サービスとは、音楽データをクラウド上にアップロードし、ストリーミング再生を可能とするサービスを指します。ここでは、クラウド音楽サービスのメリットとデメリットについて解説します。

クラウドで音楽を管理するメリット

 クラウド上で音楽を管理する大きなメリットは、音楽データのバックアップが不要となる点です。万が一デバイスを紛失したり、デバイスが故障した場合においても、クラウド上にあるデータには影響がありません。

 これに関連して、デバイスのストレージに音楽データを保存する必要がなくなるため、端末の容量を節約できる点もメリットの一つです。スマートフォンなどの多機能デバイスにおいては、音楽データ以外にもさまざまなデータを保存する必要があるため、ストレージ容量を節約できるのは大きなポイントとなります。

クラウドで音楽を管理するデメリット

 クラウド上で音楽を管理するデメリットとしては、ストリーミング再生時にデータ通信が発生する点です。Wi-Fi環境下であれば大きな影響はありませんが、モバイル通信などを利用している状況下においては、データ通信料が発生する点には注意が必要です。

クラウド音楽サービスの例

 ここでは、クラウド音楽サービスの代表的なものについて解説します。

YouTube Music

 YouTube Musicは、従来のGoogle Play Musicの機能を引き継いだクラウド音楽サービスです。アップロード可能な楽曲数は最大10万曲であり、プレイリストは最大5000曲で作成することができます。歌詞の一部からでも楽曲を検索できる便利な機能も搭載しています。

 YouTube Musicには無料プランと有料プランが展開されており、アップロード可能な楽曲数などの一部の機能が異なります。無料プランでもアップロードとストリーミング再生が可能である点は、他のサービスと比較しても魅力的なポイントです。

iTunes Match

 iTunes Matchは、MacやWindowsのiTunesを使用し、iCloudのライブラリに音楽データをまとめることができるサービスです。最大10万曲の楽曲が登録されており、自身のiTunesに存在する音楽ファイルを、クラウドを介して再生することができます。

 有料ですが、複数のデバイスで共同利用が可能です。パソコンやスマートフォンなど複数のデバイスで使う場合には、特に便利なサービスです。

Apple Music

 Apple Musicは、iTunes Match同様にAppleが提供する音楽ストリーミングサービスです。再生履歴から好みの楽曲をおすすめしてくれる機能や、音楽関連のラジオが聴ける点などが魅力です。

 月額料金を支払うことで、5,000万曲以上の楽曲が聴き放題となります。ライブ音源なども充実しており、ラインアップの幅広さは、他のサービスと比較して優れています。

ゲームも音楽もクラウドを利用してさらに便利に

 クラウドを利用することで、ゲームプレイや音楽鑑賞をより自由に楽しめるようになりました。ゲームにおいてはとくにハードウエアを用意する必要がない点は魅力です。いずれも、ソフトをインストール・ダウンロードする必要がなく、デバイスの容量を節約できる点がメリットです。データ通信料には注意しておけば、快適なゲーム・音楽鑑賞を楽しむことができます。

※この記事は2021年3月時点の情報を元に作成しています

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