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クラウド導入はじめの一歩(第1回)

クラウドSIMの仕組みやメリット・デメリット

 「クラウドSIM」とは無制限Wi-Fiという言葉と共に急速に広まったクラウド技術を利用したWi-Fiサービスです。クラウドSIMを導入することで、業務の効率化や利便性の向上が期待できます。クラウドSIMのサービスを理解するためには、まず大元である「SIM」への理解を深める必要があります。この記事では「SIM」や「クラウドSIM」の違いと仕組み、「クラウドSIM」のメリットやデメリット、選び方などを解説します。

クラウドSIMについて

 クラウドSIMについて理解するにあたってそもそもSIMとは何であるかを理解する必要があります。以下ではSIMの概要について解説した後、クラウドSIMの概要とそのメリットを解説します。

SIMとは

 「SIM」とは携帯電話に使用される、利用者を特定するための情報のことで、携帯電話やスマートフォンに入っている小さいSIMカードなどで付与されています。このSIMに入った情報と顧客情報が紐付けされることで電話番号やSMSの送受信が可能となっています。

 SIMの情報をもとに、通話時間やインターネットなどでのデータ使用量が記録されるため、携帯電話の機種代を除くと、携帯電話会社に私たちが支払っている料金は、「SIMを使用している料金」ということもできます。

クラウドSIMとは

 「クラウドSIM」は、クラウドにSIMの情報を保管し、携帯電話などの端末へ情報を送ることで通信を可能にする次世代の通信技術のことを指します。この「クラウドSIM」を利用した「モバイル/ポケットWi-Fi」や「海外旅行向けのサービス」が好評であり、これから普及していくことが見込まれています。

 クラウドSIMは中国に本社を置くuCloudlink社の特許技術で、世界140カ国、200以上の通信事業者と提携し、SIMカードなしに世界中フリーローミングで高速なインターネットを利用することが可能となっています。

 このサービスを利用するにはuCloudlink社が提供している専用端末が必要ですが、日本の大手キャリアではクラウドSIMに対応した携帯電話は販売されていません。

 そこで、専用機器を携帯電話として用意するのではなく、クラウドSIM対応の持ち運び用Wi-FiであるモバイルWi-Fiを利用することで、手軽にクラウドSIMを利用することができます。

クラウドSIMのメリット

 クラウドSIMのメリットとしては、「複数社の回線を利用可能」「使用可能エリアが広い」「簡単に海外で使用できる」が挙げられます。

複数社の回線を利用可能

 これまでは契約した通信会社の回線しか利用することができませんでしたが、クラウドSIMは世界140カ国、200以上の通信事業者と提携していることから、複数社の回線を利用することが可能です。

 クラウドSIMではサーバに設置されたSIMに対して、位置情報をもとに最適な通信会社のSIM情報に書き換えることで、複数キャリアのSIMを使い分けることができます。そのため場所によって通信速度が遅くなる可能性を下げることが可能となります。

使用可能エリアが広い

 クラウドSIMは複数社の回線を使用できることから、使用可能エリアが広いというメリットがあります。これまで契約していた通信会社で通信できなかった場所でも通信できる可能性が高くなります。

簡単に海外で使用できる

 これまで海外で通信を行う場合は、海外用のモバイルルーターをレンタルしたり、現地のSIMカードを購入したり、通信会社の海外プランを契約するなど手間と費用がかかりました。しかし、クラウドSIMは国内外問わず複数社の回線が利用できるため、海外でも手間のかかる登録や別途通信機器を用意する必要なく、通信を使用することができます。

クラウドSIMのデメリット

 クラウドSIMのデメリットとしては、「通信障害などのトラブルが発生する可能性がある」、「サービスが十分に復旧していない」ことが挙げられます。

通信障害などのトラブルが発生する可能性がある

 2020年にクラウドSIMを採用しているモバイルWi-Fi数社で通信障害が発生したこともあり、大手通信会社と比較すると現状のクラウドSIMではトラブルが発生する可能性への配慮が必要です。

サービスが十分に普及していない

 クラウドSIMは多数のサービスが登場していますが、広く普及しているとはいえないため、レビュー自体が少なく、サービスの選定が難しいことが挙げられます。さらにまだ対応していない国も存在するため、海外で利用する場合はあらかじめ対応している国を調べておく必要があります。

クラウドSIMの選び方

 クラウドSIMはuCloudlink社の技術ですが、その技術を利用したモバイルWi-Fiは多数存在します。その際の選び方について以下で解説します。

大容量のデータ通信は可能か

 「データ容量」は、月間または1日単位で定められています。サービスが登場した当初は通信容量無制限のものが主流でしたが、上記の障害をきっかけに、無制限利用は廃止となりました。

 そのためクラウドSIMを選ぶにあたり、日々どれだけの通信を行うのか、月合算するとどの程度になるかをあらかじめ見積もることが大切です。

利用料金

 料金に関してはほとんどのサービスが月額固定料金を採用しています。そのため、定量的な比較として通信容量当たりの料金を算出することをおすすめします。

 算出方法としては、支払料金を月に使用可能な通信容量で割るだけなので、簡単に算出することができます。

契約期間

 契約期間は1年から3年を採用しているものが多く、途中解約した場合は違約金が発生します。利用用途にもよりますが、次々と新しいサービスが登場していることもあるので、短い期間のものを選ぶことをおすすめします。

クラウドSIMについて理解を深め、有効に活用を

 クラウドSIMはメリットが多いですが、デメリットも存在するサービスです。サービス内容が多様化しており、料金やサービス内容もさまざまですが、契約期間が設けられているサービスも多いので、十分に調べてから契約することをおすすめします。

※この記事は2021年3月時点の情報を元に作成しています

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