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こっそり聞きたいネットワークのキホン(第6回)

ネットワークコマンドの概要と特徴を徹底解説

 ネットワークコマンドは、ネットワークの運用・構築を行っていく中で理解しておく必要があります。ネットワークに関する設定や接続状況などを確認するには、ワークコマンドを実行することが必要だからです。本記事では、ネットワークコマンドの概要と、代表的なコマンドの特徴について解説します。ネットワークコマンドについて理解することで、使用するネットワークの状況を見える化でき、運用を効率的に行うことができるようになるでしょう。

ネットワークコマンドとは

 ネットワークコマンドとは、接続しているネットワークの状態確認や設定変更などを行うために使用するコマンドを指します。ネットワークコマンドは、中継機器などの外部デバイスに対して状態の調査・操作を行うコマンドと、コンピュータ内部の情報を調査・操作するコマンドの2種類に大きく分類されます。

外部デバイスに対するコマンド

 外部デバイスに対するコマンドの役割としては、通信速度確認や疎通確認、通信経路(ルート)確認などが挙げられます。「ping」コマンドや「tracert」コマンドなどが知られています。

 コマンドを実行すると、ネットワークを介して対象の外部デバイスと通信を行い、調査や操作を行います。

コンピュータ内部の操作コマンド

 コンピュータ内部の操作コマンドとしては、「ipconfig」コマンドや「netstat」コマンドなどが代表例として挙げられます。主にポート確認やIPアドレス、MACアドレスなどのネットワーク設定に関連する情報を確認する役割があります。

 外部デバイスに対するコマンドと異なり、コンピュータ内部で実行されるため、ネットワークを介しての通信は行いません。

オプション

 それぞれのネットワークコマンドには、詳細な実行条件を指定できるオプションを追加できます。オプションを追加することで、外部デバイスとの通信回数を変更したり、実行結果の表示内容を指定することができます。

 ごく一部を除き、ネットワークコマンドにおけるオプションは主にエンジニアが使用するコマンドです。基本的な操作において、オプションの入力が必要になるケースは多くありません。

コマンドプロンプトとは

 コマンドプロンプトは、Windowsに標準搭載されているソフトウェアです。コマンドプロンプト上でネットワークコマンドを実行することで、さまざまなネットワーク情報を確認できます。ネットワークの状態は「環境設定」「コントロールパネル」などで確認できるものはありますが、通信速度などはコマンドプロンプト上でコマンド実行しなければ確認できません。

 MacOSやLinuxでは、「ターミナル」というソフトウェアが同様の機能を持っています。コマンドは共通のものや似たものが多く、使用感も近いです。

ネットワークコマンド一覧

 ネットワークコマンドには多くの種類があり、機能もさまざまです。ここでは、「ping」「ipconfig」「netstat」「tracert」「nslookup」「telnet」について機能をご紹介します。

ping

 pingコマンドは、通信相手に対してネットワーク上に適切なルートが設定されているか、通信ができるかどうかの疎通確認を実施するコマンドです。通信相手に向かって送信した信号が戻ってくるまでの時間から、パケットの平均応答時間を測ることで、通信速度を確認することもできます。

 ネットワーク環境をチェックする上で最も基本的なコマンドであるpingは、使用方法を理解しておくと便利です。接続不調や通信速度が遅いと感じる場合は、まずpingコマンドを実行し、状況を確認するとよいでしょう。

ipconfig

 ipconfigコマンドは、IPネットワーク設定情報を確認するコマンドです。コンピュータとルーターが接続されているか確認もできることから、ネットワークに接続できないときの原因調査に役立ちます

 MacOSは「ifconfig」コマンドが、Linuxでは「ip」コマンドが同様の役割を持ちます。オプションである「release」「renew」と組み合わせることで、IPアドレスのリセットを行うことができます。

netstat

 netstatコマンドは、ホストのネットワーク接続状態を調査するコマンドです。名前の由来でもある「network statistics(ネットワーク統計情報)」からもイメージできるように、パケットなどの統計機能があります。

 Linuxでは非奨励コマンドとなっており、デフォルトでは実装されていません。代替コマンドを利用するか、追加でインストールする必要があります。

tracert

 tracertコマンドは、ホストまでの間で通過するルーターなどの中継機器に関して、IPアドレスやパケットの応答時間を調査できるコマンドです。使用目的としてはpingに近いですが、ルーティングの途中で経由した機器を表示できる点がpingとの違いです。

 対象のネットワークにおけるルートや、そのルートの混雑状況を調べることも可能です。基本的なトラブルシューティングツールとして活用されます。

nslookup

 nslookupコマンドは、通信相手のドメイン名やホスト名からIPアドレスを確認できるコマンドです。IPアドレスのような数字の羅列ではなく、ドメイン名から検索できる点がメリットです。

 IPアドレスからドメイン名やホスト名を調べることも可能で、「逆引き」と呼ばれます。知りたい情報に応じて使い分ける必要があります。

telnet

 telnetコマンドは、ネットワークを経由して他のコンピュータを操作するときに使用するコマンドです。接続先のポート番号を確認する用途でも役立ちます。

 コマンドモードとセッションモードの2つがあり、使用できるオプションが異なります。コマンドモードでは、ホストへの接続・切断・設定変更が可能です。セッションモードでは、ホストにログインしているような操作が可能となります。

ネットワークコマンド以外のコマンド

 ネットワークコマンド以外にもさまざまなコマンドが用意されています。ここでは、ネットワークコマンド以外の代表的なコマンドについて説明します。

ファイル操作を行うコマンド

 コマンドプロンプト上で実行できるコマンドには、ファイル操作を行うタイプのコマンドがいくつかあります。ファイル操作を行うコマンドの代表例として「cd」コマンドや「dir」コマンドが挙げられます。

 cdコマンドは、ディレクトリの移動を行うためのコマンドです。dirコマンドは、ディレクトリ内の一覧表示が行えるコマンドです。オプションと組み合わせることで、出力結果のソートなども行えます。

その他のコマンド

 ネットワークコマンドやファイル操作コマンドの他に、コンピュータ名を表示する「hostname」コマンドや、文字列検索を行う「find」コマンドなどがあります。hostnameコマンドの「コンピュータ名を表示する」という役割ですが、コマンドを使用せずとも設定やコントロールパネルから確認することもできます。

ネットワークコマンドを理解する意義

 ネットワークコマンドは、コンピュータへのさまざまな指示を出す機能です。コンピュータ内部の状況から、ネットワーク上の中継機器に関する状態まで詳細に確認できます。ネットワークコマンドを理解することで、ネットワークの接続状況や、不調時の原因特定を行うことができます。エンジニアなど仕事で使用する以外の人も、覚えておくと便利です。

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