マイページ別ウィンドウで開きますでご契約・サポート情報を確認

2021.02.26 (Fri)

1からはじめるビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)(第5回)

BPOを提供している大手・有名企業ベンダー一覧

 業務プロセスの一部を専門業者に依頼するBPOは、業務効率改善やコスト削減の効果が期待できます。しかし、BPOを依頼するにはメリットだけではなくデメリットもあり、自社にマッチするBPOベンダーを選ばなければ、かえってコストが発生してしまうことがあるため、慎重に選びましょう。日本国内にはさまざまなBPOベンダーが存在しますが、今回の記事ではそのなかでも有名な企業や大手企業、業者を選定するときのポイントについて解説しています。ぜひ参考にしてください。

BPOは業務時間やコストの削減に有効な企業の経営戦略

 まずはBPOの意味と、BPOが効率的に機能する部門についてご紹介します。

BPOとは

 BPOとは「Business Process Outsourcing」の略で、「業務プロセス(の一部)を専門企業に外部委託する」ことを指します。名前通りアウトソーシングの一種ですが、一般的なアウトソーシングとは異なります。一般的なアウトソーシングは、シンプルに「業務」のみを委託するものですが、BPOは外部企業に自社部門を置き、業務設計からトラブル対応、業務改善策など業務に関するプロセスを一任します。

 アウトソーシングは「困った時のお手伝い」にとどまりますが、BPOは委託することで業務プロセスを効率化し、経営にプラス効果をもたらす「経営戦略」であるといえます。

BPOを導入できる代表的な部署・サービス

 先ほどご紹介した通り、BPOを活用することで業務効率化や経営改善が期待できます。それでは、具体的にはどのような部門やサービスに導入すればよいのか、代表的なものをご紹介します。

総務・経理

 総務・経理の業務は単純作業から専門的知識が必要なものまで多種多様であり、人員不足の解消やコスト削減が特に必要となる部門です。BPOを導入することで、総務であれば受付業務や備品管理、文書作成など、経理であれば伝票整理や入力業務などが依頼できます。単純作業はもちろん、社会保険労務士、行政書士などのプロフェッショナルを有するBPOサービスに依頼すれば、確定申告や決算書作成などの専門業務も一任できます。

コールセンター

 顧客対応が必要な企業であれば、クレーム対応や問い合わせ対応ができるコールセンターを委託できます。一般的なアウトソーシングでも委託は可能ですが、業務内容は顧客からの商品やサービスの受注など、自社で準備したマニュアルに沿って応対できるものに限られます。

 BPOを導入すれば、マニュアル作成から業務を依頼することも可能です。顧客とのコミュニケーションで得た情報をフィードバックし、商品やサービスをより充実させるにはどうすればよいかを検討することも可能です。

人事業務

 給与や賞与の計算、年末調整業務などの複雑な計算業務を委託することで、自社人事部員 のコア業務への集中化が期待できます。さらに、人事部のコア業務ともいえる人材採用部門もBPOに委託可能です。人材の募集から受付、面接、各段階への選考を一括して任せられるうえ、入社後の研修も任せられます。外部企業のプロフェッショナルによる客観的な判断のもと、質の高い人材の確保が期待できます。

BPOベンダーを選ぶ際のポイント

 BPOを適切に導入することで自社社員の負担を軽減し、業務効率化や生産性向上が期待できます。しかし、BPOベンダーの選択を誤ると、期待していた効果が得られず、コストばかりがかかるという事態にもなりえます。自社の業務や予算に合致したBPOベンダーを採用するためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

委託する業務の実績は充実しているか

 まずは依頼を考えているBPOベンダーに、依頼する業務の取り扱い実績があるのかを確認します。基本的にはベンダーのウェブサイトに取り扱っている業務とその実績が記載されていますので、確認するとよいでしょう。

 加えて、依頼する業務以外の実績も確認します。それらの実績も豊富であればあるほど信頼度は高まります。将来的に委託する業務の幅が広がることも考えられますので、最初に依頼する時点から、取り扱い業務の実績が充実しているベンダーを選ぶとよいでしょう。

提示されるコストは適切か

 BPOサービスのコストはBPOベンダーにより差があります。もちろん安い方がコスト削減という点では望ましいですが、あまりに安価なサービス料を提示するBPOベンダーは問題がある可能性があります。

 初めてBPOを導入する際は、複数のベンダーから見積りを取り、相場を把握しましょう。BPOは単にコスト削減のために導入するアウトソーシングとは異なり、能動的な経営戦略のもと導入するものです。コストばかりに目を向けるのはなく、サービスの内容が導入目的に合ったものであるかを吟味することも重要です。

サポートサービスの充実度

 たとえ優秀なBPOベンダーであったとしても、やはり欠員や顧客からのクレームなど、業務にトラブルはつきものです。そのようなトラブル発生時にどこまでリカバーできるかという点も、重要な判断ポイントです。

 これまでに発生したトラブルとその対処実績について確認すると良いでしょう。それに加えて、必ず途中で契約を終了する場合の違約金の有無なども確認しておきましょう。

世界的にも有名な日本のBPO Companyを紹介

 先ほどご紹介した通り、BPO導入を成功させるためには実績のあるBPOベンダーを選ぶことが重要です。高い実績を誇るBPOベンダーをご紹介します。

日本IBM

 世界のBPOランキングで1位を獲得しているのはコンピューターメーカーのIBMです。IBMではテクノロジー業務に精通しているという強みを生かし、テクノロジーと業務を融合させることで徹底した省人化や自動化、高度化を実現しています。

 さらに、BPO領域にとどまらない豊富な業務経験があり、自社で実証済みのソリューションをクライアントに提供する、多方面に渡る業界の知見や関係性が構築されているという点もIBMならではの優位性です。

リクルートホールディングス

 リクルートホールディングスでは各国の派遣事業を統合した人材派遣事業のユニットを有しており、人材採用・人材活用サービスのノウハウや情報が豊富に蓄積されています。適切な人材の紹介と、就業中のスタッフを的確にサポートするスタッフマネジメント力が強く、人材に関するあらゆる課題に迅速、適切に対応します。

 さらに、単にスタッフを紹介するだけではなく、コストパフォーマンス向上のための提案も行います。企業の業績比較サービス「Suik」が設定した人材・アウトソーシング業界のランキングでは、売上高、経常利益ともにトップを誇り、安定して高い実績があることが分かります(2019年度)。

パソナホールディングス

 グローバル市場において企業間競争が熾烈になる中、海外の法律やルール知識を得ることの重要性が増しています。しかし、特に米国の場合は連邦や各州で法律や規則が異なることから、専門知識を得ることが非常に困難です。

 グローバル化を視野に入れたBPOソリューションを確立しているパソナホールディングスでは、アメリカの法律や規則に精通したプロフェッショナルが給与や勤怠処理、経理、人事・福利厚生業務を行います。

その他の大手企業のBPOベンダー

 BPOが企業戦略として着目されるようになった現在、人材派遣サービス会社がBPOに着手するのはもちろんのこと、主事業とは別にBPO部門を構え、豊富な知識と経験を強みとしたBPOサービスの提供を始める大手企業も増えています。特に規模と実績に定評のある5社をご紹介しましょう。

三菱総研DCS株式会社

 三菱総研DCS株式会社は日本有数のシステム開発会社である三菱総合研究所の関連会社で、創業以来50年、約2000社への導入実績を誇ります。

 特に得意なのは人事関連のBPOで、人事情報の管理による幅広いデータ活用、給与・賞与、年末調整、社会保険の計算、通勤費・勤怠管理などを一任できます。従業員数1,000人を超える大手企業との契約も多く、実績と実力のある企業です。

アデコ株式会社

 アデコはスイスに本社を構える総合人材サービス企業です。日本ではあらゆる業種・職種を網羅した豊富なBPOを請け負っており、さまざまな要望にワンストップで対応しているようです。

 導入実績は20年間で7,500件。600名を超える経験豊富なスーパーバイザーが在籍し、業務の生産性や品質を高めます。

 ITテクノロジーを駆使した業務改善も得意とし、独自のデータ化技術と業務自動化ツールを活用することで、より一層の工数削減とコスト削減が期待できます。

凸版印刷株式会社

 1900年設立と老舗企業である凸版印刷株式会社では、印刷テクノロジーをベースにした幅広い事業活動を展開しています。BPOに関しては、「ものづくり」の最初から最後までを担ってきたことから企画・設計から運用までをワンストップで請け負えるほどの経験知を有している点が強みです。

 日本政府、民間企業、教育機関まで幅広いクライアントを抱えていることも特徴の一つです。

企業の特徴を理解して自社に合ったBPOベンダーを選びましょう

 BPOは単なる業務の外部委託ではなく、業務の効率化や新たな経営戦略の開拓のために用いられる手段であり、今後ますますその需要は高まっていくと予想されます。メリットの多いBPOですが、自社に合ったベンダーを選ばないとかえってコストがかかってしまう、自社で行った方が効率的だったというような事態も招きかねません。

 それぞれのベンダーの特徴や実績、コストを把握し、複数のベンダーを比較検討することで、自社の目的に合ったベンダーを見極めることができるでしょう。最後にご紹介したBPOベンダーは、どれも大手で実績があり、信頼できるものばかりですので、そちらもぜひ参考にしてください。

メルマガ登録


NTT EAST DX SOLUTION


ミライeまち.com


「ビジネスの最適解」をお届けします 無料ダウンロード資料


イベント・セミナー情報

ページトップへ

ページ上部へ戻る