2021.5.31 (Mon)

1から学ぶSDGs(第3回)

約9割の企業が参加、寄附からはじめるSDGs

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 SDGsの施策というと、「事業全体のCO2排出量を削減する」「新素材を開発する」など、大がかりで時間とコストのかかる内容をイメージしがちです。しかし、寄附というかたちなら気軽にSDGsに貢献できます。寄附の意義や企業にとってのメリット、法人向けの寄附メニューや表彰制度がある団体を紹介します。

SDGsと寄附―表彰制度や税制面での優遇措置も

 企業がSDGsに取り組む場合、従業員の教育、ステートメントやアクションプランの策定、システムの構築、関係各所との調整などさまざまなタスクをこなさなければならず、多くのマンパワーとコストがかかります。「大企業ならできるかもしれないけれど、ウチのような小さな会社には無理」と尻込みする中小企業経営者や担当者も少なくないことでしょう。

 そこで注目したいのが、「寄附」という形で実践するSDGsです。寄附なら、自社の体制を整えたり、システムを導入したりする必要はありませんし、「SDGsに結び付く活動がしたい」「社会に貢献する取り組みを行いたい」と思ったら手軽に始めることが可能です。また、一定の金額を寄附した企業を表彰する制度や、寄附企業の名称を関連施設などに掲出する制度を設けている社会貢献団体も多くあります。さまざまな団体が、企業サイトなどで表彰や寄附の事実をPRすることを認めており、社内外に向けてSDGsや社会貢献活動に寄与していることをアピールできます。

 もうひとつ見逃せないメリットが、「税制面で優遇される」という点です。「国または地方公共団体に対する寄附金」、「特定公益増進法人に対する寄附金」、「認定NPO法人等に対する寄附金」などであれば一定の金額が所得控除され、なおかつ寄附した金額の全部または一部を損金に算入することが可能です。ほかに、「企業版ふるさと納税」(地方創生応援税制)でも、最大で寄附額の約9割が軽減される税制上の優遇措置を受けられます。

 手軽に始められ、企業のイメージアップにつなげることができ、なおかつ税制面でも優遇される寄附活動。スモールステップでSDGsに関する取り組みをスタートさせるのもひとつの手と言えるでしょう。

日本赤十字社など、代表的な寄附対象団体をチェック

 法人に特化した寄附メニューや表彰制度には、いったいどんなものなのでしょうか。代表的な寄附金募集団体、特徴的な表彰制度や寄附メニューがある組織を見ていきましょう。

 2020年に創立140周年を迎えた日本赤十字社は、寄附によって、感染症拡大防止への対応やボランティアの育成など、さまざまな医療関連活動を行っています。法人の場合は、寄附の累計額が10万円以上になると「支部長感謝状」、50万円以上になると「金色有功章」(盾)が贈られ、1,000万円以上に達すると、東京都支部1階ロビーに企業名が永年掲示されるとともに国から紺綬褒章が贈られることになっています。ほかにも寄附金付きの自動販売機や募金箱を設置するなどの方法でも支援が可能です。

 病気と戦う子どもとその家族を支援する滞在施設、ドナルド・マクドナルド・ハウスでは、年間20万円以上の寄付で各ハウスのエントランスにある「感謝の樹」にネームプレートが掲出され、あわせてウェブサイトにスポンサーとして企業名が記載されます。寄附は、運営団体または全国11カ所のハウスから特定のハウスを選んで行う仕組み。例えば、会社の近くにあるハウスや、創業者の故郷などゆかりのある地域のハウスに、ピンポイントでの寄附もできるようになっています。

 ボートレースの収益金をもとに、海洋船舶関連事業の支援をはじめさまざまな社会貢献活動を行っている日本財団。こちらの寄附制度の特徴は、日本財団が実施または協力する複数のプロジェクトへの寄附ができるところです。2021年5月時点の寄附受付プロジェクトは、事情があって実の両親と暮らせなかった若者たちを支援する「日本財団夢の奨学金」、アスリートの力でソーシャルイノベーションを巻き起こす「HEROs Sportsmanship for the future」、新しい地図と日本財団が共同で行う「LOVE POCKET FUND(愛のポケット基金)」をはじめとする12プロジェクト。寄附金がどのような目的で使われるかがわかりやすく、また、自社の事業と親和性の高いプロジェクトを支援することが可能です。

寄附市場は拡大中、企業の社会的責任への貢献にも

 ほかにも、SDGs達成に向けた支援金を募っている国土緑化推進機構の「緑の募金」(50万円以上の募金で表彰、1,000万円以上で農林水産大臣より感謝状)、不要な本を送ると、事務局が換金し指定した寄附先に送ってくれる「charibon(チャリボン)」など、さまざまな団体・組織が寄附を募っています。まずはどのようなプロジェクトがあるのかしっかり調査して、自社のイメージや事業に合った寄附先を選ぶとよいでしょう。

 経団連が2019年に発表した調査によると、アンケート回答企業のうち約9割が寄附という形での社会貢献活動を行っています。また、『寄付白書』では、日本における寄附金の総額が2009~2016年の7年間で約1.5倍に増えたことも明かされています。新型コロナやSDGsの浸透などによって、寄附への注目がますます高まっています。企業の社会的責任を果たす意味でも、参加する意義が大いにあるのではないでしょうか。

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