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2017.08.23 (Wed)

仕事力を落とさない!中高年のためのヘルスケア(第3回)

危険な病気を招く高血圧には5大生活習慣の見直しを!

posted by 村上 哲也

 第2回で紹介した血中の中性脂肪値が高くなる「脂質異常症」と同様に、自覚がないまま危険な病気を引き起こす原因となる症状として「高血圧」があります。血圧とは、心臓から全身へ血液を循環させる圧力のことです。血圧が高すぎると動脈硬化が進み脳梗塞や心臓病などのリスクが高まると、国立循環器病研究センターでは注意を促しています。

 高血圧の原因はさまざまですが、食事などの生活習慣は原因の1つです。同研究センターでは投薬による治療だけではなく、生活習慣を見直すことの重要性も紹介しています。また症状を自覚できないため、予防には正しい知識が必要とも述べています。今回は高血圧を予防する上で、気をつけるべきポイントを紹介します。

血管の老化は意外と早くから始まる

 高血圧の定義は、最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、最小血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上とされていています。最高血圧は、心臓が血液を送り出すために収縮した状態の血圧です。最小血圧は、全身から戻った血液が心臓にたまり、心臓が膨張している状態の血圧になります。

 高血圧は、血管に内側から強い圧力で負担をかけている状態です。そのため血管が老朽化した状態の「動脈硬化」が促進され、血流を滞らせる血栓や、血管が破れるといったことを招きます。血管が多くある臓器ほど影響が大きく、たとえば脳、腎臓、目の網膜などに加え、血液を循環させている心臓などが影響を受けやすい臓器になります。これらの臓器は高血圧なら脳梗塞、腎不全、眼底出血、心不全などのリスクを背負っていることになるのです。

 また、血管の老朽化は30歳代から始まる人もいますので、国立循環器病研究センターは中高年になったら血圧測定や生活習慣の見直しをすすめています。

高血圧を招く原因は生活習慣に

 高血圧には2種類あり、「本態性高血圧症」と「二次性高血圧症」に分類されます。本態性高血圧症は、遺伝子的な因子や、生活習慣などの環境因子が関与しているものです。二次性高血圧症は、他の病気や、妊娠などの原因によって高血圧になっている場合です。日本成人病予防協会は、高血圧と診断される人の90%以上が本態性高血圧と発表しています。

 生活習慣による本態性高血圧の原因となるものは主に5つあります。

 1つめの原因は「食塩の取り過ぎ」です。食塩を取り過ぎると血中にナトリウムが増加するため、水分を増やしてナトリウム濃度を調節しようとします。水分が増えると、身体へ循環する血液の量が増えるので、心臓は血圧をあげようとします。

 2つ目は「肥満」です。体重に比例して、心臓で循環する血液の量は増えるため、肥満は心臓に負担をかけることになります。また内臓脂肪型肥満は血圧を上昇させる分泌物が増えるという報告もあるほどです。

 3つ目の原因は「ストレス」です。ストレスを繰り返し受けると、交感神経の緊張状態が続くので血管は収縮し、血圧は高い状態を持続するようになります。

 4つ目の原因は「飲酒」です。過度の場合は血圧を上昇させます。

 5つ目の原因は「喫煙の習慣」です。タバコの煙に含まれている「ニコチン」や「一酸化炭素」が血圧を上げます。さらにニコチンが副腎を刺激することで血圧を上げるホルモンが分泌されるだけでなく、交感神経も興奮させるために血圧が上がります。

食生活への配慮と運動の習慣化で血管をケアする

 この5つの原因に対して東京都病院経営本部では、食塩の摂取量を1日6g未満、野菜・果物の積極摂取、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控え、魚(魚油)の積極摂取、節酒(エタノールで男性は1日に20~30ml以下、女性は10~20ml以下)、禁煙に加え、有酸素運動を中心とした運動をすすめています。

 ただし食事に関しては、重篤な腎障害がある場合における野菜・果物の積極摂取、また肥満者や糖尿病などのエネルギー制限が必要な場合における糖分の多い果物の摂取は推奨していません。

 運動はウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳、エアロビクスなどの有酸素運動をすすめています。可能ならば1日30分程度行うことが理想とされていますが、心血管病のない場合のみ可能です。

 血管は加齢によって変化が生じる部位です。高血圧なら変化は促進されてしまいます。そうなる前に、生活習慣を整えて血管のケアを心がけましょう。高血圧対策は、現代のビジネスパーソンにとって健康を維持する上で重要なポイントの1つです。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2017年8月11日)のものです。

【参考資料】
厚生労働省『第5次循環器疾患基礎調査(2002年)』
http://www.jhf.or.jp/a&s_info/guideline/post_3.html
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/blood/pamph21.html
http://www.japa.org/seikatsusyuukannbyou/kouketuatu/kouketuatu.html#02
東京都病院経営本部. “食事療法のすすめ方 高血圧の食事”(参照2017-05-16)

村上 哲也

村上 哲也

コンサルタント兼ライター。ゼロベースでのコンサルタントには定評があり、担当する顧客とは「戦略」から始め「戦術」まで実行させる本格派。2013年より本業の合間にライター業務も行っており、コンサルタント関係に留まらない幅広い記事の記載を行っている。
http://midorinooka2014.wix.com/business-consulta-jp

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