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2017.02.16 (Thu)

(第14回)

クレームは対応次第でチャンスになる

posted by 松木 陽平/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

 業務上のミスやトラブルを起因としたクレームを、完全に回避することは難しいことです。クレームには誠実に対応し、顧客から信頼と評価を取り戻すチャンスと捉えて対応することが望まれます。

 今回はクレームを伝えてくる顧客の心理を考え、信頼と評価を取り戻すべきポイントを解説します。

顧客からのクレームは「指導」や「教育」と同じ

 クレームは、起こしてはならないネガティブなものと捉えられがちです。確かにクレーム対応を喜んで買って出るという人はあまりいませんが、見方を変えればチャンスと捉えることもできます。

 たとえば、商品やサービスに何か問題が起きたり不満を感じたりした時、すべての顧客がクレームを伝えてくるわけではありません。不満を抱えていても、「次からは別のところで買おう」と、黙って立ち去っていく人もいます。この場合、企業は、商品やサービスに問題点を抱えたままで、改善するチャンスが与えられなかったということになります。

 一方で、ちょっとした商品の扱い方、接客時の挨拶の仕方や言葉遣いなど、小さな不満や問題点でもこちらに伝えてくる顧客がいます。一見すると少し厄介にも思えますが、顧客の不満がストレス発散目当てのものでないのならば、その顧客が行っていることは「指導」や「教育」と同じことです。

 企業側に改善を求めるクレームには、「これからも関係性を持ちたい」という気持ちが隠れています。縁を切るつもりならば、改善を要求することはないでしょう。

 クレーム発生時には、自分たちでは目が行き届かずに気づけなかった問題点を改善できる点と、“お得意様”を作れるという点で、二重の機会が巡ってきているのです。

条件反射の謝罪は問題を悪化させる

 しかし、間違ったクレーム対応をしてしまうと、お得意様を作るどころか、問題をより大きくしてしまう恐れもあります。

 クレームを「お得意様を作るチャンス」として活かすには、気をつけるべきふたつのポイントがあります。そのひとつ目が、「相手の話を聞く」ということです。

 クレームが入ると条件反射のように、とにかく謝らなければと思ってしまう人もいるかもしれません。ですが、これは適切なクレーム対応ではありません。相手の話を聞く前から平謝りをしてしまうのは、相手を無視しているのと同じです。

 相手が「どんな状況から」、「なぜクレームを入れるに至ったか」を聞き、問題点や不満の原因を理解し、そこで初めて本当の意味でクレームに対し“謝る”ことができます。まずは、なぜ顧客がクレームを言うのか、その原因を自分たちが理解することが重要です。

求められるのは「理解」と「スピード」

 クレームをチャンスとして活かすためのふたつ目のポイントは「スピード」です。スピードこそが、“誠意”を示す大きな要素となります。

 商品に欠陥があった際には、代わりの商品を送るなど具体的なトラブルへの対処をなるべく早く行うことが重要です。もし、何か具体策が取れずにいても「迅速な対応が取れずに、誠に申し訳ない気持ちで一杯です」ということを相手に伝えることで、誠意を示しましょう。クレームに真摯に対応しているという誠意を見せることで、相手の怒りが収まり、問題が大きくならずに済むケースがあります。

 クレームを受けた際には、相手から「なぜこんな問題が起きたのか」、「いつから問題があったのか」、「誰の責任なのか」など、多くの質問をぶつけられることもあります。こうした質問の中には、回答するための調査に時間をかけなければ、判明しないこともあります。ただし、理由を説明するまでに時間をかけ過ぎると、誠意が伝わりません。顧客が回答を早く知りたがっているのであれば、社内のリソースの多くを原因追求に充てるなど、早急な対応が求められます。

 顧客が言わんとしている不満・問題への「理解」と、早急に対応する「スピード」、この大きなふたつのポイントを踏まえることで、クレームを “信頼を取り戻す”チャンスに変える可能性が高まります。クレームは、商品・サービスだけではなく、企業自体を改善できるチャンスなのです。

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松木 陽平/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

広告代理店にて、大小問わずさまざまな企業のイベント制作・プロモーションなどに携わってきた経験を持つ。現在はフリーライターとして、企業の広告代理店にて、大小問わずさまざまな企業のイベント制作・プロモーションなどに携わってきた経験を持つ。現在はフリーライターとして、企業の採用などに関する制作・ライティングを中心に、健康管理からカルチャー関連まで幅広い記事を手掛ける。採用などに関する制作・ライティングを中心に、健康管理からカルチャー関連まで幅広い記事を手掛ける。

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