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2017.01.10 (Tue)

(第10回)

人気ドラマ「逃げ恥」に学ぶ部下のやる気を引き出す方法

posted by Biz Drive編集部

 2016年秋に放送された『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)が、この冬人気となりました。『逃げ恥』の略称で親しまれ、最高視聴率20.8%を記録したヒットドラマです。ドラマを見ていなくても、タイトルくらいは耳にしたという方も多いでしょう。

 ストーリーは、求職中の主人公森山みくり(新垣結衣)が、「プロの独身」津崎平匡(星野源)の元で家事代行として働くことから始まります。あることをきっかけに家事代行の仕事も失いそうになったみくりは、津崎に「就職としての結婚」を提案。2人は “契約結婚”という奇妙な関係になりますが、そのことで周囲の人間を振り回すことに……。

 この「契約結婚」という設定は、いささか現実離れしているかもしれません。しかし、「上司と部下」という角度から見てみると、津崎のみくりに対する振る舞いは、部下からすれば“理想の上司”のようにも受け取れます。

 今回は、上司としての津崎の言動を分析し、どのようにすれば部下(みくり)のやる気と信頼を手に入れることができるのか、その方法を紹介します。

指示は常に明確で合理的であるべし

 本作で一貫しているのが、津崎がみくりに対して行う指示が具体的な点です。

 津崎は非常に合理的な人間です。みくりの家事能力をテストする場面でも、家事に対する指示も細かく的確に行い、曖昧な言い方は一切ありません。サービスへの支払いは前払いとし、「気に入らなければ、それきりで(契約は終わり)」とはっきりと伝えています。それに対してみくりは「すばらしいです、合理的で!」と感動します。

 上司に立つ側としては、忙しさなどの理由から、つい曖昧で非合理的な指示をしてしまうことが多いものです。たとえば、業務の意義は伝えず、「慣例だから」と仕事を与えたり、求めるレベルや期限を明確にしないまま、「できる範囲で」「手が空いたら」などと曖昧な業務指示を出すことをしてしまいがちです。

 もしかすると、相手を思いやってそのような指示を出しているケースもあるかもしれませんが、その結果、上司と部下の間で受け取り方の違いが生まれ、仕事のやり直しが発生してしまうことはよくあることです。そうなってしまえば、部下は「最初からはっきり言ってくれ」、上司は「なんでちょうど良い具合にやってくれないんだ」と、お互いにフラストレーションを感じることになります。

突拍子もないアイディアも一旦受け止めるべし

 津崎は前述の通り合理的な人間です。そのため、斬新なアイディアも、合理的と判断すれば素直に受け入れる懐の深さがあります。

 本作のキーとなる「契約結婚」という設定は、冒頭で述べた通りみくりの提案によるものですが、最初は言い出した本人も、その無謀さにあわてて「冗談です!」と発言を取り消します。しかし津崎はその話を受け入れ、籍は入れずに事実婚とすることでハードルを下げ、「契約結婚」を実現させます。

 劇中ではこの他にも、みくりが突然語り出すビジネスモデルに津崎が感心するシーンが描かれています。津崎は、それまで自分の「妄想」を突拍子のないものとして片づけていた彼女に、小さな自信を与え、信頼関係を築いていくのです。このように、部下の提案がどんなものでもひとまず受け入れるという姿勢は、相手の信頼とやる気を引き出す大きなポイントになります。

部下が「気付いてほしいところ」を褒めるべし

 職場でも有能なシステムエンジニアとして活躍する津崎は、一見、情に薄い冷たい人間のようにも見えますが、そんなことはありません。相手の長所を的確に見抜き、相手にそれを伝えるという素直な一面を持っています。みくりは何よりも彼のその「褒める」技に心を動かされ、彼のもとで「妻」として働きたいと就職を希望します。部下にとって、きちんと褒められるということは、それだけ重要なことと言えるでしょう。

 津崎がみくりを最初に褒めたのは、彼女が網戸の掃除をしたことに対してでした。気づきにくい細かな変化に気がつき、タイミングを逃さずにその働きを褒めるという行為は、相手をきちんと見ていないとできないことです。部下を褒めることには彼らのやる気を引き出す効果はもちろん、上司が自分を見ていてくれるという安心感を与えることでもあるのです。

 また、彼はみくりの突拍子もない「妄想」を「発想力が豊か」と褒めています。一見短所とも思えるようなことでも、肯定的に捉えることによって、相手の自己肯定感を高めてあげることができるのです。

 このように「褒める」を効果的に取り入れる上司の元であれば、部下はやる気を出し、実力を発揮することができるはずです。

 このドラマのヒットの理由には、魅力的な登場人物や、テンポのよい脚本など、さまざまな要因が考えられますが、みくりが“雇用主”としての津崎に信頼を寄せていく過程に共感が集まったことも、1つのポイントといえるでしょう。もし部下との関係に悩んでいるのであれば、解決のヒントになるかもしれません。

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