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2020.03.17 (Tue)

まさかのために備える知識(第23回)

新型コロナウイルス対策―今こそ考えたいテレワーク

posted by 株式会社Playce(プレイス)

 新型コロナウイルス感染症対策として、企業や自治体などではテレワーク(在宅勤務)を導入する動きが加速しています。緊急事態でも業務へのダメージを最小限に押さえ、事業を継続するために必要なことは? 今回は、企業がテレワークを導入するためのポイントを紹介します。

BCPの観点からテレワークの必要性が高まっている

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎ、感染の流行を早期に終息させるため、国からはさまざまな呼びかけが行われています。今のところウイルスの感染経路は、飛沫感染と接触感染が考えられることから、国は企業に対して、風邪などの症状が見られる社員への休暇取得の勧奨、テレワークや時差出勤の推進を求めています。

 テレワークとは、ICTを活用した時間や場所に捉われない柔軟な働き方のことです。働く場所により、自宅で業務を行う「在宅勤務」、顧客先や移動中にパソコンなどを使う「モバイルワーク」、通常の勤務先以外のオフィススペースを利用する「サテライトオフィス勤務」の3つに大きく分かれます。今回は、可能な限り人との接触を避けるため、在宅勤務を推進する企業が多いようです。

 これまでテレワークは、通勤時間の削減や隙間時間の活用につながり仕事の効率がアップする“業務効率化の観点”や、多様な働き方ができる企業への求職者を取り込める“人材雇用の観点”を中心にメリットが語られてきました。

 しかし、今回の新型ウイルス感染症対策では、社員の安全を守るのはもちろんのこと、緊急事態でも事業を継続させる“BCPの観点”でテレワークが注目されています。

 BCP(Business Continuity Plan・事業継続計画)とは、災害や大事故などのリスクが発生した場合でも事業活動が中断しないよう、あらかじめ対策を考えておくことです。今回の感染症拡大以外にも、近年は大型台風や地震などによる大規模災害が増加しており、予期せぬ事態から社員と会社を守るために、テレワーク導入を検討する企業が増えています。

テレワーク導入時、ICT環境整備のポイントは?

 企業がテレワークを導入するためには、社内のICT環境を整えることが必要です。データ処理はすべてサーバに任せ、端末側には最小限の機能だけを持たせる「シンクライアント」、離れた場所にあるネットワークやパソコンにアクセスできる「リモートアクセス」、さらに「クラウド活用」の3点は、必須といえる機能です。これらの機能をベースに、“セキュリティ強化”と“コミュニケーションの円滑化”を考えましょう。

 テレワークを行うとパソコンなどのデバイスを社外に持ち出すことが増えるので、セキュリティ強化は欠かせません。盗難や紛失などに備え、デバイスには重要情報を残さず、データはクラウド上で管理をするとよいでしょう。盗難・紛失時はシステム管理者が速やかにアカウントをロックすることで、情報漏えいのリスクを最小限に抑えられます。

 また、フリーWi-Fiのような公衆のネットワークで情報をやり取りすると盗み見や改ざんなどのリスクが高まります。この対策としては、VPN(Virtual Private Network)が有効です。VPNとは、インターネット上に仮想の専用線を設けること。VPNを使って通信内容を暗号化して情報をやり取りすることで、公衆のネットワーク利用時のリスクを減らせます。

 セキュリティ強化と並び、コミュニケーションを円滑に行える環境づくりは、テレワークの大きな課題です。オフィスに出社しない社員が増えると、社員同士のコミュニケーションは少なくなりがちに。これを防ぐためには、グループウェアを活用するとよいでしょう。

 グループウェアとは、情報共有やコミュニケーションを円滑に行うためのソフトウェアやサービスなどの総称。グループウェアには、ファイル共有・文書管理、スケジュール・タスク管理、チャット、ウェブ会議、ビデオ通話などの機能が用意されています。社員のスケジュール管理、情報共有、打ち合わせなどさまざまなワークフローを集約させられるので、活用する企業が増えています。

 コミュニケーションの円滑化という点では、「スマートフォンの内線化」も考えたいところです。テレワークが導入されると、社内に人が少なくなります。テレワークを行っている社員宛にかかってきた外線電話を、そのまま内線として社員のスマートフォンにつなげられたり、代表番号の発着信を社外にいても行えるのが理想です。

 スマートフォンを内線化するためには、「クラウドPBX」という方法があります。PBX(Private Branch eXchange)とは、外線の接続を管理・制御したり、内線同士を無料でつなげたりする電話交換機のこと。クラウドPBXを使えば、インターネット上に電話交換システムを構築することが可能で、拠点間通話を内線化させることもできます。これによって、ビジネスチャンスの損失を防げるほか、通話コストや電話転送の手間の軽減も期待できるでしょう。

 このほか、テレワークを導入すると、紙のタイムカードでの勤怠管理が難しくなります。その際に役立つのが、スマートフォンやパソコンで打刻できるクラウド型の勤怠管理システムです。導入によって労働時間の集計作業も楽になり、給与ソフトへの入力もCSVで対応できるなど、業務効率化につながります。

 勤怠管理については、2020年4月から働き方改革関連法案が中小企業にも適用されることも意識しましょう。時間外労働の上限は月45時間・年360時間が原則で、違反した場合には罰則が設けられています。企業は今まで以上に厳格な勤怠管理を求められるため、早めにシステムを見直したいところです。

助成金なども活用しながらICT環境整備を!

社内のICT環境整備をする場合、コストが気になるところですが、テレワーク導入を支援するために、国が設けている助成金制度を利用するのも一つの方法です。

 厚生労働省は、3月3日、「新型コロナウイルス感染症に係る時間外労働等改善助成金」の特例コースを設け、速やかに申請受付を始めることを発表しました。

 これは、新型コロナウイルス感染症対策として、新たにテレワークを導入したり、労働者の特別休暇の規定を整備した中小企業事業主が対象。テレワークの特例コースでは、テレワーク用通信機器の導入・運用や、就業規則・労使協定などの作成・変更などの取り組みが助成対象となります。事業実施期間(2020年2月17日~2020年5月31日)中にテレワークを実施した労働者が一人以上いることが要件で、1企業当たりの上限額は100万円となっています。

 テレワークはBCPの観点に加え、働き方改革が進む企業において、考えておくべき大事な要素です。業務効率化はもちろん、テレワークが社員のプライベート時間確保につながり、リフレッシュして仕事に取り組んでもらえるメリットもあります。また、確保できたプライベートの時間を使い、社員には自由に自己研鑽に励んでもらい、向上したスキルを業務に活用するといった好例も生まれそうです。自社に適したICTソリューションで、テレワーク体制の構築を考えてみましょう。

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