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まさかのために備える知識(第16回)

なぜ一流の社会人は「海外旅行保険」に加入するのか

posted by 風間 梢

 ビジネスがグローバル化するにつれて、さまざまな業種で海外出張の機会が増えています。「ほんの数日だから」「慣れた渡航先だから」「クレジットカードの付帯保険があるから」などという考えから、病気やケガでの治療・救援費用をサポートしてくれる海外旅行保険に加入しない人も多いと聞きます。しかし、それは非常に危険です。

 諸外国の医療費は、国民皆保険制度がある日本と比べると非常に高額なのが実情。ちょっとしたケガや病気で数十万円から数百万円、手術や入院となれば数千万円単位の請求を受ける可能性があります。ここでは、そのような高額な医療費を保証してくれる海外旅行保険のメリットと、選ぶときのポイントを紹介します。

海外では5,000万円!請求されるケースも

 海外旅行中にケガや病気をすると、諸外国には日本のような国民皆保険制度がほとんどないので、医療費が高額になる場合があります。また病院で治療や入院となれば、事務や支払いの手続きがあります。語学力はもちろん医療の現地事情に明るくないと、大きな負担になるでしょう。さらに、多くの場合は現金支払いです。

 さらに脳卒中や交通事故などにより日常生活に支障をきたすようなダメージを負ってしまった場合は、介護のために日本から家族を呼び寄せる、もしくは帰国まで付き添いの医療スタッフを手配するといった救援費用も生じます。帰りの飛行機もビジネスクラスや医療専用機が必要となり、そこでも高額な救援費用が必要です。

 保険会社のAIUが紹介している事例によると、フランスの道でつまずいて転倒し、大腿骨を骨折。看護師と共にビジネスクラスで帰国した費用が約993万円になったとのことです。また、アメリカ滞在中に急性心筋梗塞で倒れ、現地で二度の手術を受けて約40日間の入院。医療専用機で帰国となった際の費用は約5,105万円と、短期出張の費用と比較すると桁の違う金額となっています。

クレジットカードの付帯保険では不十分?

 海外の医療費はクレジットカードの付帯保険で充分という考え方もありますが、治療・救援費用などの補償限度額が海外旅行保険と比べると低いものがほとんどです。

 たとえば三井住友VISAカードのゴールド・プライムゴールドでは、傷害・疾病治療費の補償限度額はそれぞれ300万円までです。対してAIU海外旅行保険、東京海上日動、損保ジャパン日本興亜などの海外旅行保険には、傷害・疾病治療費の補償限度額が無制限というものが商品ラインナップにあります。

 またクレジットカードの付帯保険には、カードで交通費やツアー代といった旅行代金を支払っていないと、保険適用外となる場合があります。やはりクレジットカードの付帯保険では、充分な保証を望むことは難しいかもしれません。

どう選べばいい? 海外旅行保険の見極め方

 海外旅行保険を医療費の面から選ぶときには、補償してくれる病気・ケガ・トラブルの種類や、支払われる保険金の限度額はもちろん、どういった場合に支払われるのか、逆にどういった場合に支払ってもらえないのか、といった点をよくチェックしましょう。

 たとえば持病の補償です。出発前からかかっていた心臓病や糖尿病などが悪化した場合は、補償の対象外としている海外旅行保険が少なくありません。

 次にチェックするのは付帯サービスです。日本語の分かるスタッフによるサポートサービスや、病院への支払いなどがあげられます。

 日本語スタッフによるサポートサービスとして、24時間対応、病院の紹介・予約、電話による医療通訳サービスに加えて、家族などの救援者への渡航手配や、医療先進国への緊急移送手配、退院後の帰国手配なども含まれていると安心です。

 次に病院への支払いは、全額補償してくれる海外旅行保険でもいったんは自費で支払って、保険金を申請するという流れです。そんな中、AIUや損保ジャパン日本興亜などでは、提携している病院などの条件がありますが、自費支払いせずに治療を受けられるサービスがあります。

海外旅行保険以外の救済措置「海外療養費」

 もしも海外旅行保険をかけ忘れて医療費を請求された場合でも、国内に救済制度があります。健康保険の加入者が受けられる「海外療養費」という制度を利用しましょう。

 診療明細書と領収書などを添えて、加入している健康保険組合に申請すると一定額を払い戻してくれます。国民健康保険に加入している場合は、役所が申請先になります。

 支給される額は、「日本国内で保険診療として認められている治療、および薬品の範囲内で、支払い総額から自己負担分を差し引いた額」です。ただし過去に不正請求が多発し、審査が厳しくなりました。そのため、支給までに半年程度かかる場合もあるそうです。

 海外という不慣れな環境や飛行機による移動によって、病気や事故の可能性は日常よりも高くなっています。行き慣れた国に短期間滞在する場合でも、用心だけでは防ぎきれないこともあります。自分自身の渡航だけではなく一流のビジネスパーソンなら、部下への配慮も含めて海外旅行保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2017年10月20日)のものです。

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風間 梢

風間 梢

フリーライター。企画、人事、ECサイト運営等を担当したのちに独立。現在は就職、流通、IT、観光関連のコラムやニュース等を執筆している。

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