2020.12.1 (Tue)

ICTで業務を効率化(第26回)

仮想オフィスの導入で、むだなチャットを25%削減!

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 テレワークの課題といえば、コミュニケーションです。従業員がそれぞれの空間で業務を行うため、顔を合わせて気軽に話す機会が減ってしまうなど、従業員同士のコミュニケーション不足を課題とする声をよく耳にします。課題を棚上げしたままでいると、従業員が孤独に苛まれて生産性が落ちたり、情報共有に抜け漏れが生じミスにつながることも。コミュニケーション不足の解決策として注目されているのが、仮想オフィスです。ここでは、仮想オフィスのメリットや代表的な仮想オフィスサービス、事例などを紹介します。

仮想オフィスの導入でムダなテキストチャットが25%減少!

 「仮想オフィス」とは、クラウド上に構築されたオフィス空間のことです(※)。執務スペース、会議室、休憩所などの部屋が複数配置されていて、従業員はクラウド上のオフィスに“出社”(つまりログイン)して業務を行います。

 仮想オフィスは、どこに誰がいるか、誰と会議をしているかといったことや、「離席中」「休憩中」など全従業員の状態が簡単に見えるところが特長です。テキストやビデオによるチャット機能、資料の共有機能などが備わっているほか、ワンクリックで会議を開始することが可能。勤怠管理機能や、各種カレンダーアプリとの連携機能、社外の顧客を招待する機能を備えたサービスもあります。

 仮想オフィスの最大のメリットは、コミュニケーションが円滑になるというところです。各従業員のステータスや予定がわかるため、「いまなら話しかけても大丈夫」「このあと会議があるようだから、1時間後に声をかけよう」など、相手の状況を考慮して適時適切に声がけができます。
※法人登記ができる住所や電話番号などを貸すサービスを指す場合もあります

代表的なサービス「Remo」「Sococo」「Remotty」の特徴

 では、実際にどんな仮想オフィスサービスがあるのでしょうか。代表的なものは「Remo」「Sococo」「Remotty」の3つです。それぞれの特徴を見ていきましょう。

Remo
 ウェブ会議ツールとしても評価が高い、海外製の仮想オフィスサービスです。ウェブ会議機能やステータス表示機能といった基本機能のほかに、チャットの一斉送信機能、ホワイトボード機能、バーチャル背景機能などの独自機能も備えており、テレワークに必要なコミュニケーションはほぼすべてカバーできます。利用料金は、一人あたり2時間の音声またはビデオ通話で月額20$~となっています。

Sococo
 リアルオフィスのような設計が特徴の仮想オフィスサービスです。30種類以上のオフィスレイアウトから自社に馴染むレイアウトを選べます。アバターが移動するとドアが開閉するなど、“動き”を感じさせるデザインになっているところもポイント。料金は一人につき月額2,500円で、マイク、ビデオ、画面共有の利用は1ユーザーあたり500分/月という上限が設けられています。

Remotty
 従業員全員がリモートワークをしている株式会社ソニックガーデンが提供する仮想オフィスサービス。RemoやSococoのような“オフィスのビジュアル”ではなく、PCの画面上にログインしている従業員の画像が並ぶようなデザインになっています。画像は2分ごとに自動で撮影され更新される仕組み。また、オープンチャットを採用し、全員のつぶやきや雑談が共有されるようになっているところも特徴です。料金は10人まで月20,000円~となっています。

 他に、株式会社日立ソリューションズが提供する「Walkabout Workplace(ウォークアバウト ワークプレイス)」や、ゲームライクなビジュアルが目を引く「Synergy Global 4U」など、仮想オフィスサービスは続々と登場しています。

多くの導入企業が、「テレワークがしやすくなった」と実感している

 実際に仮想オフィスを導入し、その効果を実感しているという企業の例を見ていきましょう。

 株式会社アジャイルウェアはブログ上で、「Remoを導入し、テキストチャットの量が導入前に比べて約25%減った」と報告しました。また、仮想オフィス上の大部屋に任意で集合しラジオ体操を行うという新たな動きも生まれたと言います。人が集まる様子が見えて参加しやすいというメリットがあり、その後も継続して自由参加のラジオ体操が実施されています。

 株式会社ファーストトレードは、本社スタッフと遠隔地に住むリモートワーカーの一体感を高める目的で2019年春にRemottyを導入しました。以前から出勤スタッフを含む全従業員がRemottyにログインしてから業務を始めていたため、例えば、子どもが熱を出して急に在宅勤務をしなければならなくなった従業員が出た場合などでも、問題なく業務を遂行できているそうです。

 Walkabout Workplaceを提供している株式会社日立ソリューションズは、自社内でも同ツールを活用しています。実際に使ってみて、雑談による不安感や孤独感の解消効果を実感しており、仮想オフィスの可能性を感じています。2020年8月に日本での提供を開始したばかりですが、9月の時点で、100件を超える問い合わせがあったと言います。

 仮想オフィスでちょっとした相談や雑談で、コミュニケーション不足の解消や、一体感の醸成ができれば、むだムダなテキストチャットが減るだけでなく、会議の時間が短縮できる、新人の教育をしっかり行えるなどの効果も期待できます。今後もテレワークを継続していく企業にとって、検討の価値があるソリューションではないでしょうか。

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