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2021.06.03 (Thu)

社員のモチベーションを高めるヒント(第32回)

覚えておきたい職場ハラスメントの現状と対策

 増え続けるハラスメント。セクハラやモラハラ、パワハラだけでなく、最近ではジタハラ(時短ハラスメント)、テクハラ(テクノロジーハラスメント)といったものまで登場しています。そもそもハラスメントとはなにか、ハラスメントに関する法律や処罰、最近話題になっている職場のハラスメントとは? ハラスメントの基本について解説します。

善意や好意でしたことが「ハラスメント」になることも

 ハラスメントとは、さまざまな場面での嫌がらせやいじめのこと。他者に対する発言や行為によって、不快にさせたり、傷つけたり、不利益や恐怖を与えたりすることを指しています。嫌がらせ発言やいじめ行為をした本人の意図は関係なく、例え善意や好意からの行動であっても、「常識的な範囲を越えていて」、「相手が『不快だ』と感じ」、「相手に不利益が及んだら」、それはハラスメントだと判断されます。ですから、常に他者に対して思いやりと配慮をもって行動することが欠かせません。多様な価値観を受け入れ、他者を尊重することが、最大のハラスメント防止策になるのです。

企業へのペナルティも、ハラスメントの罰則とは

 それでもハラスメントをしてしまった、人を傷つける発言をして訴えられたという場合、どのような処罰を受けることになるのでしょうか。実はハラスメントについて、法律による明確な罰則規定はありません。2020年6月に、職場でもっとも多いとされるパワハラ(パワーハラスメント)に焦点を絞った「パワハラ防止法(労働施策総合推進法)」がスタートし注目を集めましたが、こちらにも、罰則規定は記載されていないのです。ただし、所属している企業が厚生労働大臣による指導や勧告の対象となることや、指導に従わない場合はその旨が公表される可能性があります。また、企業が報告を求められたのに報告をしなかったときや、虚偽の報告をしたときは20万円以下の科料に処されることもあります。

 罰則がないとはいえ、甚大な影響を及ぼすハラスメント。なにより、相手に深い傷を与え、職場の雰囲気が悪くなり、生産性も低下してしまいます。ハラスメントは、ビジネスパーソンにとっても、企業にとっても、責任を持って防止しなければならないインシデントだと言えるのです。

職場で問題になりがちなハラスメントについてチェック

 続いて、職場において気をつけたいハラスメントを確認しましょう。問題になりがちなものから、新しく出てきた概念まで、特に注意が必要なものをピックアップして解説します。

パワハラ(パワーハラスメント)

 パワハラとは、組織内の優越的な立場を利用して、業務上適正な範囲を越えて、労働者の就業環境を害するような行為を行うことを言います。職場でよく起こるハラスメントのひとつであり、なおかつ「パワハラ防止法」という法律も制定されているので、十分注意しなければなりません。ではどのように注意すればよいのでしょうか。ポイントは、「指導は相手の成長を促すためのもの」で、パワハラは「主に相手を見下す、排除する、操るためのもの」であるところ。行動ではなく人格を否定したり、相手に恐怖を与えるレベルで大声を出したり、威圧的な態度で問い詰めるなどするとパワハラに該当します。一方、冷静な態度で、業務についての改善を促したり、あくまで「業務上の行動」について誤りを指摘することはパワハラに当たりません。感情的にならず、行動に着目するように心掛け、なぜ改善が必要なのかを丁寧に説明する。こうした誠実なマネジメントが、パワハラを遠ざけます。

セクハラ(セクシャルハラスメント)

 セクハラとは、性的な嫌がらせのこと。男性が女性に対して行うイメージが強いですが、近年は女性から女性、男性から男性といった、同性間のセクハラも増えています。また、女性から男性へのセクハラも少なくありません。「女性同士だから」「相手が男性だから大丈夫」などと考えずに、まずは性別に関係なく、職場で業務と関係のない性的な話をしたり、労働者の平均的な感覚に照らし合わせて非常識かつ不要な接触行動を取るようなことはやめましょう。

ジタハラ(時短ハラスメント)

 働き方改革によって登場した、新しいハラスメントです。常識的に考えて時間内には到底終わらない量の業務を与えておきながら「残業してはいけない」「定時で帰りなさい」と強制することなどを言います。企業努力や具体的改善策がない状態で労働者に丸投げすることのないよう、マネジメントサイドが十分に配慮し、適切な施策を行なうことを徹底しましょう。

テクハラ(テクノロジーハラスメント)

 パソコンやスマートフォンなどのテクノロジーに対する知識不足を理由に、嫌がらせを行うことを指します。「こんなことも知らないのか」とバカにしたり、専門用語を多用して指示を出すことなどが当たります。以前は上司から部下に対して行われることか多く、パワハラの一種としてとらえられていましたが、近年は、デジタルネイティブの部下から上司、部下同士など、年次に関係なく起こっています。

ハラスメントは、相手を尊重し、丁寧に接することで防止できる

 ほかにも、パタハラ(パタニティハラスメント/育休を取得する男性に対する嫌がらせ)やケアハラ(ケアハラスメント/家族などを介護する人への嫌がらせ)など、近年、数々のハラスメントが登場しています。これだけあると「あれもこれもハラスメントのように感じて気疲れしてしまう」と感じるかもしれませんが、どのハラスメントも、基本的には「多様な価値観を受け入れ、相手を尊重する」こと、冷静かつていねいにコミュニケーションをすることで防げます。

 まずは自分の発言や行動を振り返って、「ハラスメント的な行為をしていなかったか」を確認し、自覚や注意をするところから始め、すべての人が気持ちよく働ける職場環境をつくっていきましょう。

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