社員のモチベーションを高めるヒント(第30回)

73.3%が「難しい」と回答、テレワークの人事評価

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 冬や年度末に向けた賞与査定を行う際、テレワーク環境下で人事考課を行わなければならず、評価に頭を悩ませる管理職も多いことでしょう。そこで知っておきたいのが、テレワーク環境下で適切に人事評価を行うためのノウハウです。注目されている評価手法や、いますぐ実践できるちょっとした工夫、便利なツールなどを紹介します。

73.3%の管理職が「難しい」と回答する、テレワーク環境での人事評価

 人事評価システムを開発する株式会社あしたのチームが実施した調査によると、73.3%の管理職が、テレワークでの人事評価について「難しい」と感じていることがわかりました。理由の第1位は「勤務態度が見えないから」(72.6%)。2位は「成果につながる行動(アクション数、内容等)を細かく把握しづらいから」(67.1%)、3位は「勤務時間を正確に把握しづらいから」(45.2%)となっており、「従業員が見えないこと」が適切な評価の妨げとなっていることがうかがえます。

 そこで採用を検討したいのが、見えない従業員を評価するための人事評価手法です。既に一部の企業では、仕事ぶりを評価するのではなく、仕事の結果を評価する成果主義的なシステムに切り替えたり、上司だけでなく同僚や社内外の関係者が幅広く評価を行う360度評価を採用したりするなど、テレワーク時代に即したさまざまな方法への転換が行われています。また外資系企業を中心に採り入れられているノーレイティング(期末にランク付けを行うのではなく、日常的に目標設定とフィードバックを繰り返し、その都度評価を行う仕組み)も、テレワークと相性のよい評価手法だと言われています。

 出勤前提の人事評価システムをそのまま運用していたのでは、正しい評価には至りにくくなります。曖昧な評価や不適切な判断が重なると、従業員が不信感を募らせる可能性も。テレワークが定着してきたいまだからこそ、人事評価制度の見直しを検討しましょう。テレワークを想定した指標や工夫を加え、公平公正かつ従業員の成長につながるような人事評価を行うことが肝要です。

適切な評価を行うために、すぐ実践できる3つの工夫ポイント

 「人事考課を間近に控えているため、制度そのものを変えたり、ツールを導入するのは難しい」という場合は、簡単にできる工夫を採り入れましょう。

 まず、評価項目のなかに「道具の管理状況は適切か」「机上の整理整頓ができているか」など、出勤しないとわからないものがあった場合は削除する(もしくは評価しない)、「業務に関する報告がしっかりできたか」といった曖昧な表現を含むものがあった場合は「日報を欠かさず提出することができたか」など具体的な内容に変更します。また、意欲、勤怠、健康状態を適切に自律管理できていたかを問う「セルフコントロールスキル」に関する項目を加えることも有効です。

 次に、相対評価でなく絶対評価を行うこともポイントとです。テレワークの場合は勤務状況や業務プロセスが見えにくいため、評価の基準が実績や成果といった定量面に偏りがちです。その際に相対評価を行うと、「成果を上げたのに評価が低い」という不公平感が従業員の間に生まれてしまうことがあるのです。見えないからこそ公正かつ公平に、不公平感が生まれないような評価を心掛けることが大切です。

 さらに、「不公平感をなくす」「働きぶりが見えにくいという不安を排除する」という目的で、新たに「評価される側」によるプレゼンテーションタイムを設ける企業もあるようです。ひとりにつき10~20分で、テレワーク時に心掛けたこと、実践した工夫や成果について語ってもらい、これを考慮して評価することで、評価する側とと評価される側双方の理解と納得感が深まると言います。

 こうしたちょっとした工夫を加えるだけでも評価がしやすくなり、テレワーク中の従業員が抱きがちな「きちんと見てくれているのだろうか」という不安が和らぐものです。評価項目の整理、面談方法の見直しなど、まずはできる範囲で調整していくとよいでしょう。

ソリューションの導入や制度の見直しを行うことも欠かせない

 直近の人事考課への対応策が固まったら、次は、来年・再来年の人事考課に向けた、より大きな仕組みの改革に取り組みましょう。

 長期的な視点で前向きに考えたいのが、人事労務系ソリューションの導入です。人事評価を蓄積・共有し、さらにタレントマネジメント(従業員が持っているスキルや能力を最大限に活用するための人材配置や育成を行うマネジメント手法)ができる「HR Brain」や、全従業員の顔写真がずらりと並ぶビジュアルで知られる「カオナビ」、人事評価や人材の見える化だけでなく育成や採用にも可能な「タレントパレット」など、多彩なシステムが出そろっています。なかには残業時間や勤怠、取り組んだ研修、成果などのデータを参照しながら評価できるシステムも。あらゆるデータを見える化し連携させながら、透明度の高い評価ができるようになっているのです。料金はソリューションによりさまざまですが、おおよそ月額7万円程度から。いずれもクラウド上で動く仕組みになっており、会社、自宅、あらゆるところから書き込みと閲覧ができるところもテレワーク環境に適しています。

 ソリューションの導入と並行して、冒頭で述べた成果主義評価への切り替えや360度評価、ノーレイティングなどをの採用すれば、よりテレワークに適した人事評価制度ができあがるはずです。

 短期的な視点での調整と、長期的な視点でのソリューション導入や制度改革。これらをうまく掛け合わせて、恒常化しつつあるテレワークを支える人事評価システムをつくり上げていきましょう。

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