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2016.10.28 (Fri)

他人には聞けないICTの“いま”(第22回)

面倒なマニュアル作成もクラウドで解決!?

posted by 落合 純平

 ビジネスを続ければ続けるほど、企業には「ノウハウ」という財産が積み重ねられます。そのノウハウは、企業の日々の業務を支えつつ、ときには他社との差別化にもつながる、お金には代えられない貴重な財産です。
 
 とはいえ、そのノウハウが明文化され従業員に共有化されている、という企業は少ないでしょう。従業員個人が積み重ねたノウハウを組織で共有化することは、簡単なことではありません。マニュアル作成に要する工数が確保できなかったり、マニュアル作成の作業を後回しにしてしまっているケースもあるでしょう。

 しかし現在、マニュアル作成をサポートしてくれるサービスというものが存在します。こうした便利な有効活用することで、業務内容を会社全体で共有し、業務引き継ぎの簡易化や、作業の属人化を防ぐことができます。もちろん、面倒なマニュアル作成の作業からも解放されます。

 今回は、蓄積したノウハウを有効に活用する、便利なマニュアル作成サービスを紹介します。

企業にとって価値のあるマニュアルも、従業員には面倒な存在

 自社が蓄積したノウハウという“財産”を、他の従業員の目に見える形に残し、新人教育や業務改善に活用することは、企業にとって非常に意義深いことです。しかし、冒頭で述べた通り、通常業務に加えてマニュアルを作成するというのは、簡単な作業ではありません。特に、複雑な操作や高度な知識が求められる作業であればあるほど、マニュアルの作成は困難になります。

 さらにいえば、通常業務を行ううえでマニュアルは「どうしても必須である」というほどの存在ではりません。たしかに周囲に誰もいなければマニュアルに頼るしかありませんが、業務に熟知している人が近くにいれば、その人から教われば解決できます。何も面倒なマニュアルを作る必要性は無いのです。

 そのほか、わかりきっている作業を明文化することが面倒くさい、すでにノウハウを知っている自分がマニュアルを作成するメリットがない、作成作業が地味で面倒、作成しても評価されるかどうかわからない……など、ネガティブ面を取り上げればきりがありません。マニュアルは、企業にとって価値はあるものですが、従業員にとってはあまりその価値が感じられにくいものなのです。

なぜマニュアルをクラウド化すべきなのか

 しかし現在、こうしたマニュアル作成のマイナス面をカバーしたサービスが登場しています。それが、クラウドを活用したSaaS型※のマニュアル作成・共有サービスです。

※ユーザーが必要な機能を、インターネット経由で必要な分だけ利用するソフトウェアのこと。Software as a Serviceの略

 こうしたサービスを用いる一番のメリットは、マニュアル作成時間が短縮できる点にあります。利用者の作業は、基本的には画像と文章を用意すれば、後はサービスのフォーマットに従い登録するだけです。デザインを自動的に整形し、見やすくしてくれる機能を備えたサービスもあります。

 また、すぐに見たいマニュアルにアクセスできる点もメリットです。紙のマニュアルだと、どこに何があるか分かるように管理するという手間があります。一方クラウドサービスでは、検索機能を使うことで、マニュアルの格納場所がすぐにわかります。中には閲覧数や検索タグを使った検索も可能なものもあります。

 さらに、動画や音声もマニュアルに取り込めるサービスもあります。文面だけでは伝えることが難しいことも、動画や音声といったより豊富な情報を参考に、業務の習得に取り組むことができます。

 加えて「クラウド」なので、PCだけでなくスマホやタブレットからの閲覧も可能です。場合によっては社外や自宅からのアクセスもできるので、多様な勤務スタイルに対応できます。

従業員が取り組みやすいマニュアルサービスの例

 こうしたクラウド型のマニュアルサービスは、いくつかの企業が提供しています。すべて紹介することはできないので、今回は2つだけピックアップします。

 1つ目は「TeachmeBiz」(ティーチミービズ)です。有償のプランを導入している企業が1,000を超えるほど、多くの企業から支持されているマニュアル作成サービスです。

 TeachmeBizでは、動画を一時停止させ、枠で囲ったりテキストを追加するなどの編集ができる「ムービープラス」機能や、マニュアルを他の言語に翻訳する「ダイレクト翻訳」といった機能を備えています。さらに、情報漏えいを防ぐために社外ではマニュアルを閲覧できないようにするなど、細かい設定も可能です。

 2つ目は「TEんDO」(テンドウ)です。こちらはマニュアル作成を「入力」「編集」「出力」という3つのプロセスに絞っている点が特徴。「入力」では、PCを普段通りに入力するだけ自動的に画面がコピーでき、「編集」でテキストや音声を加え、「出力」でWordやHTML、動画などさまざまな形式に出力できます。

 従業員にマニュアルの作成を依頼しても、期待通りのものができあがるわけではありません。それならば、こうしたマニュアルサービスを利用すれば、ある程度のできあがりの質が保証されます。従業員も「紙のマニュアルなら難しいけど、この程度ならできる」と、意欲を持って取り組みやすいはずです。

 せっかく貯めた企業のノウハウを、マニュアルという形で上手に活用してみましょう。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2016年9月30日)のものです。

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落合 純平

落合 純平

株式会社ネクストアド BtoBコンテンツマネージャー。BtoB専門コンテンツ制作サービス「CREATIVE B」チーフ。ICTコンサルタント。IT製品の紹介ページやナーチャリングコラム、メールマガジンの制作を数多く請け負い、サーバ、ネットワーク、仮想化基盤といった専門的な分野から、クラウドやモバイルといったトレンド分野まで、幅広いジャンルのウェブコンテンツを制作。
http://creativeb.jp/

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