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2016.06.20 (Mon)

ビジネス英語講座(第24回)

取り引き先にクレームを入れる

posted by 佐藤 隆之

 商品やサービスの不備、納期遅延、支払い遅延、請求ミス、不良品、従業員の対応など、ビジネスにはトラブルが付き物ですが、海外企業との取り引きにおいても同様です。では、英語で取引先にクレームを入れるには、どのような表現を使えばよいのでしょうか。

ソフトな表現でクレームを伝える

 商品遅延に関するクレームを例に見てみましょう。まずは、穏便に進めたいのでソフトな表現で電子メールを送る場合の表現です。

“Dear, Mr. Brandon, I am writing to you because we have a problem on our order. We supposed to receive your product on May 1st. However, it has not arrived yet.”
(ブランドン様、私たちの注文に関する問題があって、メールをお送りしています。5月1日までに商品を受領する予定でしたが、今のところ、まだ届いていません。)

 クレームの導入は、事情の説明です。想定した状況と、現状のギャップを明確にすると、何が問題なのかが分かりやすくなります。

“If the shipment does not arrive by May 10th, I will have to cancel the order. Please let us know the shipping status and the expected delivery date. Thank you for your understanding. Best Regards, Taro Yamada”
(もし商品が5月10日までに届かなければ、注文をキャンセルしなければなりません。発送状況と配送予定について知らせてください。ご理解ありがとうございます。よろしくお願いします。ヤマダタロウ)

 クレームの後半では、問題が解決されない場合に発生する状況を説明し、緊急性を高めます。そして、具体的な依頼を記載します。何をしてほしいかを曖昧にせず、具体的なアクションを伝えるのが鍵です。最後は、感謝を伝えてクレームを締めます。

断固とした態度でクレームを伝える

 次は断固とした態度で、クレームを強調する表現を見てみましょう。不良品に関するクレームを電子メールで伝えるには、どう記載すればよいでしょうか。

“Dear. Ms. Thompson, I hope you are well. I ordered 10 pieces of your product the other day, but 3 of them were broken when we opened the package. We cannot use them at all.”
(トンプソン様、お世話になっております。先日、商品を10個注文しましたが、包みを開いた時点で10個中3個が破損していました。全く使用に耐えません。)

 不良品の場合、配送時の問題など、複数の要因が考えられます。自社に非はなく、相手方に対応する責任がある旨を明確に伝えます。

“Could you confirm and re-send the normal ones ASAP. Thank you for your help. Best Regards, Taro Yamada”
(確認の上、正常な商品を今すぐ再送していただけますか?ご配慮ありがとうございます。よろしくお願いします。ヤマダタロウ)

 ASAP(As soon as possible)は「できるだけ早く」を意味する慣用表現です。ASAPやNOWを使用すると、断固とした態度が伝わります。

言語や文化の違いに注意する

 英語でクレームを伝える際には、言語と文化の違いを考慮する必要があります。まず、主張ははっきりと分かりやすい表現を心がけます。日本語のように控えめな表現を使う必要はないので、「どんな問題を抱えているのか」「何をしてほしいか」を明確にしましょう。

 フォーマルな依頼の場合、ていねいな表現を使うように心がけましょう。カジュアルな表現の場合、事態の深刻さが伝わらず、適切なアクションをとってもらえない可能性があります。たとえお客さまからの依頼でも、自分の都合を優先する担当者も存在します。適切な対応がなされないと、どんな問題が起こるかを明確に言葉として伝えなければいけません。

 海外企業の担当者は、自分に非はないと主張するケースがあります。日本では“言い訳”ととられるような主張も平気で行う担当者も少なくありません。それでも、感情的にならず、言うべき内容をていねいに言葉にしていくことで、困難な状況を打開することができます。

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佐藤 隆之

佐藤 隆之

株式会社ネクストアド所属ライター。Mint Labs製品開発部長。1981年栃木県生まれ。2006年東京大学大学院工学系研究科修了。日本アイ・ビー・エムにてITコンサルタント及びソフトウェア開発者として勤務した後、ESADE Business SchoolにてMBA(経営学修士)を取得。現在は、スペイン・バルセロナにある医療系ベンチャー企業の経営管理・製品開発を行うと共に、IT・経営に関するコラム執筆を手掛ける。Twitterアカウントは@takayukisato624。

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