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2017.07.24 (Mon)

朝礼ネタ帳(第98回)

パフォーマンスを高める脳のゴールデンタイムとは?

posted by 山下 正之助

 多くの人には、頭が冴えている時間帯と集中力が欠ける時間帯が存在します。冴えているときは難しい業務もバリバリこなせますが、集中力が欠けると業務が思うように進まず、時間ばかりがかかってしまうことも。ビジネスパーソンが集中力を欠いたまま仕事を進めても、生産性や作業効率は向上しません。

 今回は、作業療法士である菅原洋平氏の著書『脳にいい24時間の使い方』にある脳のゴールデンタイムを活用して、仕事のパフォーマンスを上げるタイムマネジメントについて紹介します。

脳のゴールデンタイムにすべき仕事とは

 身体の各器官は、起床してから就寝するまでの間に、活発な時間とそうでない時間があるといわれています。それら生体リズムに関する学問を医学分野に取り入れたものは、「時間医学」と呼ばれています。

 菅原氏は著書で、時間医学にもとづき脳がもっとも活発になる起床4時間後のゴールデンタイムに注目。ゴールデンタイムを中心に「生産性を高めるための午前、午後、夕方」というタイムマネジメントを紹介しています。それぞれの時間帯に適した仕事があり、脳の活動に合わせて生産効率を高めようという考えです。

 午前中は、起床4時間後のゴールデンタイムに重要な仕事ができるように当てはめるタイムマネジメントが大切だと菅原氏は説明しています。具体的な仕事内容は次の通りです。

 まず、起床1時間後は簡単な日記を記します。脳内の記憶は睡眠によって整理されます。朝になって簡単に思い出されることは、脳内で重要と判断された記憶なので書き留めておくと、行動すべき重要なことが認識できるのです。

 次に起床2時間後は、重要な仕事を片付けます。起床2時間後は男性ホルモンの1種であるテストステロンが分泌され、決断力が高まるそうです。重要な決断が伴う仕事は、出社後真っ先に行うことをすすめています。逆にNGな仕事は、メールチェックです。決断力が高くなっている脳に情報処理という単調な作業をさせると、その後の覚醒が鈍ってしまうからです。

 起床3時間後は、調べ物や新しい資料を読みます。1日で脳の記憶力が最も高まる時間帯なので、新しいことを覚えるには最適です。この時間帯から仕事への集中力が高まり、作業がはかどるようになるそうです。

 ゴールデンタイムとなる起床4時間後は、企画や提案書を作成します。脳が最も活発に働いている時間帯なので、知的な作業に最適です。もし、この時間帯に眠気を感じている場合は、睡眠時間や就寝時間を見直しましょう。睡眠時間のずれが生体リズムに影響していることがあるそうです。

 起床5時間後は、上司に大事な相談事をします。免疫力が高まる時間帯で、精神面もタフになる傾向が見られます。上司に判断を仰ぎたいことは、この時間が適しているそうです。上司も免疫力が高まっている可能性が高いので、対応してもらえるでしょう。

 起床6時間後は、5分間の仮眠を取りましょう。目を閉じて情報の流入を止めて、脳を休めます。仮眠を取ることで、起床6時間以降から脳内に分泌されはじめる睡眠物質の抑制につながるとのこと。昼休みは気分転換にスマートフォンでネットサーフィンという人も多いでしょうが、視覚による情報処理が続き、脳には疲労が蓄積されてしまいます。

脳のワーストタイムに合わせたマネジメントとは

 起床7時間後は、アドレナリンの分泌が高まりやすい時間です。それが8時間を迎えると急激に低下します。9時間後は眠気が強くなるので、午後は脳が働かなくなるワーストタイムが続きます。特に、記憶力や創造力が求められる仕事には適していないとのこと。この時間帯は、機械操作や書類整理などの単純作業やルーティン作業が適しています。

 起床10時間後は、脳ではなく身体の奥の体温「深部体温」が高くなる時間帯です。眠気もなくなるので、退社時間までメールや書類に目を通すなど、スピードを重視する情報処理などの仕事が適しているそうです。

 このように午前中に重要な仕事をこなし、昼に少し脳を休め、午後は単純作業、夕方は情報処理というマネジメントを菅原氏は理想としています。

脳のタイムマネジメントがうまくいかない

 菅原氏の推奨する仕事マネジメントを行っても生産性が高まらない、ゴールデンタイムに眠気を感じる場合は、仕事以外の時間で生体リズムを崩している可能性が考えられるそうです。特に起床してすっきりしない、行き帰りの通勤で眠気を催す場合は要注意です。

 人間の生体リズムは日光を浴びることにより、活発になる時間や眠くなる時間が設定されるそうです。起床して日光を浴びると睡眠ホルモンの分泌が止まるのですが、それが不十分だと生体リズムが狂います。また、帰宅後に仕事のことを考えることは、脳を活性化させてしまい睡眠の質を下げます。

 逆に就寝前に適していることは、記憶学習です。脳は睡眠中に記憶を整理しています。また就寝直前に覚えたことほど記憶に残りやすいという性質があり、就寝前に資格勉強などを行うことを菅原氏はすすめています。

 このように脳の起床から始まる生体リズムを知れば、仕事のパフォーマンスが高められるタイムマネジメントを組めるようになります。最近仕事のパフォーマンスが良くないと感じている場合は、脳のゴールデンタイムから外れたタイムマネジメントを実行しているからかもしれません。

【参考文献】
菅原洋平『脳にいい24時間の使い方』フォレスト出版

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山下 正之助

山下 正之助

国公立の美大卒業後、大手広告代理店などでクリエイターとして勤務。現在はフリーライターとして活動中。アートに関するキュレーターコラム、ビジネスコラムなど執筆多数。

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