2016.2.1 (Mon)

キーマンズボイス(第3回)

株式会社ペリエ 社長 和田 浩美 氏

このエントリーをはてなブックマークに追加
Evernoteに保存
印刷

 外資系教育会社において営業成約率95%、20代の若さで世界No.2の実績を上げ、女性初の支社長となり、その後、独立して華々しいご活躍をされている和田浩美さん。
現在は、その実績を活かし企業や個人向けに、営業・ コミュニケーション・モチベーションUPのための研修・講演を日本にとどまらず海外でも展開されている。大規模な講演では2000人規模の会場も満席にしてしまう程ファンが多く、人を魅了して止まないカリスマ女史。それは熱い眼力(めじから)だけでも充分に理解できる。
  現在、従業員数は4名。「商品は私だけなので充分です」と淡々と公言できるところがとてもスマートである。彼女の自信とパワーは自分をわかっているところから生まれた賜物なのだと頷ける。
  そんな素敵な女性社長和田浩美さんに、商談成立のノウハウや企業が抱える問題点の解決方法をお伺いしてきました。

株式会社ペリエ 社長
和田 浩美(わだ・ひろみ)


経歴
株式会社ペリエ代表取締役、作家。 外資系教育会社を経た後、「世界NO.2セールウーマンの売れる営業に変わる本」で作家デビュー。その作風は大きな反響を呼び30万部のヒットになる。その後、童話、エッセイを含む数多くの著作を発表。計35冊を数える。傍ら、ラジオDJ、さらには、セミナー、講演で国内外からオファーが絶えない講演家でもある。最近では中高生などの若い世代への未来が明るくなる考え方などを伝える活動をしている。

企業の営業担当としての成功を果たしてから独立までの道のり

――外資系教育会社での営業時代、世界No.2の成績を残したとのことですが、どのようにして20代の若さで実現できたのでしょうか?

 運、タイミング、時期などがうまく重なったのもあると思います。
ただ、結果を出すには、練習、努力、創意工夫も必要だと思いますし、基本的に、“人から嫌われたら物は売れない”と思っていました。
元々、営業の仕事はちょっと強引に売らなければいけないというイメージもあり、はじめはお客さんに電話をかけることもなかなか出来ませんでした。自分自身が営業をされたときに口を開けば商品のことばかりという人は苦手だったので、そういう営業マンにはなるべくならないようにしようと思っていたことが結果的に良かったのかもしれません。また「私ならこんな人から買ってみたい」と思える人物像を目指しました。自分が好感を持てる人ってどういうこと普段されているのか?ということに興味を持ち、そういう人を研究しました。そして何より大切なことは 自分が売っている商品や会社のことを心からいいものだと信じていることです。
 「自分が本当にいいものをお勧めしている」と心の底から思うことで相手の心にも 届きます。そのことに気づいてから営業成績もどんどん上がっていきました。

――そのような実績を上げ、その後も女性初の支社長にまでなられたということで華々しいご活躍をされていますが、そこから独立した経緯を教えてください。

 営業として全国でもトップクラスの売上を上げられるようになったのですが、その頃、母体となる外資系教育会社の組織改革が行われ、上司や同僚たちが同業他社に引き抜かれていきました
 私に声をかけてもらいましたし、条件のいいところに行きたいという気持ちもゼロではありませんでした。けれど、今日はAがいいと言っておいて、突然明日はBがいいと言うことに抵抗があり、そのまま会社に残ることに決めました。

 それからは身を粉にして「きっと会社はよくなる」と信じて頑張ったのですが、アメリカ本社のオーナーが変わり、あっけなく「日本撤退」を 命じられました。そして、私も含めそこにいたほぼ全員がリストラ対象になってしまったのです。一瞬マイナスのようなこの出来事も 今になって振り返ればこれは私にとって大きな転機だったのです。また、全てを失いましたが、再生をかけて最後まで頑張った事実は私のなかで 大きな自信になっています。
   新たな会社に入って営業の仕事を探すこともできましたが、知り合いから「うちの営業マンを指導して欲しい」と依頼が来たこともあり「ペリエ」をスタートさせることを決意しました。また偶然友人に勧められた異業種交流会で本の企画に携わっている人に出会い、著作の誕生につながりました。

百戦錬磨の商談と相手の心を掴むポイント

――ご自身営業時代のご経験より、商談成立のためのノウハウを教えていただけますでしょうか。

 ムリに売ろうとせず、“まずは相手の心を掴むこと”だと思います。
一生懸命営業を行えば行う程、“売らなければ”という雰囲気は表情や態度に現れてしまい、自分の欲が相手に伝わってしまいます。そうなれば当然相手は引いてしまうでしょう。
誰だって「買って買って」と相手の欲求ばかり押しつけられたらいい気分はしません。相手も警戒して心を開けない場合が多いのです。

 もちろん、営業方針によっては、嫌われてもいいから売った方がいいという考えもありますが、それでは、リピートや紹介のコミュニティづくりができないと思います。だからまずは、目の前のお客さんのことに興味を持って、相手が喜ぶことはなんだろうと絶えず考えて接していくのです。会話もただ質問するだけでなく、その人自身を深掘りをしていくようなイメージですね。そうすると、相手の捉え方も変わると思います。ただし、ただ雑談して仲良くなるのではなく、この人にもう一度会いたい、この人の話をもう一度聞きたいと思ってもらうことが大事だと思います。

perie-net_img_3――営業相手の心を掴むポイントを教えてください。

 テクニック的には喋り方、立ち方、目線などがありますが、相手のことをどれだけ理解しているかということだと思います。 私は現場で何千人もの顧客に1対1で会って、高額な商品契約時のときの緊迫したクロージングを経験してきているので、体に染み付いたクロージングのときの空気感みたいなものが備わっているのかなと思います。この感覚が知識で学ぼうと思っても難しいんです。場数です。私の著書の中でいつも表現をしていますが、「職人みたいな感覚になるにはできるだけたくさんの人と会ってください」と言っています。おとなしい人、頑固な人、多種多様なタイプの人がいますので、相手の心をひとつずつYESにするためには、その人が「好ましいと思う人」にならないと100%に近いクロージングは出せません。それは時間をかけて実体験を通じて学んでいかなければならないと思います。

 それから、自分の心をきちんと開いて見せているか。
コミュニケーション取る時に人は誰しもがいいところばかり見せてしまいがちです。けれど、より相手と親しくなりたいと思うのなら、まずは自分から心を開くべきだと思います。人の心が動くのは相手と共感出来たとき。自分のコンプレックスや欠点を認めた上で相手に接することで、深い関係が気づいていけるのだと思います。

陽転思考で企業の問題点を解決していく方法

――多くの企業を相手に講演をされていますが、それを通じて感じる現在の企業が抱える問題点は何でしょうか。

それに対してどのようなアドバイスをされているのでしょうか?
 業種によりますが、新人の元気がない、すぐ辞めてしまう、何をしてもモチベーションを上げてもらえない。鬱病の問題など、現在の社会問題になっていることが共通の問題です。

 例えば、その人にやる気がなくなってしまう理由が“厳しい上司のせい”だと思っていた場合に、だからといって上司が辞めればいいというわけにはいきません。受ける人が「こういう厳しい上司だからこそ、学べることが多くてよかった」とか、辞めないで会社にいるなら、ちょっとでも楽しくなる方法を自分で探そうとなど、今置かれている現状に落ち込むことがあっても、そこからきちんと前を向くことが大事だと思っています。
文句を言いながら仕事をしてもスキルは伸びないし、転職やヘッドハンティング時に、会社での評価が低かったりすると、結局損するのは本人です。だからこそどんな厳しい環境でも歯を食いしばって「自分のためにがんばれ」とアドバイスしています。
必ず雨はやむし、暗いトンネルにもいつか光が差すように、ずっと苦しい時期は続きません。踏ん張った時に鍛えられた分、上司からの信頼や評価が上がり大事な仕事を任せてもらえたり、会社のシステムが変わった時に支社長に抜擢されたりすることもあります。今「これが辛い」ということばかりにフォーカスするのではなく、「違う考え方でやれば新たな結果が待っている」という、思考パターンを持つことで、今までと見ている世界はがらりと変わります。現実は変えられないけれど、自分の見方を変えるというのが陽転思考なのです。

――現在和田社長が経営者として大事にしていることを教えてください。

 会社の経営ということで考えると、まずは会社の基盤となる売上を継続的に上げていくことは重要だと思います。経営者って決めることがとても多いと思うんですね。その中で自分たちには何ができるのか、もっとお客様に喜んでもらえるサービスって何だろうと可能性を考えていくのです。会社の現状ばかりを考えて、これはムリ、あれはムリでは何もできないことだらけなので、例えば多少コストがかかったとしても、作業効率がアップするのであれば、それは投資すべきだとか、プロジェクトの途中で、現状までの先行投資は無駄になってもトータル的な損失を考えた場合、即座の撤退を決断すべきなどといった判断力は経営者として必要不可欠だと思います。そこで誰かが傷つき痛みを伴うこともありますが、一番大事なことはその先にいるお客様ですからね。

――今後のビジョンを教えてください。

 現在の私の仕事で作家業もかなりウエイトを占めていますが、今後は童話や絵本など子供向けの作品を書く時間を取りたいと思っています。
今までは会員さん向けにCDと会報を送っていたのを、動画配信システムを構築して動画とかのコンテンツをたくさん見られるようなスタイルに変えました。
身体はひとつだけど、たくさんの人にメッセージを届けたいと思っているのでこれからもこういうメデイアをできる限り使って幅広くたくさんの人に陽転思考や営業の考え方を伝えていきたいです。
 今の世の中、先行き不透明で、大変な時代に生きる人達がこれからの日本を支えていかなければなりません。バブル時代、高度成長期に生きた人とは幸せの価値観も違う時代ですが、この時代だからこその幸せを見つけて欲しいですね。 日本人であることを誇りに思い、自信を持って生きていって欲しい。そういう考え方を多くの人に伝えていきたいです。

 日本人は未来志向だと思います。伊勢神宮の木々は100年後200年後の木を今から育てています。 今生きている人が200年の先のことまで考えて仕事をしているのです。 これから生まれてくる人に残せることは希望なので、今の時代に生きている我々が希望を持って生きて、後世に伝えていきたいです。

このエントリーをはてなブックマークに追加
Evernoteに保存
印刷

連載記事一覧

メルマガ登録


「人材不足」を働き方改革で乗り越える


教育機関向け特集


自治体向け特集


イベント・セミナー情報


ICTコンサルティングセンタ

ページトップへ

close