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2021.10.29 (Fri)

新しい働き方のヒント(第2回)

フリーアドレスの事例をご紹介! メリットや導入方法なども

 これまでのオフィス勤務は、従業員それぞれが固定席で仕事を行うことがあたりまえでした。近年では固定席を撤廃して自由席にする「フリーアドレス」の導入が大企業などでも進んでいます。

 今回の記事では、フリーアドレスとはそもそも何か、メリット・デメリット、導入ステップや事例などを紹介していきます。

◆目次
フリーアドレスとはそもそも何か?
フリーアドレスの導入率
フリーアドレス導入の目的・メリット
フリーアドレスの課題・デメリット
フリーアドレスの種類
フリーアドレス導入のためのステップ
フリーアドレスのケーススタディまとめ

フリーアドレスとはそもそも何か?

 フリーアドレスとは、オフィスで従業員が決められた固定席で仕事を行うのではなく、自由な席に座って仕事を行うスタイルのことです。Wi-Fiを利用した無線LANとノートPCを利用するケースが多いです。

 フリーアドレスは省スペースなどのコスト削減が目的で導入されることも多いですが、従業員同士のコミュニケーションの活性化や生産性向上など、働き方改革の目的での導入も増えています。

フリーアドレスの導入率

 森ビル株式会社が2020年12月に発表した「2020年 東京23区オフィスニーズに関する調査」では、フリーアドレスを導入した企業の割合が前年の19%に比べて28%と増加しています。新型コロナウイルスによる三密の回避などの効果なども期待されています。

参考・出典:2020年 東京23区オフィスニーズに関する調査
https://www.mori.co.jp/company/press/release/2020/12/20201223110000004120.html

フリーアドレス導入の目的・メリット

 フリーアドレスを導入することによる目的やメリットを紹介します。

コミュニケーションの活発化

 フリーアドレスでは、席がバラバラになるため普段あまり関わっていない部署やメンバーと交流する機会が増加し、コミュニケーションが活性化します。新しいアイデアの創出や従業員の会社への帰属意識の向上などの効果もあります。

部署間連携の強化

 席が離れている時には部署同士でのコミュニケーションエラーや、業務上の無駄な工数の発生などがありましたが、席が近くなることでスムーズな業務も可能になります。

省コスト化

 オフィスの無駄なスペースを減らし、効率的な活用が可能です。従業員が増加しても新たに増床することなく運用が可能になるケースもあります。

ペーパーレス化の促進

 自分の固定の席がないことで、紙による資料保管が難しいため、電子化する必要性が生まれます。ペーパーレス化を進めるきっかけとなります。

生産性の向上

 業務内容に応じて好きな席を選ぶことも可能なため、生産性の向上につながります。例えば人と会話をせずに集中して取り組みたい業務がある場合は仕切りがあるスペースで行い、逆に会議まではいかなくとも数人で会話をしながら連携して進めるほうが効率の良い業務はテーブルで行うなどの選択が可能です。

デスクの整理整頓

 個人のデスクは自分のスペースのため、どうしても余計な荷物を置いていたり、書類が積み上がってしまうなどのケースがあります。フリーアドレスでは自分のスペースではないため、常にデスクが整理整頓された状態を維持しやすいです。

テレワークの導入がしやすい

 新型コロナウイルスの感染対策としてテレワークを実施する際や、賃料の節約を行うのにフリーアドレスは相性がよいです。オフィスに従業員全員を収容するスペースが必要なければ、フリーアドレス化して必要な時だけ出社する形式にできます。

フリーアドレスの課題・デメリット

 フリーアドレスのデメリットや導入における課題などを紹介します。

マネジメントの難しさ

 フリーアドレスで席がバラバラになるため、部署単位でのマネジメントが難しくなります。メンバーがどこにいるかわからず、業務の状況を直接見ることができません。また、自分の席やチームの席があることによる一体感が薄れます。連携が大事な部署では後述するグループアドレスなどが適しています。

集中できる環境の確保

 固定席の環境のほうが集中できる業務もあり、フリーアドレスで会話が行われやすい環境だと集中できないこともあります。フリーアドレスのレイアウトの中に、壁際のスペースや区切られた集中スペースなどを設けるといった対策が必要です。

書類などの個人の荷物の整理

 固定席で自分の席がある時はオフィスに置いておく荷物の管理ができましたが、省スペース化されたフリーアドレスでは、荷物の置き場所がないケースがあります。また、郵便物を従業員の席に置いておくことができません。

 オフィスに郵便をまとめておくスペースの設置や、個人の荷物をまとめておいておけるスペースなどを用意するのが好ましいです。

システム整備などの初期費用

 フリーアドレスを開始する際は、様々な環境整備などの初期コストが発生します。無線LAN環境の整備や、従業員それぞれで卓上電話を利用していた場合は携帯電話の用意、スマートフォンの内線化、私物を管理するためのスペースの確保などです。

座席の固定化

 フリーアドレスは自由に席を選択できますが、運用を開始するとある程度利用する席が固定化されるケースがあります。当初の目的であるコミュニケーションの活発化などが薄れていく可能性もあるため、座席が固定化されないような運用ルールを設けるのが良いです。

フリーアドレスの種類

 フリーアドレスにはいくつかの種類があります。それぞれの種類でメリット・デメリットがあるため、導入時はどのスタイルが適しているか検討しましょう。

オールフリーアドレス

 すべての席をフリーアドレス化する方式です。

オールフリーアドレスのメリット

 部署やチームをまたいで席に座るので、普段関わらない部署や人員同士のコミュニケーションの活性化が期待できます。すべての席がフリーアドレスになるため、空いている席でも積極的に活用できます。その日の気分や業務で関わる人に合わせて席を選択できるなどの自由度が高いです。

オールフリーアドレスのデメリット

 部署内でのコミュニケーションがとりにくく、直近の業務の生産性や効率が落ちるおそれがあります。どの席に誰がいるかを把握しにくいため、電話の取り次ぎや業務上必要な声かけなどがしにくいです。

 フリーアドレスとはいえ、座る場所が固定化してしまい、あまり新しいコミュニケーションにつながらない可能性もあります。

グループアドレス

 部署やチームなどのグループ単位で島やエリアなどを決め、その中でフリーアドレス化する方式です。チームアドレスやデザインアドレスなどとも呼ばれます。

グループアドレスのメリット

 席のエリアがチーム単位で決まっているため、社内で人を見つけることや、声掛けなどがしやすいです。グループ内であまり関わっていない人とも会話が発生するため、チームビルディングに役立ちます。グループ内での席が固定化しにくく、フリーアドレスとしての目的を失いにくいです。

 フリーアドレスではありますが、オールフリーアドレスと違いチーム内での連携を損なう可能性が低いです。また、部署の特色によって運用を柔軟に変更できます。外出やコミュニケーションが多い部署と、デスクワークが多い部署で自由度を調節する、などの対応が可能です。

グループアドレスのデメリット

 オールフリーアドレスに比べると、選択できる席の自由度は下がります。

 また、他の部署やチームの人と隣の席になる機会などは減ります。対策として、定期的なグループの配置変更などを行えば、隣のグループとのコミュニケーションが生まれやすくなります。

フリーアドレスのレイアウトにはどんな種類がある?レイアウト例を紹介!

フリーアドレス導入のためのステップ

 フリーアドレスを導入するために必要な準備を紹介します。

現状把握と目的の明確化

 現状の部署や従業員がどのような働き方をしていて、フリーアドレスがどこまでの効果があるのか予測しましょう。営業などの外出や離席が多い部署なのか、経理など同じ席で働く必要性が高いのか、従業員の着席率がどのくらいなのか、などです。

 また、フリーアドレスを適用する範囲を検討していきましょう。どのような働き方を目指しているのか、目的を明確化します。各従業員のコミュニケーションを活発化させたいのか、テレワークを行うにあたり在宅勤務やサテライトオフィス勤務と平行して、オフィスで働く人数を制限するためなのか、などです。

試験運用とルール決め・啓蒙

 フリーアドレスを実施するときは、会社の規模にもよりますが、ある程度の試験運用期間を設けましょう。運用がしやすい部署から開始して、徐々にルールを固めていきながら、その後適応予定の部署にも広げていきます。

 この時にフリーアドレス化による目的を達成できるように、従業員の理解を得るための説明会なども実施しましょう。多くの従業員は固定の席で働くことに慣れているため、生産性の低下などを懸念する可能性があります。実施をすることの目的・メリットを認識して足並みを揃えることが重要です。

ツールや設備などの環境整備

 本格的にフリーアドレスを実施するために必要になる、またはあったら便利なものを紹介します。

PC・IP電話・ディスプレイなど

 デスクトップPCを利用している場合は持ち運びが可能なノートPCの導入が好ましいです。従業員に一人ひとり電話が必要な場合は、有線の固定電話ではなく無線のIP電話や、クラウドPBX活用による個人のスマートフォンのビジネスフォン化などを進めましょう。また、席によっては誰でも利用できるディスプレイを配置するなども生産性の工向上につながります。

ネットワーク環境

 フリーアドレスでは生産性向上のため、すべての席をデスクにするのではなく、カウンタータイプの席やソファ席などを利用することがあります。その際は有線LANではなく無線LAN環境を整備するのが好ましいです。

ロッカーなどのスペース確保

 個人のデスクがなくなる分の荷物を保管しておけるロッカーなどのスペース確保が望ましいです。

着席管理ツール

 席の固定化やメンバーがどこにいるかわからないといった問題を解消するための、フリーアドレスオフィス用の着席管理ツールがあります。その日座る席を抽選式にして決めたり、上司が部下の現在の席を把握したりすることが可能です。コミュニケーションがしやすい席や集中できる席などを、会議室のように予約制にすることが可能なホテリング機能などもあります。

フリーアドレスのケーススタディ

 フリーアドレスを活用した事例をご紹介します。

直行直帰型の営業職のフリーアドレス

 ある企業の例では、ワークライフバランスと成果主義を浸透させるためのテレワークや長期休暇の取得促進と並行して、営業職はオフィスへの出勤義務をなくして直行直帰型の勤務を開始したケースがあります。その際、本社や地方のオフィスのフリーアドレス化を実施しました。

介護のためのテレワーク利用とフリーアドレス

 介護が必要な従業員のために、週に1.5回のテレワークを実施することで通勤時間を削減して、家族との時間や自分の時間・睡眠時間を確保したケースがあります。この際、テレワークと並行してフリーアドレスを利用。コミュニケーション不足はビデオ会議ツールを用いて社内の人と簡単な会話をすることで解消を心がけていたそうです。

参考・出典:テレワーク活用の好事例集 – 厚生労働省

まとめ

 今回の記事ではフリーアドレスについて紹介していきました。フリーアドレスを実施する際には、無線LANでのインターネット通信があると快適に業務が可能です。

 NTT東日本の「ギガらくWi-Fi」は簡単な設置や設定で導入でき、情報システム担当者に代わってサポートセンターのプロが従業員の問い合わせも対応可能で、手間なく安全に快適な無線LAN環境を構築できます。

 フリーアドレス導入時に新しいWi-Fi環境を検討する際は、ぜひパンフレットや活用事例集などのe-Bookも御覧ください。

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